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第48回イベントレポート『雨の日の沢を観察。水は清く澄み切っていました』

2022年9月24日、雨のち曇り。

関東に台風が最接近して通過していく中でしたが、雨ニモ負ケズ、初参加の方お1人を含む2名の方が参加してくれました。

作業はお空と相談しながら、雨でも安全に出来ることをやることにして、そぼ濡れる閑かな森へと入りました。

空からの贈り物

森の中へ一歩入っただけで、雨の模様がガラリと優しく変わるのを感じます。
空から降って来るのは、雨だけではありません。ゆく道のあちらこちらで、落ちて来たドングリが緑の宝石の様に光っているのを見つけました。

見上げればタケ林の中で、コナラやクヌギたちが子孫を残そうと、梢をゆらゆら揺らしてます。

次回は皆んなでドングリ集めをしようかな?
いつのまにか季節が、秋になっていることを実感しました。

ひときわ太いコナラの様子を見に行くと、ここでもカシノナガキクイムシ(以下カシナガ)が幹に入り込んでいる跡がありました。

貫通ドライバーと炭で手当てを施します

何処に貫通ドライバーを刺すと効果的かは案外と悩ましいのですが、今日の参加者ゆかりんはとても頼もしい鍼灸師!。樹形や周囲の地形を診て、的確に点穴を造作するツボを探してくれました。

最近、ホタルの会には、鍼灸師の方々が何故か続々と集まって来ております。
森の見えない土の中と、人間の身体には、驚く程の共通点があるのだそうです。
それと、これは個人的な直感ですが、森を元気にするためにはインド医学の考え方が一番役に立つのではないかと思ってます。
このことについては、いつか詳しくレポートしてみたいと思います。

点穴造作には、くん炭が重宝します

ゆかりんの発案で、タケで作った杭を刺してみることにしました。

以前に間引いて、ちょうどすぐそばに保管してあったタケを利用します。

一節ぐらいの長さで切り、

まるで鍼治療?!

打ち込みます。
「〝打鍼〟ってゅうのもあるのよ。刺さないで腹部の経絡を打つだけでも五臓六腑から全身まで整えることができるの♡」
とのこと。

固すぎて刺さらなくても打つだけで効果がある⁈

周囲5〜6箇所に打ち込みました。

タケの中に炭を入れ、

〝竹鍼(ちくしん)〟と勝手に命名

落ち葉や小枝を詰めて完了。
来春の、新緑の芽吹きを願いました。

沢登り

沢の入り口まで来ると、透き通った水が音を立てて流れていました。
大雨の直後に増水してるのは何度か見たことがあるのですが、こんなにも水が澄んでいるのは初めてで、驚きました。
今までの造作が積み重なって、表層の土砂流出を抑えているからでしょうか。

雨の時の様子を観察すべく、沢を登ってみることにしました。

注:少し濁って見えるのは前を人が歩いた為

この辺りの水深は、長靴で歩ける深さです。

「ここ、彫りたい!」
雨の中だからこそ、気づけることも多くて、ついつい立ち止まって手を入れてしまいます。

6月に試した新しい造作方法が、しっかり機能している状況を実際に見ることが出来ました。

ゆかりんが7月に手を入れた小さな滝も、見事な景色に変わっています。

最初に沢が分岐する場所では、勢いよく両側から流れて来た水が、美しく合流していました。

4月に手入れした合流地点の様子
左からの流れ
右からの流れ
ここも、あそこも、掘りたくなります

ふと気づいたら、雨が止んでおりました。

すぐ上のベース基地で、お昼にしました。

ランチタイム♪   水の音が心地良い♫

午後からは山の斜面へ

斜面を登ってナラ枯れ対策をしながら、上の作業道に出ることにしました。

去年10月に足掛かりを造作して通したルートを補修しながら登ります。

大きなコナラの木から、枯れて折れた枝が落ちて来ています。遠目にも、カシナガが入って根元にフラス(木屑)が積もっているのが見えます。

周辺では、所どころで林床の土が露出しています。雨が表層の落ち葉を流出させてしまった跡がハッキリと見てとれます。

段切りして炭を撒きました。

点穴を造作します。

手分けして、広範囲に点穴と段切りの造作を施しました。
このコナラは3本の株立ちした巨木ですが、そのうち1本の梢の葉が枯れ始めています。
今日の造作がきっかけになって、回復に向かって欲しいと思いました。

胴吹きの新芽と、可愛らしく顔出すキノコ。
幹の内部では一体どんなドラマが紡がれているのだろう?

かなり登って来た所で、前回ナラ枯れ対策を施したコナラの木と繋がりました。

● 今日までのナラ枯れ対策の記録
8月26日・・・・16本(主に点穴造作)
9月13日・・・・24本(うち4本に複合発酵酵素液を希釈して使用)
・9月24日・・・・7本(うち1本に竹鍼)

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ よこちゃん
「沢を長靴でジャブジャブ登って行ったのが一番楽しかったです。今までずっとやりたかったんですけど安全に出来る場所が無くって。そこそこ水が流れてて、長靴を通して水の冷たさも感じられて、先導してくれる方がいて、っていうのをいつかどこかでやりたいなと思っていたんで、すごい面白くて、やっと夢が叶いました。
あと、足掛かりをつくって登って行くのが、結構な斜面でも長靴で行けちゃうんだ!、というのがビックリでした。普段はスパイク付きの地下足袋を使っているんですが、普通の畑の長靴で大丈夫だった。そこに炭を撒いたり落ち葉をかけたりすることで、自分が山に入ることが山のためにもなる、そういう山への入り方がある、というのを聞けてとても良かったです」

♡ ゆかりん
「今日はナラ枯れのお手伝いを初めてさせていただいて、フェイスブックとかで深刻になってるっていうことは良く見てたんですけど、実際に目の当たりにすると、こんな近くの木がいっぱい危険な目にあってるんだなと思って、何とか復活して欲しいと思いました。
それと、雨の森が初めてだったので、きっと沢の本来の流れというか、皆んなのお手入れのおかげもあっての流れが出来てて、澄んでた水が流れていたのが、大感動でした!」

主催者ふりかえり

「雨の予報だったにも関わらず、長靴と合羽の装備で参加者が来てくれたのが心から嬉しかった。台風の雨雲は、恩方の森を掠めるように東に外れて小雨程度におさまり、結果的には雨の日ならではの森と沢の状況を観ることが出来た上に、昼からは雨も止んで、カシナガにアタックされている木の周りの手入れも進めることが出来ました。参加者の方が、自発的にナラ枯れのことを事前に調べてくれていたり、自分の得意分野の知識を活かして新しいアイディアを出してくれたりするのも頼もしく感謝の気持ちでいっぱいになります。
そして今回、初参加で来てくれた方とは本当にささやかな出会いがきっかけでした。千葉までイベントに行った帰りの駅で知り合い、束の間いっしょになった電車の中で話したことを何ヶ月も覚えてくれていて、恩方の森まで足を運んでくれたということに感激し、あらためて、人との出会いと、繋がることの大切さを感じました」

今回は会員の方が教えてくれた、人との出会いを謳った素敵な曲をエンディング・テーマにどうぞ↓

写真をクリックすると歌が流れます♪


参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

今年7月から来年6月までは、ホタルの会の新年度になります。
年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。
◎ 現時点で決まっている今後の予定は、

10/2(日) 、、ナラ枯れ対策つづき他
10/18(火)
11/11(金) 
11/20(日) 
12/3(土)※10:00~15:30
12/21(水)※10:00~15:30
です。
※冬の時期は日が短いため、通常より終了時間を1時間繰り上げて実施します。

年明け以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。



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