とらさん原田峰虎

縄文叙事詩『ほつまつたゑ』の研究同人誌編集長。『はじめてのホツマツタヱ』(三部作)出版…

とらさん原田峰虎

縄文叙事詩『ほつまつたゑ』の研究同人誌編集長。『はじめてのホツマツタヱ』(三部作)出版プロデューサー。かざひの文庫より『フトマニ歌占い』『縄文の神々の言葉88(仮題)』を上梓。毎月お茶の水で、ホツマツタヱお話会を開催。 うまい日本酒と山岳信仰のある山歩が大好き♡ 滝行のご指南も!

最近の記事

  • 固定された記事

【ホツマの論点】 アマテル大神の性自認 <127号 令和5年6月>

神代文字で記された古代文献は我が国に複数ありますが、ヲシテ文献がその他の雑多な古文書と一線を画するひとつの特徴は、「アマテル大神が男性神」であることです。ウリフ姫を含むと十三妃を局に入れたアマテルは、歴然とした男性神ですが、記紀もその「性」を女性に改竄して今に伝えます。天界の大神は、この錯誤をどうお感じになっていることでしょう。 GW明けの自民党総務会は「LGBT理解増進法案」の修正案を強引に推進し、G7サミット開催に合わせて「性差別のない国造り」をPRしようとしました。野

    • 【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜  ⑩「むら」「さと」「まち」「いち」 <97号 平成30年6月>

       前々号で「くに(州)」「あがた(県)」「あれ(郷)」について、前号では「あがたぬし(県主)」「くにつこ(国造)」「つうじ」「よこべ」「めつけ(目付)」などを解説し、ホツマにおける行政区画の階層や行政官の分掌などを読み解いてきました。これらの精緻な分析が、ホツマ時代の中央と地方との関係性を浮き彫りにし、また、その後の外来統治制度との[違い]、あるいは[混ざり合い]を考察する貴重な視座を与えてくれます。  本号では、その他の「区画」用語を概説します。  ホツマ時代の行政区画

      • 【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑨「あがたぬし」と「つうじ」 <96号 平成30年4月>

         前号の当欄で「くに(州)」「あがた(県)」「あれ(村)」について解説しました。ホツマ伝承では、行政区画の階層は、定量的に組織化されていたように記述されています。  まず、五世帯からなる組を、ヲサである「てべ/てゆび」が取りまとめます。その「てべ」八十人、都合四百世帯を仕切るのが「あれをさ(村長)/あれべ」です。さらに、その「あれをさ(あれべ)」八十人、都合三万二千世帯の首長が「あがたぬし(県主)/あがたし(県司)」となります。「あがたぬし」は、任命官であり、「もののべ(物

        • 【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑧「くに」と「あがた」と「あれ」 <95号 平成30年2月>

           二月十一日は建国記念の日。明治維新後に定められた「紀元節」です。この日を「紀元」と看做すのはホツマ的には諸々異説も生じるところですが、今回は、暦ではなく「国・県・村」のお話しです。  「くに」は何処からの視点で見るかによって意味が変わります。「あめ」に対しての「くに」は、「天地」の「地」を意味します。人の住む物質世界。この世。地球。大地を称するものであり「クニトコタチ」の「クニ」もこの意味と云えます。 次に、それを「(まとまった)政体」をもつ「国家・連邦」として表現する場

        • 固定された記事

        【ホツマの論点】 アマテル大神の性自認 <127号 令和5年6月>

        • 【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜  ⑩「むら」「さと」「まち」「いち」 <97号 平成30年6月>

        • 【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑨「あがたぬし」と「つうじ」 <96号 平成30年4月>

        • 【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑧「くに」と「あがた」と「あれ」 <95号 平成30年2月>

          【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑦「うらなふ」と「ましない」 <94号 平成29年12月>

           「ふとまに」の辞解は難解で、解釈も諸説有ります。その解明の前に「うらない」と「まじない」をホツマで考えてみましょう。  名詞の「占い」は原典に記述が残りませんが、「うらなふ」という用言は、数例あります。 『うらなひて つきかつらきの いとりやま』ホ4 『ココトムスヒは 占ひて 佳き日に因み 調ゑて』ホ16 『コヤネふとまに うらなえは やせ姫よけん やひのゐは なかのやとなる』ホ27 『きみさかえんと たのしみて イキシコをして うらなはす』ホ33 『きのくにに 神まつ

