スポーツチームへの間接的支援と直接的支援のバランス

個人にしろ団体にしろ、顧客や消費者から直接サポートされることが当然の時代になってきました。

配信サービスにおける投げ銭や、クラウドファンディングですぐにサポートしてもらえる体制は誰でも簡単に構築することが出来ます。もちろん、そこから先が一番大変で、願っているレベルで支援を十分に得られる人はごくわずかかも知れません。

また、当然ながらそのために使用しているサービスもただでは使用出来ません。投げ銭でもクラウドファンディングでも中抜きはあります。それはしようがないにしても、「直接的に支援している」感じがあるだけでも支援する側の気持ちが違ってきます。

サッカークラブの場合でいうと、直接的な支援はファンがチケットやグッズを買うことです。間接的な支援はDAZN・テレビ中継を見ることでしょう。あるいは、SNSやブログなどに書き込むことにより、社会的な認知が大きいことが企業の目に留まり、スポンサー企業になってくれたりスタジアムに広告を出してくれたりすることもあり得ます。

放映権料やスポンサー広告料の割合が高くなりすぎると、それらがいきなり無くなったり、大幅に減った場合などしたときに、途端に経営が立ち行かなくなってしまうため、入場料収入の割合が高い方が良いとしばしば言われます。

ただ、そもそも入場者数が多いチームは、メディアを通じての視聴者も多いはずですし、企業の広告効果も高いはずですのでそもそもいびつな構造にはならないはずです。なるとしたら、放映権料が異常なほど値上がりしている、例えばヨーロッパチャンピオンズリーグのような退会の放映権料が入るかは入らないかでクラブ予算にとてつもない差が生まれる場合と、大富豪や巨大企業がポンとクラブを買収して多額の費用を注ぎ込むような場合です。

チャンピオンズリーグ出場を逃したクラブや、巨大スポンサーが急遽撤退したクラブは、それ以外の収入が予算のごく一部の割合しかないため、カバーしきれず崩壊していきます。そういったことが起きると、放映権料やスポンサー料に頼った経営自体が非難されることになり、入場料収入・グッズ収入の割合を高めることを求められます。

ただ、そうは言っても入場者数を増やすにしても限界がありますし、元々満員近く入っているクラブならチケット代を上げるしかありませんが、それはそれでファンから批判されてしまいます。

結局、直接的・間接的の区別による割合の問題というよりは、実際に得られる収入を上回る予算を設定して経営する危険性の問題でしょう。

支援する側とされる側が直接の結びつきだけが正しいわけではありません。直接的支援と間接的支援は、車の両輪であるべきです。

ちなみに私の愛するガンバ大阪はおそらく誰もがご存知でしょうけれど、親会社がパナソニックです。正確にはクラブを運営する会社の株式を7割保有しています。

クラブ概要
https://www2.gamba-osaka.net/club/club.html

三分の一を超える他株主がいないので、株主総会では基本的に何でも出来ますので、事実上のパナソニックがガンバ大阪に対して何でも出来る立場です。

そのパナソニックは大企業でもあり、多数の社会人スポーツチーム・選手を抱えています。こんなページもあるくらいです。

パナソニックスポーツ
https://panasonic.co.jp/sports/

そしてそのパナソニックが企業スポーツ運営の強化を図っていくというリリースを先日出しました。

コーポレート保有スポーツチームの事業化に向けた新体制を構築
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/09/jn200929-3/jn200929-3.html

どのスポーツもメインカラーがガンバと同じ青色です。スポーツの運営自体を事業として本格化させるとともに、それで得た知見を他企業に営業をかけたり、あるいは白物家電・エステ家電からの商品展開も視野に入れているでしょう。

単なる企業からのスポーツへの支援だけではなく、スポーツが企業経営にプラスの影響、それもイメージアップのような漠然としたものではなく、数字の上でも貢献できるとしたら、ますますスポーツと企業の結びつきは強くなるでしょうし、スポーツチームやその運営企業にとっても安定化につながりますので、Win-Winになれるはずです。

その先頭としてガンバ大阪は今後さらに強くならねばなりません

少なくとも少し前まで常連だったAFC チャンピオンズリーグに復帰して、アジア各国にパナソニックのロゴマークを見せることが出来るようにならないと。

そのためには、今シーズンで3位以内に入らないと。残り半分切りましたが、ちょっと差はありますがまだ逆転可能な範囲です。まずは次の鹿島戦ですね。

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