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【読書日記】結婚とわたし

オットと結婚したとき、私の家事負担は激減した。

それまでは両親、弟、弟同様に育った従兄弟と私、成人5人分の家事を引き受けていたのが、結婚後はオットと私の2人分の家事になったのだから楽勝である。

しかも、私の家事歴は12歳から始まっているので、新婚だけど家事歴22年、成人した子どものいる親くらいの家事レベル。

さらにオットは一人暮らし歴10年超えで、家事全般をマスター済みだった。我が家は家事に関しては2馬力。家事のパワーカップルと言えるかもしれない。

オットの場合、義母がお世辞にも家事や家族のケアに長けているとは言えない人だったことが、人間万事塞翁が馬的に、上手く働いたというのもある。自分でやった方がマシだと悟って、実践したから。

ただ、オットとの間で家庭内男女平等で揉めるのは、オットが義母のさまざまな理不尽を耐えてきた結果として築いてしまった価値観、「女性とは話し合いが成立しないので、逆らわず、黙って従った方がいい」のせいなので、上手く働かなかった部分もある。

お義母さんはかなりエクストリームなキャラクターなので、お義母さんを全ての女性の基準にしてはならぬ……。

オットには「それはソフト男尊女卑で、女性を話し合いのできない生き物だと決めつけて馬鹿にしている」と折に触れて伝えて、私達は結婚以来、ずっと話し合いを続けてきた。

話し合いとは、相手を言い負かすことではない。

コンセンサス(我が家の場合は「夫婦とムスメで幸せに暮らしたい」)をもとに、どうすればより良い方向に進めるか、知恵を出し合うことだと思う。

うちはたまたま家事という、家庭内男女平等問題のメジャーなエリアでは揉めなかったけれど、マイナーな攻防はいくらでもあったし、今もある。

結婚19年目でもまだあるんかい!

未婚の人はそう思うでしょうが、夫婦の関係は常に変化し続けるので、更新や調整は必要なのです。

たゆまぬ対話の努力をしてまで関係を続けたくなくなったときは別れのサイン。

ま、それは夫婦に限らないけど。

山内マリコさんの「結婚とわたし」が面白かった。

同棲から結婚前後のあれこれ(モヤモヤとかドタバタとか)にまつわるエッセイなのだけれど、山内さんのエッセイが洒脱で愉快なのはもちろん、単行本化の際に加わった旦那様の言いぶん、さらに文庫化にあたって書き加えられた現在の山内さんからの後日談(ツッコミ)とあわせて読むとさらに面白いのだ。

なぜなら山内さんと旦那様の変化がよく分かるから。

夫婦は夫婦になったからといって、そこで完成されるわけではなく、ともに成長することでしか「末長く幸せに暮らしました」にはならないのだなあとあらためて思ったのだった。


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