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タイトル:成功への不完全な旅『ダークホース』

帯にダニエル・ピンクとアダム・グラントが絶賛!と書いてあったので、思わず手に取った本。

「才能」についての本だが、なぜだかアマゾンの「産業史」のカテゴリーにおいてベストセラーになっているのも魅力に感じて手に取ってみた。

というのも、優れた本というのは、もともと属していたカテゴリーを外れて、他分野にも影響をあたえるからだ。

たとえば『孫子』。

もともと軍事教本であった『孫子』が、現代ではビジネスや、人生のテキストブックとしても親しまれている。

そして本書は、自分自身の才能や情熱を追求したいと思っている人や、自己発見を通じて充実した人生を送りたいと思っている人にとって、非常に有益なガイドとなる。

タイトルにもある「ダークホース」とは、型破りな成功をした人たちのこと。

ダークホース=穴馬と、特殊な存在という印象があるが、この本ではそのダークホースこそが「スタンダード」であると語られる。

そして、ハーバード教育大学院の研究者である著者が、何百人ものダークホースたちにインタビューを行ない、彼らの思考法をまとめたのが本書。

彼らの最大の共通点は「本来の自分であること(=充足感)」を追い求めていたら、いつの間にか成功していたということ。

学歴もこれまでの経験も関係なく、自分の情熱と独自の強みを追求することで、成功よりも、充足を目指す人たちだ。

自分自身が成功していると思えるかは、お金と権力といった基準ではなく、この「充足感」が大事という主張に基づいて本書は展開されていく。

そして、その充足感を得るための以下のステップが、本書の柱となる。

① 「自分が好きなこと」を掘り起こし、自分の中の「小さなモチベーション」を発見する
② 一般的なリスクは無視して「自分にあった道」を選択する
③ 自分の強みを自覚し「自分に合った独自の戦略」を見つける
④ 目的地のことは忘れ、充足感をいま抱いているか自問する

本全体を通して、著者は、芸術家、起業家、アスリートなど、異なる分野のダークホースの例を挙げ、情熱を追求する力と、そこから生まれる成功の可能性を説明。

とりあげられる成功例が多いので、きっと自分の趣向に近い成功例を見つけることが出来るはず。

まとめると、「ダークホース」は、従来の成功の概念に疑問をなげかけ、自己発見、情熱の追求、失敗の受容、カスタマイズされた教育やキャリア支援といった概念を提唱。

大学に行ったり、名門企業で働くなど、伝統的な成功への道が、充実した人生を送るための唯一の方法ではないと主張している。

独自の才能を見つけ、それを追求することがより充実した人生や、最終的には成功への道を開くことができると力説。

どうしようもない閉塞感にどこから手をつけていいのか分からない人にとっては、希望を持てるはず。

本書を読み、大きな情熱よりも、目の前の小さなモチベーションを発見を重視していきたいと思った。


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