見出し画像

【採用マーケティングの教科書】#3 採用マーケの3つの効用と実践すべき企業の特徴

想定読了時間:5分


はじめに
本シリーズは、筆者の知見をもとに採用マーケティング実務について体系的にまとめたものです。

前稿「#2 なぜ、採用マーケを実践すべきなのか」では、その理由を3つご紹介しました。

【採用マーケを実践すべき3つの理由】
1.転職顕在層の数も減少していくから
2.IT人材の獲得競争が激化するから
3.採用コストが膨らみ続けるから

本稿では、①採用マーケの効用について、②実践すべき企業の特徴の2つをご紹介します。

想定読者
●採用担当者
●採用責任者
●経営者

本稿を読むメリット
●採用マーケティングの効用が理解できる
●採用マーケティングを実践すべき企業の特徴が分かる

筆者プロフィール
富山県富山市出身。不動産業を営む家系に生まれる。
明海大学不動産学部卒。不動産専門紙に新卒入社。経営者ら800人以上を取材する。その後、税理士法人勤務を経て創業20年以上の不動産会社(スタンダード市場)にマーケターとして入社。歴代最速で平社員から課長職に昇進。経営会議メンバーとして全社マーケティングの戦略立案等に従事する。その傍ら、採用マーケティングを主体的に展開し、年間直接応募200名以上を獲得。現在はグローバルIT企業の採用マーケティング責任者としてエンジニア採用の採用マーケ業務に精を出している。

1.採用マーケティングの3つの効用

2章では採用マーケティングを実践すべき理由をお伝えしました。
では、実践することで企業にとってどのような効果をもたらすのでしょうか。

採用マーケの効用を3つご紹介します。

1) 採用コストを抑えられる

これは経営者が最も気にする点です。
採用マーケティングの稟議を通す際は「採用の効率化」ではなく、採用コストの削減をアピールすると効果的です。
経営者が気にするのは「売上最大、経費極小」。突き詰めるとこれだけです。

2) ミスマッチの防止が期待できる

採用マーケティングはまず候補者に自社を知ってもらうところから始めます(下図のファーストフェーズを参照)。

採用マーケティングのファネル


採用ブランディングは、候補者に対して自社の魅力やカルチャー、求めるスキルなどを言語化して伝える施策です。あらかじめ重要事項を告知することで、応募後のミスマッチを防ぐことができます。

具体的な採用ブランディング手法や、上述した採用要件と選考評価基準が連動した候補者体験の設計方法については別記事で解説します。

3) 採用コンテンツは会社の資産になる

自社の魅力などを言語化し、コンテンツ(採用HPやインタビュー記事など)化して候補者に向けて発信します。制作すればするほど積み上がっていくものなので、会社の資産になります。

イメージしやすいように例を挙げてみましょう。
あなたもYoutubeを観ると思いますが、気になったチャンネルの過去動画を観ることはないですか?
複数の動画を視聴し、気に入ったらチャンネル登録をしますよね。半年後、あなたと全く同じように過去動画を視聴してチャンネル登録する人がいます。

採用活動も原理はこれと同じです。
私たちが発信したコンテンツを閲覧し、自社に興味関心を持ち、応募する。それは一人の候補者に限定されず、半年後、一年後、三年後の見込み候補者にも活きるのです。

採用コンテンツは言うなれば24時間稼働する営業マンです。
先述の通り、初動こそは大変ですが積み上がればあがる程、その効果は高くなります。

複利の効果で採用を成功に導くのです。


2.採用マーケティングを実践すべき企業とは

結論、急成長中の企業です。
従業員規模で言うと300〜 1,000名の企業で、通年採用しているのが特徴です。
上場して間もない、あるいは、上場を目指しているといった特徴もあります。

勢いのある会社は時代の波に乗っています。
その企業だけが成長していることはまずなく、市場そのものが活況なはずです。

「事業はうまくいっている。売上を上げるにはもっと人手が必要だ、採用を強化しよう」。
こうなる訳ですね。

会社としては事業部門が主役で、管理部門(バックオフィス系)は黒子です。ところがこの規模になってくると、管理部門の従業員数も100名前後で、社内体制の整備を急がなければなりません(IPO前だと尚更ですね)。

収益部門の人材採用に加えて、管理部門の採用まで強化しないといけません。企業によっては、採用だけでなく人材・人事制度そのものにメスを入れる必要もあるでしょう。

現場は多忙を極めますが、経営層からは「質も担保しろ」と言われる・・・。
まさに窮地。地獄・・・。この状態はいつまで続くのか?

少なくとも1,000名を超えるまでは続くでしょう。
何せ、急成長中で年々採用目標数が増え続けるのですから・・・。

まさに猫の手も借りたい。
ここであなた(採用担当者)を救うのが、採用マーケティングです。


3.コンテンツ・イズ・キング

マーケティングには「コンテンツマーケティング」というジャンルがあります。ターゲットに有益な情報を発信し続け、信頼関係を構築し、購入してもらう。中長期的な戦略のことを指します。

私は採用マーケティングがまさにこの「コンテンツマーケティング」だと思っています。
思い返してみてください。採用HPや採用ピッチ資料、求人票、エージェントに渡す資料、会社パンフレット、合説用の案内資料・・・・みんな採用コンテンツではないでしょうか。

繰り返しになりますが、これからは潜在層向けへのアプローチが重要になります。中長期的な活動によって候補者を獲得するのが大前提になります。

コンテンツ力が企業の競争力になる」。

私はそう確信しています。

約8年間コンテンツをつくってきた私だからこそ提供できるノウハウを、このシリーズで展開していくのでお見逃しなく!

まとめ

それでは本記事のまとめです。

本記事のまとめ
・採用マーケティングを実践すべき企業は「急成長中」の会社
・実践することで採用コストを抑えたり、ミスマッチ防止が期待できる
・コンテンツ力が企業競争力の分かれ目になる

次回は採用マーケターが増えない要因についてお話します。

ではまた!

本シリーズは毎週日曜日に更新します。お楽しみに!
(人気シリーズになれば投稿頻度をあげます。♡50以上が続けば投稿頻度あげますので応援よろしくお願いいたします笑)

←前の記事                                                               →10月29日(日)更新予定


この記事が参加している募集

人事の仕事

採用の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?