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日記:3/1~3/31

3/5 他人の文章を解説する

ここ数日は、解説の執筆にかかりきりだった。研究会もそのせいで遅刻する。文庫に解説を書くよう依頼されて、喜んで引き受けたものの、これが結構難しかった。でもいい経験だったな。

はじめて「文庫解説」の存在を意識したのは、島本理生さんが『100回泣くこと』に寄せた解説。これが本当にすごい面白さだった。地元の小さな書店で、高校生のときに立ち読みで解説を読んだとき、思わず涙した。せっかくなら実際に小説を読んでみようと読んだのだけど、実際の小説よりも解説の方が出来がよかった(失礼ながら)。思えば、これが「批評」というものの入口だったのかもしれない。

個人的には、柴崎友香さんのデビュー作『きょうのできごと』の解説も好きで、これを意識しながら書いた。保坂和志さんの解説で、冒頭の数文をとりあげて、いかにこの描写が巧みなのかを読み解くもの。

書き上げた解説は、かなりいい感じ。早く情報公開したい。今月中には言えるはず。

#ゆかいな知性 の収録をした(Audibleで配信しているPodcast番組)。何本かまとめて撮っているので、もう終盤。とても寂しい。自分のPodcast更新が止まっているので、こちらが落ち着いたら再開しようかな。


3/9 法事に出る、地元に帰る

法事で地元に久々に帰る。地元にはあまり愛着がない。別に恨みもないが、深い地元愛みたいなものはない。そのことに、なんでなんだろう?って自分でも驚く。

お世話になった人が亡くなった。こういうことが最近多い。親の友人でもあったので、パニックになった親がその事実は伝えるが法事の日を私に連絡し損ねた。仕方がないので、本来なら家族で営む法事に顔を出させてもらった。

しばらく会わないあいだに亡くなったので、あまり喪失の実感はない。しばらく会わなかったから、「まだしばらく会っていない」が変わらず続いているのだという感覚になる。

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