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【腐向け】R18「体位」の描写について考える

こんにちは、さんかくです。
今日はR18シーンにおいてとても大切な「体位」について私なりに考えてみたいと思います。挿入やフィニッシュの描写はもちろん楽しいけど、読み手に雰囲気を伝えるための前提、骨組みみたいなものが「体位」ですよね。また、「体位」は二人の関係や感情を読者に伝える要素にもなります。愛を確かめ合う正常位、受けの積極性がおいしい騎乗位、無心に快楽だけを追う後背位など……。今回はそんな「体位」の描写について、例文を交えて書いてみます。

具体的な解説の前に、重要なことを一つ。小説全般にいえることですが、書き出す前に「人称と視点を決めておく」というのが大切です。視点を限定することは、読みやすさ伝えやすさのための基本。神視点は非常に高度で扱いが難しいため、受け攻め双方の視点を物語に織り込みたい場合は、章ごとに視点を変えるのがおすすめです。
また、「視点」は、シーンの印象を左右する要素でもあります。三人称で書く場合でも、視点を攻めの後ろに置くか受けの視点に置くかで読者に与えるイメージは大きく変わってきますので、自分が18シーンで何を表現したいのかを考えて決めると良いでしょう。
私の場合は、R18シーンは基本的に「攻め目線」で書いています。理由は、受けに自分のセックスシーンを描写させるのは(三人称であっても)羞恥を強いている感じがするからです。一方で、受けからの深い愛情を表現したい時やそれこそ「恥ずかしさ」をめいっぱい表現したい時などは、受けに視点を置いて書いています。たくさんR18シーンを書く長編の場合は、受け目線は「ここぞ!」という時の決めに使っています。

【1】正常位

基本の体位です。男性同士はバックのほうがしやすいと聞きますが、BLはあくまで「恋愛もののファンタジー」ですから、正常位が基本と考えて良いと思います。腕や脚を絡め合う濃厚なシーンが描ける体位。キスしながらできるのもGoodです!

例)
求めるように伸ばされた腕に身を預けると、脈打つ胸の音まで聞こえるほどだ。汗の浮かぶ胸に、鎖骨に、首筋にと、抑えきれぬ熱情を伝えるように口づけを繰り返す。抱く腕がAの背を引き寄せ、しなやかな両脚が胴体に絡みついた。
「っ、あ!」
焦れた身体に、埋め込む灼熱。離すまいとでもいうようにきつく締まって男を迎えるその部分の心地よさに、喉が唸る。
腕を絡ませ、口づけを繰り返しながら、刻む律動。脳の奥で幾度も閃光が弾ける。その光を追いかけるように、Aは夢中になって腰を振った。


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