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日本酒の熟成酒

「え?日本酒って熟成できるんですか?すぐに飲まないといけないものだと思っていました」

ご来店されたお客様からよく聞くフレーズです。
そうなんです。日本酒って熟成することができるんです。
ただ、全ての日本酒が熟成できると言うわけではありません。熟成に耐えうる強さを思った日本酒は熟成させることができると言うことです。

熟成に向く日本酒

熱燗に向く日本酒は基本的に熟成させることができる日本酒です。
このタイプの日本酒は常温で保存ができます。さらに言うと、抜栓してからもすぐに飲む必要もありません。抜栓してどれくらい経ったかで味わいが良い方向へ変化していくのでその変化も楽しみます。
それを見分ける方法は、蔵の特徴を覚えることです。
精米歩合や酒米などではなく、熟成を前提として日本酒を作っている蔵かどうかがポイントになります。
酒屋さんでこれは熱燗向きかどうか常温保存できるかどうかを聞けばわかると思います。

熟成を見極める

熟成とは単純に1年以上熟成されたものだからもう飲み頃だと言うわけではありません。
3年以上熟成されているから飲み頃だと言うことでもないし、1年熟成くらいでも飲み頃だなと思うものもあります。
これは銘柄によってバラバラだったりするし、製造された年によっても異なります。
それは味見で判断します。

当店では味見をしながら飲み頃になったなと言うものからおすすめしています。

ちょっとマニアックな話↓
まだまだ熟成が足らなくて飲み頃じゃないなと言う日本酒は抜栓して熟成の速度を早めます。
抜栓して空気に触れさせると、抜栓してないものに比べて若干熟成スピードが早くなります。
慣れてくるとこのお酒は抜栓して最低2週間は必要だなと1ヶ月はかかりそうとか判断しています。
抜栓してから飲み頃まで時間がかかると分かっている銘柄はなくなる前に発注して抜栓しておくことで、常に飲み頃をキープできるようにコントロールしています。

熟成酒は全て熱燗にすればいいわけでもない

熱燗に向く日本酒は熟成酒と言っていますが、全てが向いているわけでもありません。
例えば、30年以上熟成された日本酒は常温のままのでもしっかりと香りが立っていて常温のままで飲んだ方がいいものもあります。
そういった日本酒はウイスキーのストレートグラスのようなグラスで常温でお出ししています。
ウィスキーのストレートをゆっくり時間をかけて楽しむように日本酒の熟成酒も楽しむことができます。

ただ少しだけ温めたほうが香りが引き立つかもしれないというときは”ローソク燗”をします。
湯煎だと温まりすぎるので日本酒をグラスに注いでそのグラスごとローソクでゆっくりと温めます。
こういう方法で楽しむこともできます。

日本酒の熟成酒の世界を覗いてみてください

是非1度、熟成酒を味わってみてください。
「これも日本酒なの?」と思われるかもしれません。
実は知らないことが多い日本酒。その奥深さを発信していければいいなと思っています。

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