見出し画像

第49回イベントレポート『夏〜秋、季節の折り返しもアサギマダラと共に』

2022年10月2日、晴れ。

前回とは正反対のピーカンの青空で、森が迎えてくれました。

森への入り口で谷を守り続けている祠の前では、御彼岸の大役を果たし終えたヒガンバナの上で、キアゲハが長閑にブレックファースト中です。

「写真撮らせてネーっ♡」
掛けた言葉が届いたのか、近づいても全く逃げずに、しばらく留まってくれました。

朝のチェックインの様子

初参加のご夫婦お二人を歓迎して、総勢9人で沢の手入れを行いました。

見渡せば、薄紅のコスモスが、秋の到来を告げておりました。

イベントの受付の様子

沢の支流を登り詰める!

今日は4年前の台風通過の際に、蛇崩れを起こして一夜にして出現した谷の手入れに入り、上にある広葉樹林まで登り繋いでナラ枯れ対策もしながら下山して来る予定です。

イヌセンボンタケかな?、、、美味しそうなキノコが沢山

沢に入ると、美しい流れの景色が、途切れることなく滔々と続いていました。

以前に支流の入り口に掘った池は、涸れることなく今も未だ水を湛えて健在です。
この池には来年、モリアオガエルが産卵に来てくれる予定(願望⁈)です。

と、参加者の一人から突然、歓声が、、
「なんか生きものがいる!、動いてるッ!!」

興味津々の一同
小っちゃくてツブラな瞳がたまらなくキャワユイ!

ヤゴです。
驚きです。
俄かには信じられない大発見です。
一体何を食べて、こんなに成長しているのか?

我々が思っている以上に、環境が変化した時の、生きものたちの復活と定着のスピードは早いのかも知れません。その逆も然りですが。

そろそろ専門家にベントス(底棲生物、ていせいせいぶつ)などの生物調査に来て貰う時期がやって来ているのかなと思いました。

蛇落・蛇崩れの説明中〜

と、そんなことを考えていた時、今度は私の方が歓声を上げてしまいました。

アサギマダラです。

春に北上して行った個体が、秋になるとまた、南下して帰って行く途中です。しばし、観察のために捕獲しました。

ステンドガラスのように透き通る羽根の模様が、見惚れるほど美しい!

そっと手に取ると、逃げようと悶えてピクピクすることもなく、借りて来たネコのように大人しくしているのに感激です(暴れたらすぐ放そうと思ったので)。もしかしたら春に出会った同じ個体が私のことを、、手と手が触れ合った時を覚えていてくれたのかも知れません。
(チョ〜勝手な人間の思い込みですが)

と、だいぶん時間がオシてしまった所で、いよいよ作業に入りました。
支流の上を目指すグループと、登はんはせず沢の本流の手入れをする組に分かれました。

沢組。落ち葉や石を利用して、

モリアオガエルとヤゴの池周りを整えます。

登はん組。前回入った時の足がかりを少し補修しながら、途中まで登り始めました。

以前造作した足がかりは安定しながらも、土が柔らかくなっています。

前回の造作箇所の様子

6/28に途中まで造作した辺りは、水こそ流れてはいないものの、何となく沢らしい風情に変わっておりました。

思ってた以上に急峻。

さらに上を目指します。
私は殿(しんがり)を務めました。

最後の一歩が急過ぎて、「無理無理ぃ!、もう絶対登れないよぉーッ!」との嬌声が次々と上から響いて来ましたが、何とか全員が無事に、源頭に辿り着くことが出来ました!
(実は私だけは最後の最後で身体が持ち上がらず、谷底での登はんを断念してトラバースしてへつってしまいましたが、その際の足がかり造作も山のため、斜面の改善に繋がると自賛しました。だけど、思えば子どもの頃から、いや、今でも〝最後のツメ〟が甘い性分だゃなぁー。でも、、それがいい、夢が続くから!^_^!)

さっそく作業開始です。
足がかりを造作しながら、周囲に散乱している落ち枝などを集め、しがらみを造作しました。

スギの枝がいっぱい
初めての〝しがらみ〟造作
きっちり段切りして炭を入れます
しがらみ初体験チームの面々
初めてとは思えない美しい出来映え!
上級者チームはグングンと急斜面の手入れを進める

一段登ると、広葉樹林に到着しました。

大きなコナラの木が出迎えてくれました。
幹の周りを観察しても、ナラ枯れの要因でもあるカシノナガキクイムシが入った跡は全く見つかりません。

見上げると、青々とした梢枝の葉が、キラキラと輝いておりました。

ランチタイム♪

お昼は、もののけ広場に戻って頂きました。

残暑で日なたにはいられない暑さです

食後の一服準備中。

のどかに、セミが鳴いています。

今日は、お抹茶談義に花が咲きました。

ホタルの会の会員の一人は今、静岡県牧之原市で茶畑を整えています。
茶菓子もまた、ホタルの会の会員数名が千葉県南房州の荒れた里山を環境改善して畑を拓き、ウラナミシジミの越冬を助けるべく豆づくりを始めようとしています。
今日の参加者の中に、美味しい小豆を作るプロと、老舗の和菓子屋さんの御令嬢もいらっしゃいました。
かくゅう私も、茶道で使う楊枝を自作したいと今春、千葉までクロモジの苗木植栽イベントに参加して植樹をして来ています。
〝お抹茶を森で楽しむことが、地球を守ることに繋がる!〟、、そしてそれは、ホタルを呼び戻すことになるのだと、夢が現実に近づき始めるのを感じました。

お茶の先生に弟子入り?

こちらでは染め物の話で盛り上がってます。

ヘナです。

植物が、髪だけではなく、地肌も、そして身体の中までも、人間を健やかにする力を与えてくれるのだそうです。

麗しき、森のヘナ・ガールズ♫


支流源頭に大蛇の潜む穴が!?

