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翻訳とかまとめる

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ウェブで公開して構わないものを訳しています。投げ銭だったり、一部公開だったりします。 課金してもらえたら、チーズケーキ買って帰る幸せが得られます。
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記事一覧

【翻訳】トランプのWHO拠出金停止へのSRCD(子ども発達研究協会)の声明

1.WHO拠出金停止とSRCDの声明研究者の谷川です。

今回訳しているのは、SRCD(子ども発達研究協会)が、ドナルド・トランプ大統領のWHO拠出金停止を行ったことに対して発表した声明です。

発達科学者の友人(謝辞にも出てくる萩原広道さん)によると、SRCDは以下のような位置づけの学会です。

SRCDは、子どもの発達研究に関する世界最大の、かつ学界を牽引する国際学会。1933年に設立され、世

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苛立つサイモン・クリッチリーは、「口を閉じろ」と叫ぶ

ツイッターを眺めていると、サイモン・クリッチリーが書いた文章が流れてきました。

非常に適切な皮肉のきいた文章で、自分自身の健全さを保つ上で大切だと感じました。なので紹介します。

Los Angeles Review of Booksで公開されている、The Quarantine Files: Thinkers in Self-Isolation - The Quarantine Files:

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【翻訳】デューイ「心に対するラジオの影響」(1934)【全文】

前置きここに訳出するのは、哲学者ジョン・デューイの"Radio's Influence on the Mind"です。書誌情報としては、Jo Ann Boydstion, ed., The Collected Works of John Dewey, The Later Works, vol. 9, p.309 です。

最初は、WEVDラジオ大学(WEVD University of the A

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【翻訳】ジョン・デューイ「ジェファーソンについて」(1943)【全文】

アメリカの哲学者、ジョン・デューイの短い文章を訳します。

ほんの少し前置き"Statement on Jefferson"と題された文章で、The Collected Works of John Dewey, The Later Works, vol. 15, p.366に掲載。

ニューヨーク市にある「倫理文化協会」(Society for Ethical Culture)のジェローム・ナサン

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ジョン・デューイ(1924)「ファンダメンタルズ」(翻訳)

※無料公開範囲は解題のみ。翻訳本文は約6000字。

アメリカの哲学者ジョン・デューイは、第一次世界大戦中のインタビューの中で、「新しい変化が起こったとき、その時には、まだ私たちは先例に縛られているので、その変化が意味するものを答えることができない」という趣旨の言葉を残している。

ここに訳出した「ファンダメンタルズ」という論文は、ある出来事の行く末が定まりつつあるときに、その出来事がもたらした「

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「教育開発(ED)とは何か」(POD, 2016)――FD関係の文章訳しました

「教育開発とは何か」(POD, 2016)解題
全米最大のFaculty Development(以下FD)担当者のネットワークであるPOD(Professional and Organizational Development Network in Higher Education)がFDの定義を改訂していたので、訳してみます。

FDというと、大学・大学院設置基準(文部省令)の改定によって各大

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J.デューイによる『世論』(W.リップマン)の書評

ここに訳出したのは、アメリカの哲学者ジョン・デューイ(John Dewey: 1859-1952)の書評です。本文は有料です。研究のためのカンパとして、ポチっていただければと思います。

この書評は政治哲学的に言って、単なる書評ではありません。ウォルター・リップマン(Walter Lippmann: 1889-1974)への書評だからです。(若きジョン・デューイの写真↓)

このレビューで論じられ

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ジョン・デューイ「戦争の社会的帰結」(翻訳)

※無料公開範囲は解題のみ。翻訳の本文は約5000字です。

ジョン・デューイ「戦争の社会的帰結」解題

内容というよりは、冒頭の一節に惹かれて訳出することに決めた。「新しい変化が起こったとき、その時には、まだ私たちは先例に縛られているので、その変化が意味するものを答えることができない」という趣旨の言葉だ。変化し続ける時代に、この言葉は思いのほか印象に残る。(デューイを記念した切手の写真↓)

本稿

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