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第52回イベントレポート『精鋭部隊で突き進むゴツゴツ急斜面の新規開拓』

(writen by YUKI)

2022年11月20日、前日の雨予報通り明け方まで雨が降っていましたが、作業する我々を受け入れてくれるかのように、集合時間にはピタリと雨が止んでいました。秋の終わりと冬の始まりを感じる冷たい空気に迎えられて、総勢7名で森の手入れを行いました。

今回はホタルの会始まって以来一度も踏み入れていない、重要な場所を新規開拓しました。いつもチェックインする森の入口は、山と山の間に挟まれた大くて急な谷筋の一番下に位置しているのですが、その谷筋の中腹が土砂で埋まってきて著しく荒れてきているのです。そのため、これ以上の土砂崩れを防止するために「谷筋の中腹に階段を作る」というのが今回のミッションでした。

朝のチェックインの様子

本日は全員経験者ということで、精鋭パーティーで高難易度のミッションに挑みました。

難所で出会った森の恵み

集合場所の広場から尾根に向かって直上しながら作業場所を目指します。普段整備するよりも大きくて急な谷筋のため、歩いているだけで体に負荷がかかります。足場は大雨の度に流れ出た土砂や岩だらけでゴツゴツとしていて歩きづらく、さらに体力を奪っていきます。

しばらく進むと一面に冬イチゴが実っているエリアにたどり着きました。普段森で見かける冬イチゴより一回り大きくみずみずしくてプルップルな実をつけていました。参加者の一人が味見してみると「めちゃくちゃジューシーだ!」と大喜び。みんな夢中で森の恵みをほおばります。

「なんでこんなに立派で美味しいの!?」という声があがり、みんなであたりを見回してみます。

「わかった、ここは大きな谷筋の真ん中で、お日様がめちゃくちゃ当たるんだ!!」と流石の精鋭部隊の分析力。生えている植物だけでなく、地形や周りの木の生え方はもちろん、降り注ぐお日様や風や水の流れを読むこともお手の物です。

一通りエネルギーを補給して先を目指します。さらに足をすすめると斜面の角度もより一層急峻になり、普通に歩いていてもズルズルと足が滑り落ちてくるほどの登りです。やっとの思いで谷筋の中腹にたどりつき作業を開始しました。

本日の作業内容

・大量の杭づくり
・階段予定個所に杭打ち
・階段用の幅広の足掛かりづくり
・階段仕上げ

まずは階段用に大量の杭が必要です。杭材集め担当が程よい丸太を調達し、杭作り担当がにチェンソー、ミニチェンソー、手のこ、会の備品も総動員で杭を作ります。

次に階段予定個所に杭を打ちます。作った杭を杭打ち担当が二人一組でドンドン打ち込んでいきます。こちらは本日、一番の力仕事ということで、メンズ二人が力を発揮してくれました。

かけやを担当するのは長野の山に育まれた、
ダンティはじめさん。
相方をつとめるのは、
〝森のダンサー〟リラさんです。

最初の一本を地面に添えて力強くかけやをうちこみます。すると、、、ガコンッ!と鈍い音が!

荒れた大きな谷筋ということもあって、谷筋中がフカフカな土ではなく固い小さな岩が大量に埋まっていて、なかなか杭が打ち込まれません。普段よりも相当大変な作業になるだろうなと気合を入れなおして、ガンガン杭を打ち込んでいきます。

急な斜面という事もあり、階段は直上ではなく、なるべくウネウネとした動線になるように杭を打ち込みます。そうすることで、水と土砂の勢いを最大限ゆるやかにする事ができるのです。

階段1段分につき2か所の杭を打ったら次に階段用の幅広の足掛かりを作ります。

普段の足掛かりよりも大きなものになるので剣スコップで斜面を垂直&水平に切ります。勢いよく剣スコップを突き刺すと、、、ガコンッ!!とやはり鈍い音が!ここでも固い小さな岩たちが作業を阻みます。しかしそこは精鋭部隊、これくらいではひるみません。

