昼月まひる

すべて無料記事なので、良かったら覗いていってください🙌♡⃛ 本業はコピーライターしてま…

昼月まひる

すべて無料記事なので、良かったら覗いていってください🙌♡⃛ 本業はコピーライターしてます。ここではひっそりと自分ごとを。ミドフォーにしてはじめた終の住処づくりのブログや、10年目まで足掻いた不妊治療を小説化したものなど、思いつくままに。

マガジン

  • ミドフォー夫婦、理想のわが家計画はじめました。

    夫婦ふたり暮らし。おっとりシニアお嬢さま🐶と天邪鬼なおじさん🐱とで、実際は2人と2匹です。 結婚して10年、いくつもの土地で賃貸マンションや戸建てに移り住んできた自分たちなりの経験の積み重ねは、たぶん今なら最高に活きるはず。 そんなnote家づくりブログをはじめたいと思います。

  • 小説|晩産のたしなみ。

    いわゆる晩婚、もしかしたら「晩産」に至れるかもしれない40代のリアルデイズ……。いちコピーライターとして初めて書き残したくなった自分ごとは、苦節9年、不妊治療の行末でした。普通の夫婦が、普通に不妊に悩み、普通にわが子を望む毎日。不妊治療をすることに、何も特別なことなどないのです。そんなお話を。📖一話読み切り、すべて無料記事です🤝

最近の記事

move:04 占い師に学ぶ不動産、基本のキホン

 とうとう、占いに手を出しました……。迷走後、すったもんだがあり、こじれにこじれている我ら夫婦の家探し。  というか、2か月前にたまたま予約していたのです。鑑定するのは紹介のみ、2か月先まで予約が埋まっているという"スゴ腕"占い師の話を聞いて、興味本位で……その料金、2万円なり。  予約した日はちょうど三連休の真ん中で。2か月前には思いもよらなかった、いよいよ購入しようかという中古戸建のインスペクション(第三者機関が4〜5時間かけて検査する住宅診断)、その前日。  さら

    • move:03 買うべきは中古か、新築か?

       迷走、しています……完全に。きっと誰もがこの道を通るんだろうなぁと想像します。  だって家を買うなんて、こんな莫大な借金をするなんて、たぶん人生で最初で最後だし。わが家の場合、「駅前のマンションを買っていつか高く売るのだ!」とか、まったく考えていません。本当にこれが最初で最後。だから楽しい。そして、迷いに迷うのですーー。 「そんな、面白いって。おもちゃ買うんじゃないんだから。一体いくらの買い物すると思ってんの!?」  先週末。候補物件の内見のさなか、夫さまに言われてシ

      • move:02 その家の魅力はどこにある? 

         玉砕、しました……。これぞ運命かと思った素敵すぎる物件。駅からがんばれば徒歩10分だわ、数分歩けばすぐ海岸だわ、まわりの家もお洒落だわ、そこかしこに魅力的なごはん屋さんだらけだわ、夏には近くの花火大会の花火が広めのルーフバルコニーから何の障害もなく眺められるわ――そんなこと、あるぅ!?てくらい、良すぎる立地で。  写真で見る限り、築年数的にもどうかな、リノベーションをばりばりにするほど安くはないぞ、とは思ったものの。実際に内見したら、「え、最悪このままでもいいじゃん!」と

        • move:01 今こそ、家のつくりどき?

           秋の夜長に、こんな手紙をしたためてしまいました……。  わが家の家づくり計画は、まだまだ序盤も序盤。とはいえ、ここまでくるのでもなかなか前途多難だったのです。  仕事で取材した縁もあり、不動産も自社で行なっていてリノベーションも手がける某工務店にお願いすることは比較的スムーズに決まったものの。毎日毎日、SUUMOやニフティ不動産のアプリで物件を探し続ける日々は、ほぼツイ廃状態で。やっと少し気になる家を見つけたと思ったら、「契約済みのようです」で撃沈。「これは恐らく"おと

        move:04 占い師に学ぶ不動産、基本のキホン

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        • ミドフォー夫婦、理想のわが家計画はじめました。
          4本
        • 小説|晩産のたしなみ。
          34本

