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採用マーケの前にやるべきこと・その企業の特徴【採用マーケティングの教科書#6】

想定読了時間:10分

はじめに
本シリーズは、筆者の知見をもとに採用マーケティング実務について体系的にまとめたものです。

本記事では、
・採用マーケの前にやるべきこととは?
・その企業の特徴とは?
これらについて解説していきます。
あなたの企業が当てはまるかどうか、ぜひご確認ください!

想定読者
●採用担当者
●採用責任者
●経営者・起業家

本稿を読むメリット
●採用マーケティング前にやるべきことが分かる(費用対効果も分かる)
●それに取り組むべき企業の特徴が分かる


筆者プロフィール
富山県富山市出身。不動産業を営む家系に生まれる。
明海大学不動産学部卒。不動産専門紙に新卒入社。経営者ら800人以上を取材する。その後、税理士法人勤務を経て創業20年以上の不動産会社(スタンダード市場)にマーケターとして入社。歴代最速で平社員から課長職に昇進。経営会議メンバーとして全社マーケティングの戦略立案等に従事する。その傍ら、採用マーケティングを主体的に展開し、年間直接応募200名以上を獲得。現在はグローバルIT企業の採用マーケティング責任者としてエンジニア採用の採用マーケ業務に精を出している。

1. 採用マーケティングは従業員数300人以上から

こちらの記事でご紹介した通り、採用マーケティングに取り組むべきは従業員数300人以上の急成長中企業です。

急成長中の企業は通年採用のポジションが出来るだけでなく、上場などに向けてハイクラス人材の採用も強化しないといけない特徴があります。
しかも経営層からは採用コストを押さえるよう指示があるでしょう。
(人材難でエージェント費用が年々高騰しているから)

これに対応するには、通年採用ポジションを自動化し、自社採用を増やすしかない・・・。

ここで登場するのが、潜在層に対して中長期的にアプローチする『採用マーケティング』です。

採用マーケティングとは具体的に何をやるのか?
端的に言うとコンテンツマーケティングです。

採用マーケの業務フロー
1) 採用ブランドを見直し、
2) それに沿ってコンテンツを制作し、
3) 適切なチャネルで発信し潜在層に届ける
4) 潜在候補者や内定辞退者情報を資産化し適宜アプローチする

これだけです。

そう。言ってしまえばこれだけなのですが、私はここで重要なことに気が付きました。そもそもこの規模感でさえ、採用ブランディングをしたことがない企業が多いのです。

それもそのはず。

これまでは買い手市場(企業が選ばれる側)でした。わざわざ採用ブランディングなどせずとも、人材を獲得できたのでしょう。

しかし時代は変わりつつあります。ITの発達と人口減少が影響して売り手市場(候補者が選ぶ側)が続くでしょう。企業は選んでもらう立場になります。採用ブランドを固め、候補者に対し転職(就職)前に自社の魅力を届けないと勝てない時代になるのです。

従業員数が300人以上になってから採用ブランディングに取り掛かるようでは、むしろ遅いと言えます。


2. 採用ブランディングは中小企業の必勝戦略

では、採用ブランディングはどの程度の規模から始めればいいのか。
結論、規模は問いません。
何人からでも効果を発揮します。

むしろ、規模が小さい会社ほどお勧めです。

想像してみてください。
大手と同じ事業をしていても、彼らは資本力があって事業範囲も広い。ワンストップでのサービス提供が可能で、とても事業内容では太刀打ちできません。だから採用面では事業内容だけで戦ってはいけないのです。

ここで事業内容以外の魅力を言語化するのが『採用ブランディング』です

例えば、
・毎月社長の家でBBQや鍋パーティーをやっていて家族的な付き合いができる
・福利厚生でディズニーチケットがもらえる
・稟議なんていらない、とりあえずやってみなはれ
・電子決済導入済みだからハンコ文化は一切なし!

