メンバーシップをはじめるよ
はじめまして。京都市在住の哲学者、谷川嘉浩です。
noteのメンバーシップをはじめます。「哲学の工房」という名前です。
以下のようなジャンルの文章や音声をお届けする予定です。
開かれた場所でも、閉じられきった場所でもないところで、なんとなくお互いの気配を感じながら、〈哲学未満のことば〉を〈哲学のことば〉へと作り上げていく「工房」のような場所を持ちたいと考えていました。
SNSの喧騒を忘れて、言葉をつくることにこだわりたいと思っています。
メンバーシップを始めた最大の目的は、書籍執筆にあります。何もないところから言葉を作り出すプロセスには、伴走してくれる人が必要です。
言葉を作り上げていくプロセスは、地味で静かです。谷川の日常に付き合っても構わないという方、お待ちしています。
趣旨からして、参加人数に上限を設けています。(値段設定は模索中なので、動かすかもしれません)
以下では、もう少しだけ細かく趣旨説明などをしていきます。
まずは、自己紹介から。
自己紹介
『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』という20万字を超える本(のもとになったもの)で、学位を取得した哲学の専門家です。
これは専門書ですが、縁あって、『スマホ時代の哲学:失われた孤独をめぐる冒険』とか、『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』などの一般書も出しました。
ウェブ上で、こんな記事も書いています。
いまは、京都市立芸術大学のデザイン科に勤めながら、学生の制作指導をしています。
あと、たまにこうして話したりもしています。
さて、以下では、メンバーシップをはじめる理由について書いていきます。
理由①:書籍のための連載媒体になる
メンバーシップは、自前の連載媒体になります。
つまり、「細かな締め切りを自分で設定できるようになるので、書籍への道が見える!」というのが、メンバーシップをはじめた最大の理由です。
フェリーで海面を眺めるようにのほほんと過ごしていれば、自動的に書籍や思考が紡ぎ出されるわけではありません。
書かないと本はできないんですよ!!!(当たり前)
そこで、みなさんには、哲学書として出版されるまでの、哲学未満のことばが生み出される現場に、ぜひ付き合ってほしいのです。
締切が人を動かす!!
理由②:言葉を作るプロセスに参加してもらえる
考えてから書くのではなく、書きながら考えるタイプの書き手です。最初からパーフェクトな言葉が出てくるのではなく、何度も鍛えていくことで言葉を作っていくことになります。
向かい合う刀鍛冶が、リズムよく槌(つち)を振り下ろし、鉄を鍛えていくように、言葉が作られるプロセスに参加してほしいのです。書き手は、陰に陽に読者からの影響を受けるので、「参加」は、単なる比喩ではないと私は思っています。
理由③:殺伐としたSNSからの避難所
トレンドを追いかけ、簡単に罵り合うようなSNSの言葉遣いに疲れている人は少なくないと思います。
日を追うごとに、SNSでは割り切れない言葉を発しづらくなっているように感じます。もっと自分を雑多なものとして捉えられる場所、つまり、雑多な言葉を話すことのできる場所が必要ではないでしょうか。
SNSの喧騒から距離を置き、ハイカルチャーもローカルチャーも、真面目も不真面目も、楽観も悲観も入り混じるような、不純な言葉の居場所を作りたいのです。
東日本大震災前後から、共同体がオープンであることが無前提に称賛されてきましたが、実際にはある程度閉じられているからこそ、安心したコミュニケーションが可能になってもいるはずです。(かといって、カルト的なのもごめんですが)
ここを閉じつつ開かれた言葉の工房にしたい。そういうわけで、メンバーシップをはじめました。
記事を投稿するたび、楽屋裏的な感じで掲示板の投稿をしています。みなさんが書きやすいように、質問とともに。ちょっとした交流の場にはなっているのかなと思います。
値段設定について
そもそもが、執筆プロセスなどに付き合ってもらう遊び場のような場所なので、消費者目線で「このくらいのコンテンツだから他の商品と比べたら、この値段かな」と考える値段設定は向いていないと考えました。
なので、「コーヒーを一杯ごちそうしようかな」「いやケーキセットくらいならいいか」というノリで課金してもらうのがよいのではないかと思って設定しました。なので、値段設定に何の合理性もありませんし、必要でもないと思っています。
ただ、コーヒーとケーキセットである意味は特にないので、値段設定は模索中です。
主にケーキセットの方ですが、ちょっと高く払ってもらっている分、質問を受け付けたり、こういうこと話してほしいなども受け付けようかなと思っています。よしなに。
初月無料とはいえ、少人数前提の値段設定なので無理をなさいませんように。
色々と手探りなので、やりながら改善していけるところはそうします。みなさんにとっても居心地のいい場所でありますように。
そんなこんなで、「哲学の工房」をよろしくお願いします。
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