見出し画像

誰でも自己実現はできる。多くはその方法を知らないだけ。

人間の原理を知る

変化を恐れるー。

これが人間の原理である。

あらゆる努力は無駄に終わる。

例えば、痩せたいと思って朝ランニングするが続かない。
例えば、何者かになりたくて資格勉強をするが続かない。
例えば、健康を取り戻そうと禁煙するが続かない。

変わりたくても変われない。

「自分はなんてダメなやつなんだ」

誰でも一度は思ったことがあるだろう。
でも次の瞬間こうつぶやく。

「ま、いっか。これまで何とかなってるし・・・」

先程まで悔し涙を浮かべていたのに、
3秒後には心地よさげな顔をしている。

これが人間だ。
これがあなただ。
これが私だ。

でも、あなたも私も別に悪くない。
むしろ正常だ。

だって人間は「変わりたくない」生き物なんだから。

どういうことか。

人間は恒温動物。
約36℃の体温を保つ生き物だ。

北極に行けば鳥肌が立ってガタガタと震え出す。そうやって体温を保とうとする。
砂漠に行けば全身から汗が吹き出る。そうやって体温を保とうとする。

つまり、“変化しない”作用が働くのだ。

「変化しようとすればするほど、変化しない」

これが人間の機能だ。

誰でも変われる


変化を恐れる私たちは何もできないのか。

そんなことはない。
間違いなく人類は進化している。

「でもそれは一部の天才のおかげでしょ?」

確かにそうかもしれない。

歴史の教科書に出てくる偉人たちは
天才だったのかもしれない。

でもその事実を「天才だから」で片付けるのは非常に勿体ない。

だってそうでしょ。
偉人(天才)とそうでない人たちとの違いは、
“変わり方”を知っているか知っていないか。ただそれだけなのだから。

たったそれだけだ。

天才たちの頭の中を覗いてみれば理解できる。
彼ら彼女らは「出来るか出来ないか」の議論はしていない。

デキる、しかなく、
 “既に” 達成した気でさえいる。

だから変化する必要なんてないのだ。
だって、もう達成した気でいるのだから。

????

分かる。いや、非常に分かる。
「気でいる」だけで現実はそうじゃないじゃん!って。

でもここがツボで、

現実がどうこうじゃなくて、脳が勘違いすれば後から現実になる。
これが真実だ。

これはスピリチュアルな話ではない。
認知科学の話だ。

私たちは「ま、いっか」と言って挑戦を放棄する。
“慣れ”は怖い。
心地が良いからだ。

この心地良い精神的空間を『コンフォートゾーン』と言う。

コンフォートゾーンは自分にとって心地良い精神空間だから、そこから抜け出そうとすると自分の意志に関係なく元の自分に戻る力が働く。

喫煙でニコチンが頭の中に残っているのが自分にとって気持ちの良い精神的空間だから、禁煙してニコチンが減ると「ニコチンよこせ」と元の状態に戻ろうとするワケだ。

あなたの意志に関係なく、人間の機能がそうさせるのだ。

コンフォートゾーンは過去、現在、未来といずれかの時間軸にしか存在しない。コンフォートゾーンが過去にある状態の具体例をみていこう。


<過去>
例えば、前職でトップ営業マンだった男性の話をしよう。
年収1200万円でタワマンに住み、高級スーツと高級時計を身にまとい、毎晩パーティーをして過ごす・・・まさに成功者だ。
だが、旅館を経営する実家から「戻ってきてほしい」と連絡があり、今は田舎の旅館を手伝っている。
毎朝日が昇る前に起き、風呂掃除から始まり、日中はお客様が楽しんだ部屋を掃除し、夜は酔った客の対応をするー。裏口でたばこをふかしながらこう思う。「成功者だった自分は今何をしているんだろう。あの頃に戻りてえな・・・」と。


またトップ営業マンに返り咲きたいー
そう思っても彼は行動を起こせない。

なぜなら、
自分にとって最高に心地よかった瞬間が過去で止まっているからだ。
コンフォートゾーンが過去にあるから、変わろうと思っても前に進めないのだ。
仮に行動しようとしても、「何だかんだで食えてるし、両親も喜んでるし。まあいやな客もいるけど常連さんもいる・・・これもありなんじゃないか」と自分に言い聞かせるだろう。

