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第51回イベントレポート『最初の一歩を大切に踏み出すのが大切な道づくりの大切さ』

 2022年11月11日、快晴。

澄み渡った秋空の下、総勢7名で森の手入れを進めました。

今日は沢に沿って造作している小道を更に上流へ向かって伸ばしてゆく予定です。

道づくりを進める理由 わ け 

昔から山は、『一日入れば、一日良くなる』と云われているそうです。
ただし、そのためには、山を良くするための、〝入り方〟が、あります。

ヒトが闇雲に山に入っても、踏み荒らして林床を荒らすだけで、下草は踏み躙られ、斜面でズルッと一歩でも足を滑らせれば、剥がされた地表は雨水を浸み込ませずに表層を流して水道をつくり、より一層、山肌を荒らすことにもなりかねません。
自然を思い遣らない無神経な人間の、たった一歩の過ちが、小さなきっかけとなって、大きな災害に結びつく可能性すらあるのです。

逆に、自然の営みに対して謙虚に思い遣りを持ち、敬意と畏怖の念を抱いて、踏み出す一歩いっぽを大切にしながら山に入れば、山は『一歩あるけば、一歩良くなる』と言っても決して過言ではありません。
踏み出す先の一歩に、シャベルかスコップで直角に段を切り、菌糸を呼び込むために炭を置き、周辺の落ち葉や落枝を撒いてから、足裏で感じる土の感触に感謝の気持ちを込めて歩を進めるなら、きっと山は応えてくれる筈です。
この、〝足がかり〟と呼んでいる小さな造作は、自然の営みの中で、ささやかなきっかけとなり、降雨時の表層流失を留め、恵みの雨を大地に染み込ませて、菌糸や、菌糸に引き寄せられて伸びて来た草や木の根を繋ぎ、土中の微生物たちをも育みながら斜面を安定させて、現代の荒廃した森林を、負のスパイラルから希望へのスパイラルへと転換させ始めます。

たとえ、どんなに、ささやかでも、この一歩の足がかりを大切に積み重ねることで、やがては大きな変化を見せてくれるのだと思います。

斜面に通してゆくトラバースの小道は、この〝足がかり〟を横に長く繋げた線として機能するとイメージしていただければ、理解をしやすいのではないかと思います。
面で起き続けている表土流亡を線で止めることで、より広範囲に土中環境が改善され、山全体が内側から元気になって、水涸れた沢に潤いを取り戻せたら、いつかホタルも戻って来るんじゃないかと思うのです。

前フリが長くなってしまいました。
早速、沢へ向かって行こうと思います。

リュックは左右のバランスが良いし、軽く感じるから疲れも少ない、と先日のTVで言ってました。

と、森の入り口に差し掛かった所で何か発見!、皆んなの足が止まりました。

ヤマイモの実です。まんまるで可愛らしくって、美味しそうです。

一粒ずついただきました♪

朝のチェックインの様子

林内では、時折りハラハラと舞い降りて来る落ち葉が、地面を覆い始めていました。
ゆっくりとしたペースでも、止まらないことが大切なんだなと思いました。

広場のテーブル

沢に降ります。

零の沢、入り口

今まで繋いで来た小道を、八月のイベントの時につくった橋を渡って、さらに伸ばします。

遠景

橋のたもとを今日の拠点にして、さっそく作業にかかりました。

今日の作業内容を簡単ですが先にまとめておきます。

人数:大人7人
道具など:
・ヘルメット、7個
・腰道具(移植ごて細型、35cm貫通ドライバー、剪定鋏、剪定鋸)、7セット
・剣スコップ、7本
・唐鍬、2本
・チェーンソー、1台
・電動鋸、2台
・かけや、1本
・セットハンマー、1本
・炭、約60L(くん炭2:消し炭1)
内容:
・足がかりをつくりながら斜面の段切り
(散乱している枝などを片付け、灌木を間引きながら横移動。払った枝は〝しがらみ〟に。太い枝は杭にして利用)〜炭入れ〜落ち葉を被せた。
・造作した距離は約30m
所用時間:約3時間

