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老子道徳経と中医学的身体観七十六


副題 戒強


中医学的身体観としては、

脱力によって、物質(肉体)があるがままに、下へ落ちている事が基本。

動く際にも妄りに力を使わない(不用拙力)。

生命は上実下虚、上熱下寒になりやすいからこそ、上虚下実、上寒下熱に制御されると最大限の力を発揮する。

心腎相交しているからこそ、気を還元している姿、循環している姿として水火既済となり、火水未済が土台となる。

鳳凰堂流解釈

剛柔相済する為の基本的な位置は柔上剛下となる。

しかし、変幻自在が生きている証でもある為、思考も固定せず、常に変化させると、一見剛でも柔、柔でも剛と内柔外剛、外剛内柔もある。

鳳凰堂流意訳

生命は常に変化し続ける。

つまり、柔軟で弱い状態。

死に向かうにつれて硬くなる。

植物も動物も、生きとし生けるものは全てこの点において同じ。

ここから考えると、硬くなる事は緊張でもあり、枯渇でもあり、死に向かう姿。柔らかくなる事は弛緩でもあり、万能でもあり生きる姿。

この世のものは下にあり、土台となった上で柔らかさがある。

直訳
人の生くるや柔弱、その死するや堅強。

万物草木の生くるや柔脆、その死するや枯槁。

故に堅強は死の徒(と)なり、柔弱は生の徒なり。

ここをもって兵強ければすなわち滅び、木強ければすなわち折らる。

強大は下に処(お)り、柔弱は上に処る。


原文
人之生也柔弱、其死也堅強。萬物草木之生也柔脆、其死也枯槁。故堅強者死之徒、柔弱者生之徒。是以兵強則滅、木強則折。強大處下、柔弱處上。

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