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困った行動(キックミーゲーム)の背景を考えると腹が立たなくなる理由

「なんで、この人はこんな自己中心的な行動ばかりをとるんだろう?」

腹立たしく感じながらも、その行為の背景を考えることで気づきを得られることがある。

人間は自分の無意識に気づかない。正確に述べると、無意識には気づけないのだ。

無意識の意思は強烈なので、どれだけ当人が「こんなことをしてはいけない」と考えて矯正しようとしても上手くいかないケースがある。

交流分析の用語で、キックミーゲームと呼ばれるものがある。

キックミーゲームは顰蹙を買うような行動をあえてとることで、ネガティブなコミュニケーションをとることを指す。

人間は無視されることが最もつらいので、無視されるより嫌われることを選ぶことがある。

もちろんお互い好意を持ってウィンウィンの関係を築けるのが理想だが、素直になれなかったりねじれが発生すると「嫌がられてもいいから、関心を惹きたい」という気持ちになることがあるのだ。

小学生男子が好きな女子に嫌がらせをするのも、キックミーゲームの一種だろう。

キックミーゲームを知ってから、挑発的な行為に反応しなくなった。

キックミーゲームは巻き込み行為なので、注意したり叱ったりすると相手の思うつぼになるからだ。

興味深いことに、キックミーゲームを仕掛けてくる人にポジティブな声掛けを続けると挑発行為がやがてなくなる。

本心では、みんなポジティブなコミュニケーションを求めているのだ。

しかし何かで傷ついてしまい素直になれなくなると、自己開示をするのが怖くなりネガティブなコミュニケーションを選ぶようになるのが人間心理の複雑なところだ。

脳科学者の中野信子さんが「飴と鞭」ではなく「飴と無視」を推奨されていたが、これは本質を突いている。

ネガティブな言動によって注意を引くのは、無意識の巻き込みであり、一度それに対して叱責してしまう関係ができると延々「やらかす」「やらかしを注意する」というループにハマり抜けられなくなるからだ。

本心では「人から好かれたい」と望んでいるにもかかわらず、なぜか嫌われる行動を繰り返す人の背景を考えると何か発見があるかもしれない。

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