自分だけは「手っ取り早く金儲け」出来るというバイアス

手っ取り早く金儲けしたいなら、「手っ取り早く金儲けした」と思っている人間に儲けられそうなネタを売りつけることです。これは多分、永遠の真理でしょう。

これに関して最も分かりやすく、かつ、関わってはいけない例は情報商材です。こんなものに関わっている人間なんて、バカと詐欺師しかいません。カモにされる人間と、それをカモにする人間と言い換えても良いでしょう。昔からあると言えばあるのですが、SNS全盛の時代になっても無くなるどころか、SNS上で派手な投稿をすることでカモを簡単に釣れる時代になってしまっています。

情報商材と大差ないか、ともすれば大金を失うのは仮想通貨(暗号資産)の勧誘でしょう。最もメジャーなビットコインの直接売買なら、ビットコインの売買価格だけが損得の要因になりますが、誰かをカモにしようとする人間はビットコインを売りません。よく分からない仮想通貨を、よく分からないプレゼンと共に、よく分かっていないカモ相手がよく分からないまま売ります。買う方もどうかしていると思いますが、売る側が悪いのは当然です。詐欺だと立件するのはなかなかに難しいでしょうけれど。

それ以外、真っ当な商売ではあるもののやはりあまり関わらない方がいいのは、資格商法と呼ばれるような、実社会では役に立たない資格を作って受検料や資格登録料・更新料を稼ぐやり方です。別に楽しみのために受検するなら良いのですが、大半は仕事に役に立つとか、就職に有利とか、それっぽい理屈を付けて売り込みます。もちろん、大半というかほとんどの資格は就職・転職活動上ではゴミ以下の存在価値しかありません。

あと、最近でもないですが、飲食店関係でも明らかに「手っ取り早く金儲けをしたい」人にノウハウや原材料を売っているのだろうな、というのも見かけます。古くはメロンパンとか白い鯛焼きとか、ここ数年だとタピオカとか高級食パンとか唐揚げとか。一気に増えて一気に潰れていく様を見ると、ああいうお店のコンサルで儲けるのが一番「手っ取り早く金儲け」出来るのかも知れませんが、あれはあれで大変でしょうか?

前述した商売、商品については、やろうと思った人はリスクよりもリターンしか見えていないのかも知れませんが、リスクが見えていても「自分だけは他人よりも上手くやれるから問題ない」というバイアスが掛かっているのでしょうね。そう考えると、経営心理学のネタとして、大きな組織のビジネスだけではなくて、個人レベルの情報商材とか脱サラ飲食店とかも良い研究のネタになるのかな。

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