作業の様子は以下の写真をご覧ください。

ビフォー
先にアフター
かけや初体験
アフター近景

ランチタイム♪

途中、お昼の時間を挟みました。

たぶん、一年を通しても一、二を争う程に快適な気候です。

団欒のひととき、森の女子会みたい🎶
話題は、森と人間の乾燥肌対策について⁈

私は祝島のヒジキを差し入れました。
山と海の繋がりの深さと近さを一人でも多くの方に知って欲しいんです。

炊き込みご飯ほか色々と試してみたけど、
水をかけるだけのこのレシピがイチオシ!

【今日の一句】
水をかけ 十分ほどで 食べごろに

おっと、季語がなかった!
午後の作業に向かいました。

と、別ルートから作業場所に向かっていたら、後ろから誰も着いて来ない!!

林床に何かを見つけたようです。

【リベンジの一句】
急ぐなと 甘い足止め ふゆいちご

一歩いっぽの足元を大切に森を歩くから、こんな出会いもあるのですね!
嬉しい食後のデザートになりました♪

一日の作業を終えて、11.11のポーズで集合写真を撮りました。

帰り間際、参加者の一人が諦め切れずに、水が涸れてしまった池を掘り続けております。

今にも水が湧き出して来そうな予感を胸に抱いて、沢から上がりました。

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ かおりん
「今日は道づくりがメインだったんですけど、なんか開拓者の気分で〝アメリカとかの開拓者って、こんな気持ちだったのかな?〟などと思いながら、美味しいムカゴやイチゴも戴けて、充実した一日でした」

♡ みどりん
「今日は凄く良いお天気で、風もなく、〝森日和り〟を朝から堪能できて良かったです。今日は時間が短く感じて体力が余ってますので、また次回まで貯めておきたいと思います。地道に森に来て、体力が森について来た気がしてます。疲れにくくなっているので、色んな意味で健康になっているっていうのを今日は感じました」

♡ こんちゃん
「今日も山ン中で新しい発見があって良かったです。これからもまた、ちょこちょこ参加しようと思いますのでよろしくお願いします」

♡ ほりりん
「道づくりが最後の方になってようやく何をやってるか分かって来た感じでした。次からはもうちょっと効率的に動けるかなと思いました。ここ一週間か十日位ずっとお天気が良くて、この夏ずっと暑くてなかなか外とか出られなくて、体調がコントロールできないくらいだったので、私は〝これはご褒美のようなお天気だな〟と思ってて、そこに今日の活動がすっかりハマって、晴れた秋の山を満喫できてスゴく良かったです」

主催者ふりかえり

「前回のイベントが第50回という大きな節目だったので、今回は初心に戻って丁寧な造作を心掛けて作業に向かいました。
朝、森に入った途端から、あまりの気持ち良さに包まれてしまい、〝嗚呼、ただ一日中、何もしないで過ごすのもアリだなぁ〟などという気持ちも湧き上がって来ましたが、作業をしてても終日心地良い気候でした。
小道づくりは基本中の基本で、ともすれば単調な作業になってしまいますが、常に初心を忘れず、造作の意味を忘れずに臨むことで、いつも新たな発見と楽しさがあります。
コツコツと積み上げて続けてゆくことが、何より大切なことなんだと改めて思いました」

画像クリックで今日のエンディング曲をどうぞ♪


参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

今年7月から来年6月までは、ホタルの会の新年度になります。
年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。
◎ 現時点で決まっている今後の予定は、

12/3(土)※10:00~15:30
12/21(水)※10:00~15:30 
1/20(金)※10:00~15:30
 2/4(土)※10:00~15:30
 2/17 (金)※10:00~15:30 
3/4 (土) 
3/17 (金)

です。
※冬の時期は日が短いため、通常より終了時間を1時間繰り上げて実施します。

年明け以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。

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