          【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑦「うらなふ」と「ましない」 <94号 平成29年12月>

          【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流をさぐる〜 その⑥「たかま」と「みやこ」 <93号 平成29年10月>

           天照大神をはじめ「キミ(君)」として我が国を治める神々がいらっしゃるところ、その計りごとをなされる議場を「たかま(高天)」と尊称し、その土地を「みやこ(都)」と敬称します。  現代語では「タカマガハラ(高天ヶ原)」と通読されることもありますが、『古事記』においてもその冒頭に、「訓高下天云阿麻下效此」とあり、天は「アマ」と読むように指定があるとおり、「マガ」ではあり得ません。  記紀神話のように神武以前の神々を地上界から「抹殺」して天界に「押し込める」作り話でなく、わたし

          【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流をさぐる〜 その⑥「たかま」と「みやこ」 <93号 平成29年10月>

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その⑤「ほつま」と「やまと」続編 <92号平成29年8月>

          「やまと」とイサナギとの考察です。  ホツマツタヱにおける「やまと」(という語句)の初出は、2アヤです。オモタル・カシコネの御代について、 【 オモタルの神 カシコネと 八方を巡りて 民を治す ヲウミ安曇の  中柱 東はヤマト 日高見も 西は月隅 葦原も 南阿波ソサ 北は根の  ヤマトホソホコ チタル国 及べど、、、】とあります。  ここで「ヤマト」は二回表記されますが、この「ヤマト」は美称ではなく、また(後の)和州としての地名でもなく、「あの山並み彼方の麓の(日高見国

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その⑤「ほつま」と「やまと」続編 <92号平成29年8月>

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その④「ほつま」と「やまと」中編 <92号平成29年8月>

           ヲシテ文献で使用される大和言葉を取り上げ、今に伝わる言葉との差異や、その言葉が生まれる成り立ち、深い意味、関連する言葉との比較などを探ります。 ***************  地名としての「ほつま」は、元々は東国(琵琶湖以東)全体を指していましたが、勿来以東がヒタカミに、安倍川以西がコヱとして区分されるようになり、今日の関東地方と、富士山周辺地域を云うようになりました。  一方の「やまと」は、「ナカクニ」の中心都市から、ナカクニ全体、本州全体までを指すように(天照大

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その④「ほつま」と「やまと」中編 <92号平成29年8月>

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その③「ほつま」と「やまと」前編 <91号 平成29年6月>

           「ほつま」は、叙事詩の本名。「やまと」は我が国の国号に所縁ある重要語句で、ともに深い意味をもちます。  どちらも、もともとは「徳治」を美称する同義語であり、「優れて調い、秀でた円満(なる治政)」を意味し、「和を以て貴しとす」の「和」を表す言葉です。  「ほつま」は、「秀つ真」(すぐれた誠)とみるのが素直ですが、「ほ(陽・穂・秀)」が「建つ・積む」の意を含むと観ることも出来そうです。生長や成熟の相をもつのは、「ホツマ君」と称えられた「東の君(日の出の君)」トヨケ大神と、「

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その③「ほつま」と「やまと」前編 <91号 平成29年6月>

          【ホツマ辞解】~大和言葉の源流をさぐる~ その②「ひな」と「やつこ」 <90号 平成29年4月>

          ヲシテ文献で使用される大和言葉を取り上げ、今に伝わる言葉との差異や、その言葉が生まれる成り立ち、深い意味、関連する言葉との比較などを探ります。 ***************  三月三日のひな祭りが、ホツマの縄文時代にすでに年中行事(なめこと)のひとつとして定着していたことがホツマ伝承を読むとわかります。その主人公は、「モモヒナキ」と「モモヒナミ」の夫婦神であったわけですが、その「ひな」は、「未だ成熟し切っていないこと」を意味していました。  これは、「ひと」が「一(か

          【ホツマ辞解】~大和言葉の源流をさぐる~ その②「ひな」と「やつこ」 <90号 平成29年4月>

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その① 「ことは」と「ヲシテ」 <90号 平成29年4月>