ホタルの会最強のパワー器具、特大つるはしでガンガン足掛かりを掘り進めます。

足掛かりができたら最後に階段仕上げチームが1段1段丁寧に仕上げています。幅にあう丸太を乗せた後、垂直と水平が出るように土を整えます。段の奥を5センチほど掘り下げ炭を入れ、必要に応じて枝をさし、最後に土のごはんである枝やはっぱを乗せて完成です。

この階段づくりの作業をひたすら繰り返します。足場もおぼつかない急な斜面と固い小さな岩たちが体力を奪いますが、流石は精鋭部隊、どんどん階段ができていきます。

ランチタイム

数段作ったところでお昼休憩の時間になりました。寒くなってきたので焚火で暖をとりながらのランチタイムです。

参加者さんがもってきたドライ納豆をみんなでいただきました。

乾燥しているのにしっかりと味が納豆で白米がほしくなるおいしさです。「美味しくて体に良いというのは今後の日本で重要になるよ。」とみんなの健康意識が高まった時間でした。

そして今日はコーヒーお姉さんおがちゃんがカフェを開店しました。

森を守るために淹れられた、地球にも身体にも美味しい森林珈琲です。

午後からも階段づくりを進めます。相変わらずの劣悪な斜面ですが、どの作業担当も午前中よりスピードがあがりハイになってきました。

作業終了の30分前くらいからパラパラと雨が降り始めましたが、雨にも負けずラストスパートをかける精鋭部隊の面々。過酷な環境にもかかわらず20段近い階段ができました。流石です。流石すぎます。ホタルの会のポテンシャルとパワフルさを改めて感じる事が出来ました。

今日のビフォーアフターの写真

ビフォー
アフター

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ さとみん
「本日の作業は階段仕上げ担当だったが、最初は段を作るために掘れば掘るほど、もともとあった足がかりが土で埋まって見失っていった。作業をすすめるとだんだん「角を作るために垂直と水平を切る」というのが自分の中で見えてきて、「そういう事か!!」と実践して感覚としてわかってきた。それと、今日はめちゃくちゃ体を動かした」

さとみん&はじめさん

♡ はじめ
「沢山作業をしたので疲れた。今日はひたすら杭を打っていたが、かけやがうまく当たるとメチャクチャきもちよかった。杭打ちの作業は昔よくやっていた薪割りやもちつきを思い出した。リラさんと一緒に杭打ちチームとして作業をしていたが、二人の息がどんどんあってきて以心伝心という感覚がわかってきた。階段を蛇行させる方が良いというものわかってきた」

♡ ぽん
「最初はただの崖だったのがドンドン階段になっていったのがすごいなぁと感動した。後半はバテちゃった」

ぽんちゃん&リラくん

♡ リラ
「とにかく今日はいっぱい働いて疲れた。今日は杭打ちチームだったのでひたすら杭を打っていたが、どこに打てばいいかというのがわかってきて楽しかった。いつもは沢を整備することが多いので、森の手入れは違った雰囲気を味わうことができた」

マリーさん

♡ マリー
「過去最高に疲れた。つるはしで段切りを担当していたが、メチャクチャ掘った。作業場所が急なのが大変だった。誰も手を入れていないところを新しく開拓するというのはとても大変だった。普段よくやっている平坦な場所と違って、急な斜面の整備は大変さが全然違った」

主催者ふりかえり

今日はとにかく過酷な環境での作業で大変でした。全員が経験者の精鋭部隊ということもあり、一人ひとりが最大の力を発揮してくれたので予想の3倍以上の階段を作ることができて感動しています。急遽のリーダー任命ということもあり至らない点が沢山あったと思いますが、皆さんのおかげてなんとか乗り切れました。我々が先導して切り開いたこの場所を起点に、森がよりよくなっていく事が楽しみです。

今回のエンディングは階段がテーマの歌を。
クリックすると曲が流れます♪

参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

今年7月から来年6月までは、ホタルの会の新年度になります。
年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。
◎ 現時点で決まっている今後の予定は、

12/21(水)※10:00~15:30
1/9(月、成人の日)※10:00~15:30
 1/20(金)※10:00~15:30
 2/4(土)※10:00~15:30
 2/17 (金)※10:00~15:30 
3/4 (土) 
3/17 (金)

です。
※冬の時期は日が短いため、通常より終了時間を1時間繰り上げて実施します。

年明け以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。

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