意外と反応のある「0歳選挙権」構想

吉村大阪府知事兼日本維新の会共同代表が言い出した「0歳選挙権」について、個人的には
「そんなん考える必要もない与太話以下やろ」
と思ってスルーしていたのですが、まあまあ本気だったようで周囲もスルーできず、ついには岸田首相も参院本会議で言及するところまで行きました。

首相の発言にもありましたが、子どもの有無によって投票数が異なるというのは、普通選挙としては重大な問題を孕んでいると思います。

日本史の教科書には載っているように、戦前の日本(他の一部の国でも同様ですが)では、選挙権を得るには一定額以上の納税が必要でしたし、男性だけにしか選挙権・被選挙権はありませんでした。

それが変わったのが終戦後の昭和20年です。女性を含め、満20歳以上の全ての国民が選挙権を有する普通選挙が実現しました。

成人年齢の変更により現在では満18歳以上になりましたが、、選挙制度の根幹は変わっていません。1人1票、自由選挙、秘密選挙であることです。

吉村氏の言う0歳選挙権では、当然ながら乳幼児では自分の意志で選挙で投票出来ません。親が代理で投票するにせよ、親に言われて投票するにせよ、
「1人1票、自由選挙、秘密選挙」
という大原則が崩れることになります。

子どもやその親を支援する政策を実現するため、という大義名目があるにせよ、民主主義の根幹をイジってまで実現するべきではなく、それをしてしまうと民主主義国家ではないと宣言するようなものです。

0歳選挙権構想を支持する人もそこそこいるのかも知れませんが、民主主義国家でなくなっても良いと思っているのだとしたら驚きです。

まあ、こんな尖りまくった制度を日本が他国に先駆けて実現するとは思えないので、こういう批判も絵空事かも知れませんが。

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