桑原武夫による「人文科学の共同研究」(人文研の共同研究を一覧にしてみた)

このノートは、タイトルの通り、桑原武夫が人文研にてチェアとなって開催していた「人文科学の共同研究」という、当時としては先駆的な試みについて、一覧にしたものです。

「あれ、どういう順番でどんな共同研究あったっけ?」って思って調べたのですが、ウェブ上には、新京都学派とカウントされる人たちの共同研究の一覧が存在しませんでした。

なお、桑原武夫と共同研究の雰囲気が知りたい人には、こちらをご覧になることをすすめます。

以下の一覧は、人文研公開のリストからピックアップしただけのものです。また、年号は報告書発刊の時期を示しています。

1951年:ルソー研究(岩波書店)

1954年:フランス百科全書の研究(岩波書店)

1959年:フランス革命の研究(岩波書店)

1964年:ブルジョワ革命の比較研究(筑摩書房)

1966年:中江兆民の研究(岩波書店)

1967年:文学理論の研究(岩波書店)

1968年:ルソー研究 第2版(岩波書店)

1970年:ルソー論集(岩波書店)

※最後の論集が、上記のルソー研究と、どのような関係にあるのかは、寡聞にして知りません。ご存知の方いれば教えてください。(ちなみに、桑原が京大を退官したのが1968年のはずですので、位置づけもよくわかっていません。)

えー、こんな感じで、社会学者、様々な文学研究者、文化人類学者、哲学者、果ては医者まで巻き込んだ共同研究を展開していた、新京都学派は、都合、6回のプロジェクトを動かしていたことになります。

手元にあった『文学理論の研究』の序文によると、「文学理論」については、合計139回も研究会を開いたそうですね。しかも、ちゃんと科研費とってきてやってたりして。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?