思い付きで書きましたが、これらは大手が実現するにはハードルが高いと思います。当たり前のように感じていることが、人によっては心の底から望む魅力だったりします。これをしっかり言語化することが採用ブランディングの始まりであり、競合優位性になるのです。

※例に挙げた要素が候補者や従業員にどんな享受があるのかまで言語化するのがブランディングです。
※なお、例では働き方について書き出してみましたが、ブランドを構成する要素は他にも多くあります)


3. 採用ブランディングは意外とコストがかからない

急成長フェーズに入る前に、自社の魅力を整理するのがお勧めです。
極端な話、宿題を先にやるか後にやるのか、これと同じ話です。
遅れを取ればそれだけ採用マーケティングの初動も遅れ、競合他社に差をつけられてしまいます。


企業規模が小さいうちは経営者が人事を担っていたり、ひとり人事だったりします。そこで、多くの企業は採用ブランディングを外注します。費用は100〜200万ほどになります。

高いように思うかもしれませんが、最低限の情報が載った採用HPであれば年間20件ほどの応募が入ります。そこから採用に至るのが1〜2人程度。仮に1人採用したいと考えたときのエージェント費用が100〜200万円なので、採用HP制作をしてそこから採用できる人数分と同等になる計算です。

費用対効果はトントンかもしれませんが、採用コンテンツは会社の資産になります。24時間365日営業してくれる優秀なスタッフだと言えます。人材と同じように、手塩にかけて育てていけばいずれは化けて、年間100件以上の応募が来ることも夢ではありません(私は採用ブランディングから採用HP制作、採用マーケを実践したことで200名以上の応募を獲得しました)。

※採用HPはページ数によって変動するので100万円をくだることもあります。ですが、年間1件以上の自社採用を実現する採用HPはどうしてもページ数が増える傾向にあります
※サイト管理を自社でしない場合は、web制作会社などに保守運用費を支払う必要があります。

4. 作って終わりではない

3章では外注する場合のコスト面について言及しましたが、「ブランディングして採用HPを作って終わり!」の会社がほとんどです。
ウェブ制作会社や採用コンサル会社が悪いと言いたい訳ではありません。彼らは専門家としてやるべきことをやっているだけです。しかし、本当に重要なのはハコを作った後のマーケティング活動であり、自然応募を増やして採用コストをカットすることです。

「作って終わり」で満足するのはただの消費です。経営は違います。作ったコンテンツを育ててそこから人を採用しないといけません(投資です)。

状況は刻々と変わります。会社規模が変われば、構築したブランドも変わっていきます。従業員数50人の時のブランドが150人の時と同じであるはずがありません。
だからこそ、日々採用HPのアクセス解析を行い、候補者や従業員のニーズを把握し、採用コンテンツを拡充して認知度と関心度を高めていく・・・採用にも、マーケティングの手法を取り入れないといけないのです。

採用マーケティングは300人以上からが本格的に必要になってくると考えていましたが、採用ブランディングを行い、運用することを考えると、企業規模は問わないことに気が付きました。要は「採用ブランドを放置せず育てる事ができる企業」であることが採用戦線の分水嶺と言えます。


まとめ

以上が採用ブランディングの重要性とコスト面についてでした。

忘れてはなりません。

経営者や採用担当者の目的は、自動的に応募がくる仕組みを構築し採用コストをカットすることです。そして優秀な人材を獲得し、より長く自社に貢献してもらうことです。

そのためにもまずは採用ブランドを構築すること。
そして出来ればそのブランドを継続して育てることです。

最後に、ここまで読んでいただいた方に良いニュースをお届けします。
3章で採用HPの制作費は100万円〜 とお話しましたが、実はそれよりも安く制作できます。
ノーコードツールで採用HPを制作すれば、30万〜 制作が可能です。
このノーコードツールの年間維持費も10万円ほど(目安)なので、ランニングコスト面でも外注より安く済みます。
(費用を押さえられる理由は、プログラミングが不要になる分、エンジニアの人件費が浮くからです。そして操作が簡単だから初心者でもちゃんとしたHP制作が可能です。これがノーコードツールです)

筆者も、現在所属する企業ではノーコードで採用HPを制作し、運用しています。正直、これで十分です。

ブランド構築を行い、ノーコードツールで採用マーケティングを促進するー。

今後も研究を重ねてあなたにお届けしたいと思います!

ではまた!


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