午後からは別ルートで支流の源頭部に入って、作業の続きを行いました。

枝の片付けなどを始めていると、何やらヘンな穴を発見!

蛇崩れがスタートした場所
穴。かなり奥まで続いてそう
近景

穴を掘った痕跡の土が見当たらないので、動物の巣とかではなさそうに見えました。

おそらく、太めの地下水脈の出口ではないかと思いました。
東日本台風の直後には、すぐ隣りでも斜面が大きく崩れ、その一番上の所では直径1メートル以上の洞窟のような穴が空いているのを見たことがあります。

大雨の時には、ここから勢いよく水が噴き出すのでしょうか。

大蛇のように恐ろしくなくても、しずかに常に、ここから水が湧いて来てくれたらいいのになぁーと、そんな景色を想い描いて、今日の作業を終了しました。

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ あらちゃん
「今日はとてもハードだったんですけど、自分にあれだけのことが出来るんだ!と思って自信が出てきました。また、これからも続けていきたいと思うのでよろしくお願いします。
あと、珍しいチョウチョが見られて、とてもラッキーでした」

♡ みさちゃん
「あっちゃんと一緒に沢の流れを良くすることができました。とても沢ができていたのでうれしかったです」

♡ けいちゃん
「春ぶりに来て、沢が下まで延びていたので感動しました。久しぶりに山に入って、山登りみたいなかたちでやってたんですけど、それがスゴい楽しくて、、あっちゃんの抹茶も美味しくて、癒されました。ありがとうございました!」

♡ あっちゃん
「今日は足が痛かったので、お留守番をしようと思ってたんだけど、皆んなが楽しそうに笑いながら沢に入っていったのが気になって、行けるとこまで、と思ったら結局たどり着いてしまいました!。自分のペースで沢をゆっくり歩いて登ってったんですけど、下の方の沢がすごい流れてて、水の音を聞いたりを楽しんで、良い一日でした」

♡ みどりん
「今日は沢の水が入り口まで流れていたのが感動的で、ちょっと前からの変化で〝ホントにこんなに流れるんだ〟というのを実感できたのが良かったです。この森のスゴさ、、関わる人たちの共通した想いに守られてる!、、想いが繋がっている人たちと森に入れるというのが何より楽しいなと思いました。だから、学ぶこともあった。良い身体の使い方が出来てきて、いちだんと身体が動くようになった。自分が変わっているのを感じて、今日も勉強になりました」

♡ マリー
「今日は自然の中に居て、最近のテーマとしては如何に自分自身が自然と調和できるか?、ということなんですが、自然を観ていく中で、自然の姿っていうのが、自分自身もそれに合わせるということで自然体であり、無理が無くて、ストレスがなくて自由でいられる、っていうように考えていて、そういう、同じ似たような考え方の人と一緒にいて、楽しく話せて、また同じように生きている草木や虫たちとも出会えて、今日は一日すごく楽しかったです」

♡ さとみん
「今回初参加です。49回目凄い!。朝スタッフが笑顔で迎えてくれて参加してる皆さんもあたたかく、このチームいいわっ!
体験して歩みを進める私としては、この環境が頭じゃなく実践で体験。杜人観て情報はあるけど知識が知恵になる。ヘナをしている私としては改めて毛穴に何を入れるかが大切。あと見えないモノを想像する力。
参加出来て良かったです!また来月宜しくお願いします」

♡ はじめさん
「カミさんに誘われ、ほとんど予習せず、くっついて、初めて参加しました。森の整備?、何するんだろ?、まあ、森をキレイにしてホタルが生息するようにする事は良いことだ!という思いでの参加でした。
森には子供の頃、しょっちゅう入って遊んでいましたが、久しぶりに入り色んな生きものをみることができて、楽しかったですね。森の中に入ってすぐにアサギマダラ、ヤゴ(何年ぶりかな?)に出会い、元々生きもの好きのなので、嬉しかったです。
私が実際に行った作業は、落ちている枝を集めたりアオキを間引いたりること位で、一日を振り返ると、あまり仕事してないなあっていうのが実感ですが、また、11月参加させていただきます。
初めてお会いした人たちに感謝!」

主催者ふりかえり

「今日は朝から、キアゲハを始め様々な生きものに会えて良かったです。アサギマダラは去年の10/3に初めて南下していくのを目撃したから、きっと今日あたりは出会えるかもと期待した通りに来てくれて、とても嬉しく思いました。
また、数ヶ月前に作った沢の水の溜まりが、ずっと干上がらずに、トンボの子どもを育んでいてくれたのにも感激しました。

蛇崩れした谷は、手を入れた箇所に自然が応えて、徐々にですが沢として復活に向かおうとしている気配を感じました。
人が住んでいる所では単に土砂災害と呼ばれてしまう現象も、山の中では自然の営みのワンシーンに過ぎません。もしかしたら今日観察した何本かのコナラが全てカシナガのアタックを受けていなかったのは、谷筋に堆積した土砂を流して、その場所が健全に呼吸をし始め、周囲の土中環境が改善に向かい始めた顕れなのかもしれないと、そんなことを感じました」

↑ クリックすると音楽が流れます。
今日の一曲をアサギマダラに贈ります♪

参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

今年7月から来年6月までは、ホタルの会の新年度になります。
年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。
◎ 現時点で決まっている今後の予定は、

10/18(火)、、ドングリ拾いをやりたいナー
11/11(金) 
11/20(日) 
12/3(土)※10:00~15:30
12/21(水)※10:00~15:30
です。
※冬の時期は日が短いため、通常より終了時間を1時間繰り上げて実施します。

年明け以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?