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【読書メモ】 かにみそ/心の枝折り

『かにみそ』(小学館文庫)著者:倉狩聡 

日本ホラー小説大賞 最優秀賞を獲得してる話題作!!



日本ホラー小説大賞も受賞し「泣けるホラー」
として有名になったホラー小説、かにみそ。

2つの話が入っていて、ひとつは何でも食べ、しゃべる蟹のお話。もう1つは人を誘いこむ百合の花のお話。どちらも共通してかかれているのは人の弱い心と、そこでの葛藤。そして決断。

個人的には、表題作も良かったのですが、百合の花の話が好きでした。

両親の死別後、知らない女の人が家に来て、なぜか共同生活するお話です。その家に咲いた百合の花が主人公と言ってもいいかもしれません。百合の花は多少の言葉をはなし、甘く彼らを誘います。百合は町中に広がり、また無気力になる人が増えていき…

百合から得られるもの、失うものを描いたミステリアスな内容で、めちゃ引き込まれました。変わったホラーを味わいたい人はすぐに読んで欲しいおすすめ作品です。


『心の枝折り』(河出書房新社)著:ひろはまかずとし

心に染み入るエッセイ集


服装デザイナー、詩人、墨彩詩画家、保育園の園長など多くの仕事を経験されている、ひろはまかずとしさんのエッセイ集。

20年もの人生探求の旅にもでており、その旅路で心に降りてきたことばや、感じたそのままがギュッとこの1冊に濃縮しています。

かかれているのはシンプルかつ、真理に近い言葉たち。「幸せ」とは、いつも身近に存在し受け入れる心さえあれば、いつでも幸せになれる。そう、著者はいいます。

「じぶんを好きになるためには、思わず自分が感動してしまう何かを自分の中にみつけるだけでいい」

本書にかかれていた言葉ですが、ものすごく今の自分に刺さりました。

やりたいことを探したり、得意なことを見つけようと試行錯誤することは人生において、とても大切です。

ですが、優先順位の高い大切なこととして、身近にある幸せをしっかりと味わい感じる、これが大切だよなと、改めて考えさせられました。

おすすめすぎる1冊です。

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