【連載小説】こころの檻は二度開く⑩
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ナマケモノが排便するためにわざわざ地面に降りる理由について思いを馳せながら、他にもいろいろな動物を見て回り、ようやく象の檻の前に到着した。檻の前には何組か人がいた。ほとんどが親子連れで、まだ4、5歳くらいの男の子が象を指差してはしゃいでいる。
洸は遠くからぼんやりと象を眺めた。象は人の目なんて気にせず、ゆっくりと尻尾を振って歩いていた。洸は昔から体が大きい動物が好きだった。他を圧倒するような体格なのに、そのほとんどは草食だからだ。水中