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HSPの僕が共感した漫画!片岡恭子『だから死ぬ気で旅に出た』

「秘境者(ひきょうもの)のプロバックパッカー」というユーモラスなプロフィールを持つ、片岡恭子さん原作の漫画が、とても良かったので紹介します。

HSP,繊細さんが共感するポイントが多そうなこちらの一冊。

作画を担当するのは、漫画家の小沢カオルさん。

片岡さんはお父さんを早く亡くされ、娘との境界線をしばしば乗り越えてくるお母さんは、毒親気味。

心の不調を抱えていた片岡さんは、失恋などを経て、バックパッカーとして世界の国々を旅するようになります。

印象に残った台詞がありました。南米の部族であるナブシマケ村のアルコワ(アラワク)族のもとを訪れた片岡さん。

そこで現地の女性をパシャリと写真に収めます。

すると、撮影された女性はやや悲しげに「あなたは私の姿を知らないところまで連れて行くのですね」と述べるのです。

片岡さんは良かれと思って撮影したのですが、女性の意見を聞きはっとします。

このシーンを読んでいて、こんなことを思いました。

日本ではSNS依存に陥っている人が少なくありません。

日常のひとこまをカメラに収めすぐSNSにアップしようとするSNS中毒の人から、僕は距離をとるようにしています。

なぜならSNSにアップすることが目的になっている人は、他者への敬意や、そのときの感情や状況を心で覚えておくということを忘れているからです。

SNS中毒に陥っている人ほど、無許可で他者のプライバシー情報が入った写真をアップすることが多いので、困ったものです。

僕のぼやきはこれくらいにして、話を漫画に戻しましょう。

日本で過ごしていた頃は、とにかく心身に不調がずっと出ていた片岡さん。世界中を旅するうちに、どんどん活力が生まれ本来の元気を取り戻していきます。

旅行中に笑顔で片岡さんは、ある人にこう語りかけます。

「私は感情を抑圧して生きとってん」と。

日本は、空気を察知することがしばしば求められます。センシティブな人ほど、日々の抑圧が心の奥底へ溜まりやすく、それを自覚できていない人が多いのかもしれないですね。

繊細さんにおすすめの一冊でした。


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