        記事

          DAY33.  夢のしまいかた 

           どうしたら、納得できるんだろう。ずっとそればかり考えている。  不妊治療のやめどき。ひとは、いとも簡単に言うのだ。保険適用年齢は理に適っている、それを超えたらあきらめるべきだ。いや、まだ可能性はゼロじゃない、あきらめたら終わりだ。そんなに歳をとった親なんて、子どもがかわいそう。障害が出る確率、高いんでしょう? その年齢で、妊娠出産まで至れる確率は――。  初めて私の子宮に受精卵が着床したのは、結婚7年目の夏だった。ちょうど、コロナで一年延期された東京オリンピックがようや

          DAY33.  夢のしまいかた 

          DAY32 .  10年目の遅咲きを待ちながら

           ふたりめの弟が生まれたとき。すでに弟をひとり従えていた私はもうすっかり母親気どりで、この子の名前は「桃太郎」がいいと言ったらしい。自分にだって、本当はもっとふさわしい名前があるのだと。  さくら  5歳の私がなぜか名乗りたがったというその名前は、儚い春の香りがした。  一年のなかでも、桜の時期が一番好きだ。なんでこんなにも心惹かれるのが、ほんのひとときだけ美しい姿を見せてすぐに散ってしまうこの花なのか。いかにも被虐趣味めいている。  今年は暖冬だから、きっと桜の開花

          DAY32 .  10年目の遅咲きを待ちながら

          DAY31 .  今年最後の大勝負

           あれだ、あれと同じ感覚。宝くじを買ったときの気持ち。   「宝くじなんて、そんなんで運使っちゃたくないし」とか言って、滅多に買わないんだけど。これまで40年以上生きてきて、5~6回くらいは買ったことがある。  せっかく買っても、「1億円が当たったら」なんてこと、私には全然想像できなくて。「当たったら何を買おう」とか、夢見ることすらできず。とりあえず買ってはみるけど、300円とかしか当たった試しがない。「やっぱりね!」で、いつも終わるやつ。  いつからだろう。ばかみたい

          DAY31 .  今年最後の大勝負

          DAY30.  その闇をも抱くもの

           その月曜の朝、私はいつものように遅刻気味だった。もうそんなに寒くはない、まだ暑くもない季節。急げば5分の道のりを、ヒールでぎりぎりいけるくらいの走りっぷりで駅に向かっていた。  ちょうど、駅まであと一直線となる角のマンションを曲がったところだった。私の行く先、ほんの3メートルほど前に、落ちてきたのだ。  ダン!!!!!と、大きな音を立てて。男の人が。 「え……」  颯爽と細身のスーツを身にまとったその若い男は、まるでどこかの浮気現場から逃走してきたかのようなシュッと

          DAY30.  その闇をも抱くもの

          DAY29.  すべからく誰を想う

           やっぱり、あると思う。  ホルモンに関わる投薬の影響。個人差?気のせい?リスクよりもベネフィット?なんでもいいけど、絶望はする。  これから数か月、ただひたすらに連続採卵をしていくのだとして。およそ月の半分は、あのモヤモヤと付き合っていくことになるんじゃないの?もしかして。 「弁当ってさ、ちょっとワクワクしない?」  薄曇りの昼下がり。いつもの草むらを熱心に嗅いでまわる犬にリードを引かれながら、夫が言った。昼は近くのスーパーにでも、散歩がてら弁当を買いに行こうかと誘

          DAY29.  すべからく誰を想う

          DAY28.  遅れてやってきたひなまつり

           女の子、だった。   流産手術の後、絨毛検査でわかったのは、今回の流産がやはり受精卵の染色体異常によるものだったということ。そして性別だった。何番目の染色体がトリソミーだったかとかなんとかは、もう覚えていない。  2度目に流産したのは男の子で、今回の3度目は女の子で。1度目は検査ができなかった。  性別を知らされると、とたんに胸が詰まるような実感が押し寄せてくる。それでもやっぱり、知りたかった。  私たち夫婦は、2023年の春が訪れる少し前に、およそ2か月をともにし

