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230219 本屋という体験/コーヒーの話

■本屋という体験の話
本屋が好きだ。
特に古本屋・古本市めぐりが趣味である。
古本屋の中でも、旅行や歴史、料理など何かのジャンルに特化している店舗が好みで、そういう意味では最近増えている、思い思いに選んだ本を並べている「小さな本屋」(新刊を取り扱うお店・もしくは新刊と古本をミックスさせたお店)も好きだ。
最近なかなか時間が取れず本屋に立ち寄れなかったけど、昨日ひさしぶりに京都一乗寺にある「恵文社」に出かけた。
恵文社には、京阪電鉄の出町柳駅まで行き、叡山電車に乗り換えて一乗寺駅まで3駅、というのが一番スムーズだ。出町柳駅の乗り換え途中には京都の名物パン屋「SIZUYA」もあるから、カルネやカスクートも道すがら買える。食べながら電車に揺られるのもいい気分になれておすすめである。
恵文社は、雑貨屋・ギャラリースペースと本屋スペースとが分かれており、その間を広場のような中庭のような、不思議な裏道が繋いでいる。
本屋はそれはそれは広く(小さな本屋基準で言うと)、ざっと見て回るだけでも1時間くらいかかる。タイトルを見ながら、立ち読みしながら回ると、2時間くらい普通にいる。腰が痛くなるレベルである。
でも、日々の慌ただしい生活の中で、このただ本のタイトルを追い続ける、という行為が時たま恋しくなる。
あ、この本前にAmazonで見てほしいものリストに入れっぱなしになっていたやつ。
あ、これは古本市で見つけたら買おうと思っていた本。
この作家、どこかで見た、なんだっけ…
ああ、このバックナンバー探していたんだよな。
奥底で消えかけていた記憶を掬い上げるような感覚。装丁の美しさ、工夫を見るだけでも面白い。
今回も、なんだかんだと2時間ほど時間をかけてしまった。
我々夫婦は一緒に本屋に向かうが、店に入るとなんとなーくの雰囲気で散り散りになる。
しばらくして満足すると、相手を探し、何を見ているのか覗き見しつつ合流するスタイルだ。
昨日は夫が先に私のところへ来た。そして私が手にしていた本を見て、「同じようなやつ手に取るね」と言った。
何気ない一言だったけど、なんとなくうれしくなった。夫婦になるとそういう趣味も似るんだろうか。そんな話をしつつ、いくつか本を買い、次なる本屋へと出発した。
そしていくつかの本屋を巡り、かくして「本屋体験」は無事果たされたのだった。
ありがとう、一乗寺。

■コーヒーの話
本とコーヒーとドーナツ、というのはなんとなくセットな感じがする。
村上春樹さんの影響だろうか。
私の家では週末の朝コーヒー豆を挽くのだが、平日は1杯分のドリップバックを愛用している。
だから、豆を挽くという行為は休日の象徴のような感じがして、少し特別感がある。
しかし今朝は喉の調子が悪かったから、豆は挽かずアーモンドミルクに蜂蜜を入れて飲んだ。
それはそれで美味しかったのだが、なんとなく損した気分で、肩透かし感があった。
家事や散歩などあれこれした後、夜ご飯を食べた後になって、コーヒーでも飲もうか、と何の気無しに提案すると、夫がじゃあ豆挽こうか、と追加提案してきた。
夜に、豆を、挽く!
特別感+α感。何となくではなく俄然豆を挽くしかないという気持ちになって、いそいそと豆を挽いた。
マシンがガガガガと音を立てるのを聞きながら、じっと削れていく様子を眺めた。
小さく小さく積もっていく粉を見ながら、ふわっといい匂いがする。なんとも贅沢な時間だった。
次はここにドーナツがあれば、もっとサイコーだろう。

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