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雲ひとつない青空、元気

すぐものを失くす。

2018年のラデュレのクリスマスコフレだったポーチとその中に入ったシャドウとチークのパレット、今年の引越しで、華奢で可愛くて、それでいて強い青みがかった鮮やかなピンクのリップも唯一残っていたのに遂に失くした。

朝、泣いて泣いて泣いて泣き続けて、読むと落ち着く本をやっぱり泣きながら探す

読むと落ち着くから、いつも見えるところに置いていたのに。
ものが多すぎて部屋が散らかっているからすぐものを失くす

泣きながら、機嫌をとらねばとお風呂を洗って沸かす

ほぼ毎日のようにダラダラと長電話に付き合ってくれる長年の友人に「もう諦めようかなって思ってる」と言ったら「今読めってことじゃないのかもしれないしね」といつものサバサバして賢い、優しい返事がかえってきた。「そうだよね」と返す。

話しつつ玄関先で煙草を吸いながらまたぼろぼろと泣いてからベッドに腰掛けてまだおしゃべりを続ける。

見覚えのある本の背が積み上がった料理本の間に挟まったのをふと見つけたときには、涙はすっかり乾いていた

「あった」「よかったねえ」明るい声。
友人はお母さんと言い合いをしながらお子さんに靴下を履かせ、彼女の地元のお友達に会いに出かけて行った。

失くしては諦めて、たまに忘れていた頃にまた見つけて

諦めるのはずっと上手だ

喪失についての その本を持って散歩に出かけた
知らない落ち着く洒落たカフェでこの記事を書いている

「というか 初めから手に入れていなかったのかも」

本の冒頭の一部

そういうことかあ。

それなら全部、ずっと諦めていられるな

可愛いくまのマカロンがレジ横にあったから買って帰る

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