見出し画像

ホテルマン

コウさんは今の会社に転職する前は、ホテルマンでした。

今日は3週間ぶりに逢うことができました。

いつものようにどこ行く?って話になり、福岡の博多にバドミントン専門店があるのをインスタで見つけたので、そこに彼のシューズを買いに行くことになりました。

「よし!今日のお昼は決めた」

いつもは車を走らせながらGoogle mapで調べてその時に探すのですが、今日は出発前から彼が決めてくれました。

博多までは車で1時間かからないくらい。でも私たちが住んでいるところに比べると大都会😢コインパーキングを探して、迷わずお目当てのお店に行くことができました。

一目惚れのシューズがあったのですが、サイズの在庫がなく、結局買うことができませんでした。

「ヒロ、お腹すいたな。少し早いけどご飯行く?」

「うん」

とだけ答えて、彼に全てを任せました。

着いたところはさっきのお店から10分くらいの所にある大きくて立派なホテル。

「すごいホテルだね。ここでお昼?」

「そう。ここでいい?」

「もちろん!っていうかここでいいの?」

ホテルに入って見渡すと、吸い込まれそうな高い天井。

「こっちだよ」

仕事で利用するホテルは安いビジネスホテル。こんなホテルはアメリカに新婚旅行に行った時とディズニーランドに行った時と、USJに行った時しか来たことがありません。

「素敵なホテルだね。なんか緊張する」

「笑笑、ランチ食べるだけだから大丈夫だよ」

席に通されて彼と同じものを注文しました。サラダバイキング付きのランチです。

「ヒロ、ここねオレが20歳の頃に働いてたホテルなんだよ」

「え?そうなの?」

「うん、ここに就職して最初に配属されたのがこのレストラン。懐かしいなぁ。少し変わったけどこんな感じだった」

「ここにコウさんがいたんだね。何か人一倍動き回ってそう」

「この前、これが住んでたアパートだよって連れて行ったとこあるでしょ?あそこからここまで自転車で通って、ここでフランス人とアメリカ人の同期の奴らと頑張ってた」

「その人たちも今はどこかでホテルの偉い人になってるかもね」

「そうかもな。オレはホテル辞めちゃったけど、その経験が今のオレかもしれないな」

「ここへは辞めてから来てないの?」

「うん、前は通ったことあるけど、入ってない。今日はこっち方面に来ることになったから、だったらヒロと行きたいなぁって思って」

「ありがとう。嬉しい☺️コウさんの軌跡を私に見せてくれて、なんか特別な感じ」

「特別だよ。ヒロはいつも俺の気持ちにスッと寄り添ってくれるから、これからもたくさんのことを一緒に感じたいと思ってる。だから俺に着いてきてくれるかなぁ」 

「うん、こちらこそ」

ゆっくりと2人で食事をして、約30年前のコウさんを感じながら、とても素敵な時間を過ごすことができました。

彼と出会った頃、見た目はとても男性らしいのに、彼のスーツの着こなし、立ち姿、とてもキレイな所作にすごく魅力を感じていました。もちろん気配りやフットワークの軽さも。そのルーツがホテルマンだったことは間違いありません。
また一つ、コウさんのことを知ることができました。連れて行ってくれてありがとね。そして奥さんではなく、私をそこに連れて行ってくれたことが、何よりも嬉しいです。


Hネタはまた今度🤭

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?