次はコンフォートゾーンが現在にある具体例をみてみよう。


<現在>
例えば社会人2年目・出版社営業職の女性の話をしよう。
彼女は編集者に憧れて有名出版社の門をたたいた。晴れて新卒入社を勝ち取ったが、配属先は営業部。書店回りの日々で「やりたかったのはこれじゃない」。必死に焦りを抑えようとする。でも、田舎の地元に帰れば旧友らからは羨望の眼差しでみられる。「大手出版社勤務で、東京をかけまわってるんでしょ!カッコイイじゃん!!何が不満なの??」と。確かに年収も悪くない。書店が縮小する現代でも企業としての安定感はそれなりにある。同年代と比較すると良い方なのは分かってる。地元の旧友らと比較すると「まだ今のままの自分でも良いんだ、って安心する」。
あんなに憧れていた編集者の夢が遠く感じる。でもこのままこの仕事を続けていればいつか編集者になれるかもしれない。可能性がゼロなわけじゃない。


彼女は「まあいいか」と言って結局大きな行動は取らないだろう。

なぜなら、
自分にとって今が心地良いからだ。
コンフォートゾーンが現在にあるから、今の枠から飛び出せないのだ。

以上、過去と現在にコンフォートゾーンがある例をみてきた。
別に変わらなくても生きていける。
だから変われない。
だから、何者にもなれない。

では「既に達成した気でいる人間」はどんな“感覚”なのだろうか。
二人の別の未来をみてみよう。   


<未来>
●前職がトップ営業マンだった彼が未来にコンフォートゾーンを置いた場合
田舎の旅館を手伝うようになった俺は、毎朝日が昇る前に起き、風呂掃除から始まり、日中はお客様が楽しんだ部屋を掃除し、夜は酔った客の対応をするーそんな毎日を送っている。
悪くない。悪くないけどよ、全然刺激が足りないんだよな。
こんな生活は老後でいい。
というか、なんで温泉街の一角で安泰、みたいな顔しないといけないんだ。
どうせなら星野リゾートを追い抜くぐらいの気持ちで経営しろよ。親父も年を取ったな。
よし。旅館業界のトップを目指すぞ。
これは面白いな・・・!ワクワクする。この感覚だよ・・・!
「星野リゾートを追い抜く」
俺ならできんだろ。

・・・なんかもうその気になってきたな。
どうせやるなら追い抜くのは当たり前。もうトップになったようなもんだ。
で、どんな世界観を広げていくかだな~。そうだな、あんな感じや、こんな感じも、あれもいいな・・・

●現在が社会人2年目・出版社営業職の彼女が未来にコンフォートゾーンを置いた場合
編集者に憧れて新卒で大手出版社に入社した私だったが、現在は営業部に所属し、日々書店を回っている。
地元に帰れば旧友らは羨望の眼差しでみてくれるし、店主にもよくしてくれる。上司ガチャも悪くなく、人に恵まれて人間関係で苦労はしていない。
でもさ、やりたいことやれてないじゃん!
編集してないじゃん私!
てか環境のせいにするなよ私。編集は机にいないとできないのかよ。
編集者になりたいなら今編集しろよ!
今の立ち位置で何を編集できるかを考えろよ。私は編集者だ。編集営業だ。
編集営業にできることをやろう。
そうだ。例えば今月発売の書籍のレビューを書いてみよう。
編集者ならやっぱ直接著者と話してナンボだよね。レビューを著者本人に書いてもらうなんてどうだろう??イベント開催してその著者に登壇してもらうのも良いかも。
なんだやれることたくさんあるじゃん!他にはなにができるだろう?


どうだろうか。
コンフォートゾーンが未来に移っただけで、彼・彼女の人生はまるで違うものに見えないだろうか。
既に何者かになった気でいる彼・彼女をみてもなお、この二人の未来は変わらないと言えるだろうか?

何かを成し遂げたから何者かになれる訳ではない。
自分で何者かを決めるから、あなたは事を成せるのだ。

彼・彼女は天才じゃない。
決して先天的な能力でもない。
ただ、コンフォートゾーンを未来に置いただけだ。
ただ、既に何者かになった気でいるだけだ。

たったこれだけで人生は変わるのだ。

ここで私の話をしたい。
私は物書きに憧れて大学一年次からライター活動を始めた。
学生時代から新聞社の記者として活動しはじめ、経営者や資産家らを多く取材した。
一面記事も書いたし、10ページ分の特集も組ませてもらった。
新卒はその新聞社に入社し期待の新人として充実した毎日を送っていた。

