自由研究でSNSをつくろう! 完成編
オトナになっても夏は自由研究をしたい! 宿題じゃなくてもしたい、したいしたい! ということで始めた2023夏の自由研究『ミニマムSNS』作りも今回で最終回です!
ミニマムSNS、できあがり
さて、最後は「いくらなんでも」だった見た目を整えまして、完成です。既読になると文字色が紫になる古く懐かしいリンクを"さわやカラー"のバーに変えたり、なぜか強くログアウトを誘っていたのを地味な"×"ボタンに変えて控えめにしたり、といった感じで調整してみました。
作成中はできるだけシンプルに、かっこ悪いのを承知で暫定デザインにしていましたが、最後にひととおり見直すことでソースコードを見やすく整理でき、ついでに潜在的なバグを潰すこともできました。
ま、見た目を整えると逆に底が知れて、「おいおい、ほんとにミニマムだな~」ということがバレやすくもなるんですけどね!
なにせアカウントを作って、他のユーザーをフォローして、発言して、それを見て、くらいしかできません。画像もアップロードできるようにしたい、"いいね!"も押したい、ブラウザバックで戻ると古い情報が表示されるのをなんとかしたい、と「あった方がいいに決まっている機能」をすぐに実装しないのは、たいへんうしろ髪をひかれる思いです。
とはいえ、「今後拡張していけばいいじゃん!」ということで区切りをつけたいと思います。こうして一度会員サイト的なものを作ってしまえば、あとから発展させていくのはとても簡単ですからね。
8月も終わりが目前に迫り、かな~り滑り込み気味になってしまいましたがミニマムSNS作りは完了としたいと思います。けっこう長い連続記事になりましたが、ここまでご覧いただいたみなさま、ありがとうございました!
あとがき
ところで今年の夏の自由研究のテーマにSNS作りを選んだのは、もちろんイーロン・マスクによるTwitter改悪(?)が続いてSNSの在り方について考えさせられる機会になったからです。でも、文句ばかり言っていても仕方ないですからね。自分でちょっと作ってみれば、なにか見えてくることもあるかもしれないと思ったわけです。
ある程度プログラムを組める人なら、SNSの仕組みなんて簡単に作れることは想像できると思います。そして、それはまーまー事実です。でも、実際にSNSや会員制の仕組みを自分の裁量で作ったことがある人というのは、あまり多くはありません。だから、そういう経験をしてみることはいいんじゃないかな、と。
とはいえ、仮にどんなに良いシステムのSNSを作っても個人が作ったもの、しかも宣伝費もかけて人集めをできないものにユーザーが集まるわけもありません。いくら簡単に作れそうだからって、そして「ミニマムだから^^」って言い訳をしても、SNSを作ったところでどうしようもないのが実情です。だから、実際に作りはしないのが普通でしょう。
でも、お金とか実績とかを考えたら「やってられない」ことを、「やってしまえる」ことが自由研究の良いところなんだと思います。
「オトナになってから、なに趣味で自由研究なんてやっとんじゃ~」と思う方もいるかもしれませんが、学校とか仕事とかお金とは関係ないところで、「自分」としてやるからいいんですよ!
大切なのは、研究というのは確実になにか成果を得られるわけではなく、なにも得られないかもしれないおそれもあるということ。どう転ぶかわからないところに、本当に大切なものは眠っているのではないかと思います。そして、それを事前に予測することはできません。また、経験を活かせるとしても、それはずっと先の遠い将来になるかもしれません。
だからもし、夏休みの宿題で自由研究をやったけど、どうにもイマイチで「どうしよう……」と頭を抱えているお子さんがいたら、気にせずにそのイマイチを堂々と提出してほしいと思います。良い結果が出なくても、実行したということに研究の本当の価値があります。表面的な結果にこだわるのは、たとえ自由研究でも「悪しき態度」なのです。
とはいえ、投げ出しておしまいにするわけにはいきませんから、振り返りは必要です。
SNS作りの過程を思い起こすと、SNSの仕様を決めることの難しさがもっとも気になるポイントでした。巷のSNSは他者からの評価・承認を得ることで利用者を依存させる仕組みで成り立っているのが実情です。でも、それはいわゆるインフルエンサーなどの社会的強者を厳選していく仕組みにすぎません。
特に目立つことのないぼくら一般人は、発言・発表に気を遣い、フォロワーが増えれば嬉しいけど減れば悲しく、「いいね」がつかなかったり、少なかったりすれば何か悪いことでもしたかと思い悩みます。
そういうことを気にしない人の方が続けやすく、育ちやすいのですから、どこのSNSも強者の席巻とともに人口が減少するのは当然といえば当然です。なのに、そんな「評価」の機能は本当にいるのだろうか? と考えさせられました。
今回は「ミニマムSNSなので~」と逃げることにしましたが、答えは出ていません。ただ、リアルな社会を考えればいちいち評価を受けるのは社会的影響力の強い人だけ(で充分)ですから「みんなに必要なものではない」というのが落としどころかなと思っています。
Twitter(X)がどうなるかはわかりませんが、今後は今よりもネットコミュニケーションが人類の言論と社会の動きにより影響するようになるでしょう。普通の人が脱落しやすい今のSNSの在り方では「お先まっくら」という感じがしますが、SNS作成に興味を持ち、あるいはSNS作成の実体験を持つ人が増えることで有効なアイディアが多く生まれたらいいなと思います。
本当にミニマムなSNSですが、せっかく作ったのですから、ぼくも今後このnoteのネタのひとつとして拡張しつつ、夏休みシーズンが終わってもこの研究を続けていくつもりです。
成果が出るかは、わかりませんけどね。
(おしまい)