           ヲシテ文献には、「ことは」と「ことのは」の表現がありますが、 「ことのはなくて」ホツマ1綾 「ほとのことのは」フトマニをやま 「ことのはお」ミカサ として使われる「ことのは」は、文字数を(五七に)調整するために「の」が加えられたもので、原型は「ことは」であると考えられます。  「ことは」は、現在は主に「言葉」と漢字表記されますが、「ば」でなく「は」が、原型でしょう。「口に出したもの」「表現したもの」の結果、成果物が「ことは」です。「葉」は「断片」を表現した漢字表記です

          【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その① 「ことは」と「ヲシテ」 <90号 平成29年4月>

          【ホツマの論点】 アシツ姫はシンデレラか? 創喜 <74号 平成26年8月>

           世界中に継母が夫の連れ子を陰湿にいじめ、自分の子を溺愛するという物語りがあります。  その中で最も有名なものに、ドイツのグリム童話『灰かぶり(フランス語でシンデレラ)』があります。  グリム兄弟は童話集を出すに当たって、16世紀のイタリア人作家、ジャンパテスタ・バジーレの物語り集『ペンタローネ』と、18世紀のフランス人作家、シャルル・ペローの作品を参考にしたということがわかっています。  シャルル・ペローの作品の中に、『灰かぶり』またの題名を『ガラスの小さな上靴』と呼

          【ホツマの論点】 アシツ姫はシンデレラか? 創喜 <74号 平成26年8月>

          【ホツマの論点】 ほろほろと泣く <75号 平成26年10月>

           号泣会見で世界的に(?)有名になった、兵庫県議会議員の野々村某氏は朝鮮系人ではないか、という噂が巷で飛び交っています。  原因は、会見の途中で飲んだコップの水の飲み方が、いわゆる朝鮮飲みだったということのようです。  確かに、そう言われれば会見のVTRでは、口元を隠すようにコップから水を飲んでいますが、これをもって朝鮮系人かどうか、ということは私にはわかりません。  しかし、あの泣き方は、普通の日本人には違和感があったことは確かでしょう。 本来、日本人は人前で声を張り

          【ホツマの論点】 ほろほろと泣く <75号 平成26年10月>

          【ホツマの論点】 「ふとまに」哲理を読み解く <77号 平成27年2月>

           一般的には【「古代の占いの一種。鹿の肩甲骨を焼き,骨のひび割れの形によって吉凶を判断する。「天つ神の命(みこと)以ちて,━に卜相(うらな)ひて/古事記上」】(大辞林 第三版)という理解の範疇にある「ふとまに」なる難語が、ヲシテ文献のひとつであり、正しくは「もとらつたえの文」(序より)を通称する語に由来すると云うことは、ホツマ伝承愛好者のよく知るところである。  その本来の意味は、モトアケに坐す四十九神とその四十八の言霊で表される万象の摂理にあり、陰陽変転のサコクシロすなわ

          【ホツマの論点】 「ふとまに」哲理を読み解く <77号 平成27年2月>

          【ホツマの論点】 紀貫之が知っていたこと 駒形一登 <78号 平成27年4月>

           平安前期の九〇五年に奏上された古今和歌集。その仮名序で紀貫之は「やまとうた」について次のように書いています。『このうた、あめつちのひらけはじまりける時より、いできにけり。しかあれども、世につたはることは、ひさかたのあめにしては、したてるひめにはじまり、あらかねのつちにては、すさのをのみことよりぞ、おこりける』これが事実であるかどうかはさておき、ホツマに親しむ我々にとって、ワカ姫の別名であるシタテル姫とソサノヲが「やまとうた」の祖であるという記述は十分納得の行くものであります

          【ホツマの論点】 紀貫之が知っていたこと 駒形一登 <78号 平成27年4月>

          【巻頭言】 松本先生十三回忌によせて 宮崎和歌子 <79号 平成27年6月>

           今年は松本善之助先生の十三回忌に当たります。  赤坂例会では先生の遺徳を慕う六人が、御命日の四月七日に四谷三丁目駅に集合、松本家の菩提寺・四谷本性寺へ向かいました。  前日の暖かさとは打って変わり、小雨まじりの寒い日でした。  お寺に着いて墓参前の挨拶をすると、住職夫人に招じ入れられました。本堂からは読経の声が聞こえており、なんと先生の奥様がお一人で法要をつとめておいでです。 一同が本堂に入って着座するとほぼ同時に読経が終わり、一人ずつ奥様と御挨拶を交わした上で、ご焼

          【巻頭言】 松本先生十三回忌によせて 宮崎和歌子 <79号 平成27年6月>