意外と知られていない採用マーケターの業務内容を公開!【採用マーケターの教科書#5】
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はじめに
本シリーズは、筆者の知見をもとに採用マーケティング実務について体系的にまとめたものです。
本記事では、採用マーケターの業務内容について解説します。
採用マーケって「実際何やるの?」が明確になるので、ぜひ最後まで読んでください。
想定読者
●採用担当者
●採用責任者
●経営者
本稿を読むメリット
●採用マーケターの業務内容が分かる
●採用ブランディング業務の具体的な活動について知れる
1.採用マーケターの業務内容
あなたもご存じの通り、仕事は戦略→戦術(施策)→実行→効果検証の順で行います。
採用業務でいうと、
〈戦略〉人員計画から採用目標数を割り出し、どうやってその数を満たすか、その戦略を立てます。(例)年間の採用目標数 100名、母集団形成~入社までの全体的な戦略を考えます
〈戦術〉母集団を形成する上で具体的な施策として採用イベントを開催する、エージェントを5社から10社に増やす、などが考えられますね。
〈実行〉そしてそれを実行する
簡単な例ですがこのようにして採用活動は進んでいると思います。
採用マーケティングも同じで、KPIを設計し、戦略を立て、施策を考えて実行します。
下図をご覧ください。
図のフェーズにある「認知→ 興味・関心 → 応募〜入社 → 活躍・愛着」までの全体的な戦略設計を行い、それを実行する。これが採用マーケターの仕事です。
2.なぜ採用ブランディングを行う必要があるのか
採用マーケターは上図の認知(採用ブランディング)施策から着手します。
本章では、なぜ採用ブランディングから着手すべきなのかについて解説します。
採用マーケティングは潜在層にアプローチする手法です。
潜在層に対して、自社を認知してもらう施策が採用ブランディングです。
ですが、多くの企業は「どう伝えるか」に意識が向かいがちです。
マーケティングの観点で言うとそれは落とし穴です。
なぜなら、そもそも「誰に、何を」伝えるかが明確でないと無駄に終わってしまうからです。
「いやいや、ウチはちゃんとターゲットも自社の強みも分かっているから大丈夫!」と思われたかもしれません。
ブランディングができている会社かどうかを見極める方法があります。
次の質問をご確認ください。
Q ペルソナシートはありますか?
Q 3C分析した結果をシートにまとめていますか?
Q ベネフィットとインサイトは何ですか?
Q 以上のことを採用チーム全体で統一の認識を持っていますか?オーナー部署も同じ認識でいますか?
(意地悪な質問になってしまい恐縮です・・・)
これらの質問にYESと即答できる企業であれば、ブランディング業務は飛ばして大丈夫です。
ですが多くの企業・採用担当者が、恐らく自分の頭の中にはあるけど、それを言語化して関係者全員が同じ認識でいる訳ではないと思います。
採用担当者は自社に合う人物を採るのが仕事。
「誰に、何を」がふわっとしている状態では、潜在層に対して的確にアプローチすることはできません。
戦略性を持って採用ブランディングを行うのが採用マーケターの仕事。
具体的な業務内容について解説します。
以上4つの要素を明確にすることが最も重要な仕事だと言えます。
3.採用ブランディングの具体的な業務内容
「採用ブランディング」で代表的なのが採用HPの制作や合同説明会の開催、インターンシップの開催などがあります。
最近ではSNS運用や広告運用、オウンドメディアの運営を行う企業も増えてきました。
ここで押さえたいのは「そもそも採用ブランディングとは何か?」です。
1)採用ブランディングの正しい定義
採用ブランディングとは、候補者が自社に対して思い描くイメージと、自社が候補者に与えたいイメージにズレがない状態を作り出すことを言います。
候補者が自社を知らない場合は知ってもらうところから始まります。
その後、自社について多くの情報を得るでしょうが、人は勝手に解釈する生き物なので認識に齟齬が生じます。これを適切に修正していくのがブランディング活動の本旨です。
2)採用マーケターによる具体的な採用ブランディング業務
採用ブランディングを行う上での採用マーケターの業務内容をご紹介します。
3C分析
自社・競合・市場について分析します。ペルソナ設計
どんな人物に入社してほしいのか、候補者のイメージ像をつくる候補者ジャーニーマップの作成
各フェーズにおける候補者の行動・心理状況を分析するために作成します。ブランディング設計
1~3で集めた情報をもとに、自社の魅力や競合優位性、人物要件(必須/歓迎スキル、行動要件など)、ベネフィット(便益)を言語化します。認知度をあげるための施策考案・要件定義
自社の認知度を上げるための戦略・施策の考案を行います。例えば広告運用やSNS運用、オウンドメディアの運営などが挙げられます。コンテンツ設計・制作
自社の採用ブランドを候補者に届けるためのコンテンツを設計・制作します。例えば、上述の5で広告運用を行うのであればバナー制作を、オウンドメディアを運営するのであればメディアの設計やインタビュー記事を制作します。
上記1〜5は採用マーケターの必須スキルです。
「誰に、何を、どうやって伝えるか」を設計するのが仕事です。
ただ、6のコンテンツ設計・制作は、マーケター自身のスキルによって内製するか外注するかが分かれます。
例えば、「ライティングスキルはあるけどデザイン・コーディングスキルは無い」のであれば、デザイン・コーディングは外注する、といった感じです。
最近では、ノーコードツールの誕生やAIによる画像データの自動生成も可能なため、採用HPやLP、バナーなどのコンテンツ制作も自社で完結できると思っています。
手前みそで恐縮ですが、現職ではノーコードツールを活用しており、私一人で完結できています。私は元記者なのでライティングはできますし、前職でコンテンツ設計したり、デザインもかじったりしたので、上流から下流までを一気通貫で担当しています(ノーコードツールに感謝です涙)。
まとめ
本記事のまとめです。
採用マーケティングによってウェブからの直接採用が実現すれば、大幅なコスト削減が見込めます。
しかし、外注に頼ってばかりだと本末転倒になりかねません。
内製化を念頭に置きながら採用マーケを実践することが大事だと言えます。
西田は採用マーケ支援も行っています。
・採用マーケの導入からコンテンツ制作
・採用マーケ部隊の組成、人材育成(標準化を目指す)
これらの支援も承りますのでご興味ある方はぜひご相談ください。
連絡先はこちら
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