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「マラソン大会自由参加の国」で考えた、生やすさの秘密

こんにちは。

カレッジの実習の重労働にようやくちょっと慣れてきた馬場ルナです。

さて、先日、子どもの小学校からこんなお知らせがありました。

来たる5月某日にマラソン大会をします。
そのための練習も何回かします。
大会に出る人は保護者の同意が必要なので同意書を提出してください。

大会に出たくない場合は出なくてOKです。
ただし、体育の授業の目標を達成するため、練習には出てください。

という内容でした。

大会に出たくない場合は出なくてOK

"Those who do not want to participate in the run will not have to run in the run event."

という、衝撃的な文言。

あれあれ?

マラソン大会って強制参加、じゃなかったっけ?

どんなに走るのが苦手でもゼイゼイ言いながら最後まで走り抜くやつじゃ?

そして、学校の周りを散々走って周回遅れでトラックに入ると
先にゴールした人たちから「がんばれぇぇーっ!」
とか応援されて
「…やめてくれよ…」ってなるやつじゃ?

と、私の頭の中は大混乱。
何を隠そう、体育が一番の苦手科目でしたからね。

「これさぁ、出たくなかったら走らなくてもいいってこと?」

と一応、子どもに確認してみました。

「あ、うん。そうだけど?」

と長女モモ。

そう、ほんとに走らない子もいるんだそうです。

よく考えれば、カナダの学校行事は何はともあれこの形式。

「〇〇の行事(例えば校外学習)します」

「〇〇の危険もあります(例えば徒歩で行くので車が危ないとか)」

「上記を読んで、参加できるなら同意書にサインして出してください」

…というパターンの同意書と共に家に帰ってくることが多い。

うちは子どもと相談の上、基本参加のサインをして返すのですが、
「子ども本人(と親)の同意がない限りは参加させてはダメ」

というのは、カナダの場合、どんな学校行事においても、または学校の活動全体を通して、貫かれている方針のように感じます。

親としては、たまに「統率取れてないなー」「もっと生徒指導してよ」と思ってしまうこともあるんですが、統率とか指導とかいう言葉自体が、カナダの学校教育にはそぐわないのかもしれません。

そして、以前日本で、嫌々運動会に参加した挙句に熱中症になり1週間体調不良が続いた長女は、果たして今回のマラソン大会に出るのか?

と思い確認してみると、

「もちろん出るよー!」とのこと。

「同じ体育関連の行事なのに、何が違うの?」と尋ねてみると、

「別にこっちは途中で歩いてもいいしね。何より走るの楽しいし!」

…と、かつての本人からは想像もできない一言が。

なんかこれってイソップ物語の「北風と太陽」の話みたい、と思いました。

厳しい北風の寒さに太陽の暖かさが勝ったように、

「待つこと」

「本人の意向を大切にすること」

で子どもの心を溶かすことができるのでは?と思う今日この頃です。

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