独立願望があった私は現実を知ることになる。
シンプルにフリーライターとして独立して成功するのは難しいと感じた(少なくとも私の技量では)。直観だった。
このまま会社員でやっていくのでも良いかなと考えた。
好きなことがやれるならそれでもいいではないか、と。

でも、独立して物書きとして成功する夢を捨てきれなかった。
今のままでは無理だと悟ったから、今の延長線上のビジョンから飛び出そうと決めた。
新卒1年目の冬。
私は新聞社を辞めた。

そこから約5年の月日が流れた。
私は上場企業のマーケティング課長職で年収850万になった。
もちろん、仕事は文章を書くことがメインだ。
webメディアの編集長も経験して業界トップクラスのメディアに成長させた。
採用HPやLPのコピーライティングにも着手し、採用マーケティングを実践して大きな成果を出した。

現状の外側にゴールを設定したからこそ、文章の幅も広がったし、新しい自分の才能にも気が付くことができた。

私自身、まだ道半ばの何者でもない。
・・・なんて言うつもりはない。

クライアントのビジネスにPL上の価値を見出すことのできる物書き。それが私だ。

抽象的な概念を言語化し、人や組織に変革を起こせる物書き。それが私だ。

その気でいるから、ただ、そうなるだけだ。

自己実現を果たす人間は皆この思考だ。
経営者ら800人以上を取材した経験からも、これは真実だと確信している。

人生を変えたいなら、現在の枠から飛び出る必要がある。
未来のゴールを設定し、
既に叶ったつもりで生きる。

考え方も、言葉遣いも、所作も、身なりも、何もかも成功した自分として振る舞う。

言葉が自分をつくる

特に言葉は大事だ。
自分に投げかける言葉だ。

要諦は現在進行形ではなく、過去形だ。
例えば今向き合っている課題に対して、「俺ならできる」と言うのではなく、「俺だからできた」と言うのだ。

既にそうなったつもりで生きるのだから、自分にかける言葉は絶対過去形だ。できた状態から逆算すると、それを達成するのに必要なものが徐々に見えてくる。魔法みたいな話に聞こえるがこれも人間の機能だ。自分にとって必要な情報しか入らないようにできている。だから今足りなくても必ず目の前に揃う。

言葉が自分をつくる。

あとがき


最後まで読んでくれた方、本当にありがとうございます。

本記事は「認知科学」に基づいたお話でした。

認知科学に基づくコーチングは子供や部下への教育にも活用できますし、組織を成長させることにも役立てることができます。気になった方はぜひ検索してみてください。

今回、この認知科学をテーマに挙げたのには二つの理由があります。
一つは自己実現に役立つから。
終身雇用の時代は終わり、自分自身の力でキャリアを形成しなくてはなりません。誰もが自己実現できれば良いのですが、多くの方はその方法を知らない。知らないだけであって、知れば少なからず希望が持てる。私はそう考えています。私は17歳の頃に成功哲学を学び活用してきましたが、科学的根拠がないのでどこかスピリチュアル的で納得してもらいにくい。そこで出会ったのが認知科学でした。これなら科学的根拠があるので、納得してもらいやすいと感じ、多くの人に知ってもらいたいと思い執筆に至りました。
二つ目は組織成長にも役立つから。
個人の成長(自己実現)に活かすことはもちろん、組織成長にも役立てることができると考えています。組織の未来は経営層のエネルギー量で決まると考えています。多くのCEOはナチュラルに「叶った状態」になっていますが、CXOなどの幹部はそうではない場合が多いです。急成長中の企業を何社か渡り歩いてきたのですが、今後大企業になるかどうかのカギは経営者とその幹部が同じエネルギー量であるかどうかにかかっている、という結論に至りました。その状態をつくるのが認知科学に基づく「組織コーチング」です。経営幹部のコンフォートゾーンを未来に移し、エネルギー量をあげさらに組織をスケールできると考えています。

※私は採用マーケターという仕事をしています。採用マーケターは企業の思想を言語化するのが仕事なのですが、応募者の入社後を考えるとその言語化した内容が組織として再現されていないと意味を成しません。思想の具体化は組織のスケールに影響し、組織のスケールは経営層のエネルギー量で決まるという結論に至りました。

以上が今回認知科学に基づくコーチングをテーマに挙げた理由です。
不確実な時代だからこそ自ら未来にゴールを設定し、それを実現していく。
人間の原理を知れば怖いものはない。自分を鼓舞する言葉をかけることで未来を適切に描くことができるー。

そんなことを伝えたく、長文を書きました。
改めてですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

ライターの仕事

採用の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?