システマ随想 第五回 「システマ槍術」 文/北川貴英
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システマ随想 第五回 「システマ槍術」 文/北川貴英

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ロシアン武術「システマ」の公認インストラクターである、北川貴英氏が書き下ろしで語る、私的なシステマについての備忘録。第五回目の今回は、先日行われた創始者・ミカエルによる講座の模様をお伝えします。今回は瓢箪から駒的にミカエルの滞在日数が増え、珍しい武器術の講座が行われました。果たして北川さんにはどんな風に写ったのでしょうか。



システマ随想

第五回 「システマ槍術」

文●北川貴英


一通のメールから始まった波乱のセミナー

​ 5月4日から6日の3日間にわたって行われたミカエル&ダニール・リャブコの来日セミナーは、スタッフやマスター、参加者たちのお陰で大盛況に終わりました。
 前回書いた通り、今回はシステマ東京主催ではありません。そのためオーガナイズに関してはすっかり気を抜いていたのですが、思わぬ波乱に巻き込まれることになりました。

 その発端は、モスクワ本部から届いた一通のメールです。
 ミカエル達の滞在日程を延長して、日本の温泉地で休暇を取ることは可能かというのです。しかしミカエルは東京セミナーの翌週にはオーストラリアでのセミナーを予定しています。私自身もそのセミナーに申し込み、飛行機やホテルの手配も済ませていました。
 ここで考えられるのはオーストラリアの後、再び日本に戻ってきて滞在するというプランです。モスクワ−成田−メルボルン−モスクワという周遊チケットを買うよりも、モスクワ−成田間と成田−メルボルン間という2つの往復チケットを買ってしまった方が、飛行機代を節約できることがあります。
 実際に以前、ダニールがこの方法で東京とオーストラリアで連続セミナーをやったことがありました。今回も同じパターンかと思い、モスクワ本部側に確認するメールを送った直後のことです。今度はオーストラリアの主催者からメールが届いたのです。それによると、なんとメルボルンセミナーが中止になったとのこと。主催者サイドでトラブルが起きて、ミカエルを呼べなくなってしまったと言うのです。

 こうして突然ふってわいた休暇を家族で日本で過ごしたいと考えたのでしょう。またロシア人は誕生日をとても大切にします。そのため来日中の5月6日に誕生日を迎えるミカエルへの、良い誕生日プレゼントになるのではないかという気持ちもあったのかも知れません。そこでミカエルの滞在延長を歓迎する意を返信し、私とシステマ大阪の大西亮一の二人でアテンドすることになりました。

 そうは言ってもその時点で4月30日です。ミカエル来日までのわずか2日。
 このわずかな期間で宿を手配しなくてはいけません。また追加セミナーや特別クラスもやってくれると言ってくれていますので、その会場も必要です。その上箱根山の火山活動や季節外れの台風に振り回されたりなど、これまでのアテンドの中でもっとも波乱万丈な日々となりましたが、周囲のサポートのおかげでなんとか全日程を乗り切ることができました。
 特にミカエルが気に入っていたのは箱根の温泉です。箱根湯本の中心部から少し離れた旅館がなんとか空いていたので、露天風呂付きの部屋を確保したところ、ミカエル一行は1日に何度も入浴するほどでした。他にも一緒に富士山を見に行ったり、アウトレットモールを散策したり、夕食後にはドミノでゲームをしたりと、のんびりと箱根を楽しんだのですが、そんな中でときおり、システマに関する興味深い話を聞くことができました。



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