          DAY28.  遅れてやってきたひなまつり

          DAY27.  いつかの反面教師

           ポチポチと文字を打っては消し、打っては消し。もうメッセージは無しにしようかとも思いながら。小一時間かけてようやくスマホから注文をした。 ◼️メッセージ:お誕生日おめでとうございます。素敵な一年となりますように。どうぞ元気にお過ごしください。  結局、できあがってみれば余計な感情はすべて削ぎ落とされ、いかにも無難な言葉が並んでいる。ちょうどコロナ前の2019年3月にも、同じ店から花を贈ったらしい履歴が残っていた。選ばれているのは、母の好きな黄色の花のアレンジメント。  

          DAY27.  いつかの反面教師

          DAY26.  たい焼きの神さま

           目の前に、2つの選択肢があったら。  リスクヘッジだとかキツいとか、無駄だとか、云々かんぬんを並べ立てるより前に。ごくシンプルに、未来が楽しみなほうを選びたい。  それくらいの自由はあって良いのではないかと思ったりする。私もまた、この世に生まれ落ちたひとりの人間なのだから。  名前もつけられずにいってしまったあの子を思いながら、今日もずっとそんなことを考え続けていた。  考えても仕方のないことを、くどくど永遠に考えている。人間なんてそんなものだろう。    *

          DAY26.  たい焼きの神さま

          DAY25.  シラサギの舞う日に

           つい、出来心だった。最後になるかも知れない移植前に、できるだけストレスを減らしておきたかったのだ。 「なんか、思ってたよりも……。そうか、こういう感じになるんですね……」  これまでにない手触りのする髪を弄びながら、目の前の大きな鏡をまじまじと眺めた。 「もう少し、サラッとした感じになるのかと思ってたな。ブローいらず、みたいな……」  そこに映るのは、ひとり自分の顔を見て苦笑している私と、隣のチェアで何やら憤慨しながら仕事のLINEをやりとりしている夫の姿。その膝で

          DAY25.  シラサギの舞う日に

          DAY24.  終わりのはじまり

           夢を見た。  夢の中で夫は、息子である私の父であった。彼は途方にくれている。いましがた妻を亡くして。  父と息子のふたりきりで、夕食の食卓につく。さて食べ始めようかというところで、父がつぶやいた。 「ほんと、好きだよねぇ。オクラ」 「え?」  僕の声などまるで聞こえない様子で、父はひとり意味深に微笑む。その手には、オクラの入った味噌汁の碗が収まっていた。そこで僕は唐突に思い出す。野菜嫌いの父に母は何かと野菜を足して、特にオクラはその代表格だったことを。  僕の姿

          DAY24.  終わりのはじまり

          DAY23.  マックポテトの誘惑

           姿勢が正せる。それがひとつのバロメーターだ、私の場合。家事をしていても、犬と散歩をしていても、デスクに座っていても。はたと気がついたときに、すっと背筋を伸ばせるかどうか。  どうにも底力が湧かない今日みたいな日は、体の芯みたいなものがくにゃりと曲がって、なんとも情けないことになっている。体は泥のように重い。物理的にも、精神的にも。    デスクでは永遠に椅子にもたれかかって、上目遣いで無為にパチパチとキーボードをたたくけれど、仕事は遅々として進まない。家事や散歩をしてい

          DAY23.  マックポテトの誘惑

          DAY22.  空蝉の記憶

           みーん、みんみんみんみんみいぃーーん……。いつもの川べりを犬と歩いていたら、嘘みたいにど定番な蝉の声が聞こえてきた。  まだまだ鳴き始めという感じ。これがだんだんと層をなして、いつしか途方もない多重奏に、シャワワワワワ……とした「音」へと変わっていく。一年前に全身で浴びたその音は、いまだ私の耳の奥にこびりついている。   あの夏、私は初めて自分の中に小さな命を宿し、それが消えゆくのを呆然と眺めていた。そうして8か月後に、2度目の流産。春の芽吹きとともに最後の日々を過ごし

          DAY22.  空蝉の記憶