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軽い読書生活 『ひどい民話を語る会』など

※2024年1、2月頃の読書記録です。
※十冊前後まとめて書いてます、一冊につき長くても三百字程度。
※気軽にお読みください。この記事を読んでくれたあなたが、面白い本と出逢えますように。
※他の読書記録はこちらにまとめています。


読書記録 1冊~5冊め

★京極夏彦、多田克己、村上健司、黒史郎『ひどい民話を語る会』 2022年、KADOKAWA
2024年、明けてからいろんなことがありました。私はそれについて語る資格はないので語らない(ただ、金沢は第二の故郷なので今年中に観光に行けたらと思う)。
とにかく、明けてから最初に読破した本がこちら。
タイトル、『ひっっっっどい民話を語る会』くらい力んでも良かったかも。民話って、別に啓蒙のための作品じゃないんだよ。電車では読むな、笑うか
ら。


☆紅玉いづき『今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる』2023年、ポプラ社
二部作のうちのひとつ、もう片方は年が明ける前に読んだ。
本当に、少女を書くのが上手い人。紅玉さんの少女には芯がある。折れたり曲がったりしない、わけではなく、折れたり曲がったりしても、それでもまたすっと真っすぐに戻るような。
やっぱりアンデルセンが好きだ、永遠をちょうだい。


★阿久津隆『読書の日記 予言 箱根 お味噌汁』2023年、NUMABOOKS
年末からちまちま読んで無事読了、本を読む店『fuzkue』店主の日記。なにげに全巻買っている。読んでいて心地いい。
私は阿久津さんを知らないが(『fuzkue』に行ったときに顔を合わせた可能性はある)、だからこそ心地いいのかもしれない。距離が遠い人の日記って無性に楽しく読めるとき、あるよね。

☆小津夜景『いつかたこぶねになる日』2023年、新潮社
本屋で見かけてずっと気になっていた。文庫を買って、喫茶店のモーニングを食べながら読んだ。漢詩と聞くととにかく固いイメージだけど、この本は朝、ジャムをたっぷり塗ったパンでも食べながら読むのにぴったり。
とりあえず、本屋で『はじめに』だけでも立ち読みしてみて欲しい。漢詩なんてひとつも知らなくても、この本が読みたくなる。

★紫式部『源氏物語 1』角田光代 訳 2023年、河出書房新社
2024年の大河だし、ちょうど文庫版刊行中だし、そんな軽い気持ちで読んだけど、めちゃくちゃ読みやすくてびっくり。
『源氏物語』については大まかなあらすじと登場人物は知っているが、そんな中途半端な知識を持ってると、余計に物語を楽しめるか心配だった。途中で飽きちゃいそうで不安だった。
全然飽きなかったし、楽しめた。これ、バリバリ面白い小説じゃん。2巻も買おう。


紙袋ブックカバー①

紙袋を折る。ブックカバーを作るため。

大学生のとき、母がカルディの紙袋でブックカバーを作っているのを見た。ハロウィン仕様の紙袋が変身したブックカバーは、めちゃくちゃ可愛かった。

私は鶴も折れないくらい不器用だが、ブックカバーを作るために、紙袋を解体して、そして折る。
商品を買うとき何十円かプラスして払って、可愛かったりオシャレだったりする紙袋を手に入れ、ふと思い立ったときにブックカバーを作る。

見た目は不格好なお手製ブックカバーだけど、意外にも保つ。
五年以上前の、Francfrancの紙袋ブックカバーがお気に入り。クリスマスローズが毒々しく咲いていて、オシャレなんだ。


読書記録 6冊~10冊め

☆サラ・ピンスカー『いずれすべては海の中に』市田泉 訳 2022年、竹書房
表紙からして幻想的で、ずっと気になっていた本。短編集。
SFと幻想小説のはざまをゆらゆらしている感じの読み心地。私はブラッドベリを感じた。
一番好きなのは表題作ではなく、男でも女でもない子が主人公の、セイレーンの話が幻想度高めで、美しくて、さびしげで、好きだった。セイレーンも、そういえば海の化け物だね、下半身鳥だけど。

★紫式部『源氏物語 2』角田光代 訳 2023年、河出書房新社
源氏、いろいろあって都落ちの2巻。ほんとにさらさら読めてすごい……これは54帖分の現代語訳、読破できるんじゃないかな!
源氏のお兄さん(ただし母親が違う)の朱雀帝、とてもお優しく、なおかつ不憫属性をお持ちでとても好きなんですけど、彼に関する本とか探したら出ていませんかね。

※朧月夜という朱雀帝の寵愛を受けた女性がいます、この人は源氏とも恋愛関係にあります。で、朱雀帝が怒ったかというと……「心が通じ合うのもおかしくない二人だし」と怒らない! 怒っていいよ!? 

☆間武『日常を袋詰めにして、海に捨てた罪』2009年、コシーナブックス
三行詩。本屋で見つけて衝動買い。
タイトルがいいですね。ちなみに私は夢野久作も好きだがドグラ・マグラは読んだことがない、そのうち読もう。
詩は、『俺』と『おまえ』の艶やかな絡み合いが中心。男と女の肉体が瞼の裏にちらつく、たった三行で情景が浮かぶ。どきどきする。

★ラテン語さん『世界はラテン語でできている』2024年、SBクリエイティブ
私はラテン語=学名の人間でした。
だから、ラテン語のニュースがあったり、ラテン語を話すコミュニティがあったり、いろいろと知らない話がたくさん出てきて、飽きることなく読めた……文法がどうちゃら、って話じゃなくて、ほんとにラテン語の世界に誘ってくれるような書きっぷり。

あと、ヤマザキマリさんと著者の『ラテン語さん』さんの対談が載っていたのですが、話者が『ヤマザキ』と『ラテン語』になっていてツボりました。
ヤマザキマリさん、ついにラテン語そのものと会話をできるようになった……?

☆『新短歌教室の歌集 1』2021年、ナナロク社
転職が決まって、仲の良い先輩からプレゼントいただいた本。
先輩は「短歌は癒される」と言っていて、それはとてもわかる、と思った。
詩や短歌を読み始めたのは社会人になってからで、それは長い小説や専門書を読むにはどうも心も体も疲れている日が多かったから、かもしれない。
短くて豊かな言葉たち、疲れ切った夜やどしゃぶりの雨の日の癒しとして、私の中でとても、しっくりくるんだ。


紙袋ブックカバー②

2024年のスタバの桜モチーフの紙袋、とても可愛い! あまりに可愛かったので記録する。

私の前世は桜の木につく毛虫だった。だから、私は桜味のものが大好きで、スタバの桜なんここ数年、絶対に飲んでいるんだけど……去年の紙袋、こんなに可愛かったっけ? 
今年は紙袋だけ売ってくれてもいいですよ、スタバさんの言い値で買うから!

貰った一枚の紙袋を見下ろしながら考える。
桜柄、可愛すぎる。どの本のブックカバーとして再利用しようか? 悩むなぁ、だって、可愛すぎるからなぁ。

答えはまだ出ていない。
紙袋は紙袋のまま、我が家にある。


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