見出し画像

「キル・ビル」に出会い直した。

映画をしっかり観るようになって、たびたび耳にする名前がクエンティン・タランティーノだ。

新作を出したわけではない。前作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」から間もなく5年が経過しようとしている。新作の噂もどうやら立ち消えてしまったようで、映画ファンの気を揉んでいる。

なのに、何だか気になる存在。「監督の名前だけで客を呼べる」という稀有な存在であることは間違いない。

*

久しぶりに「キル・ビル」を再鑑賞した。

僕が大学生になった2003年10月25日に公開され、日本でもスマッシュヒットを記録。日本も舞台のひとつに選ばれ、千葉真一さんや栗山千明さんも出演したことが話題になった。布袋寅泰さんが手掛けた「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」は、映画が最も盛り上がる場面で使われ、映画の印象度を決定づけている。

「キル・ビル」は冒頭に、同年に他界した深作欣二への思いも綴られている。日本の作品からのオマージュがふんだんに盛り込まれているようで、とりわけ映画マニアの間で評判が高い。

だが、僕が「キル・ビル」のことを強く憶えているのは、別の理由だ。

大学生のとき、友人がデートで鑑賞した作品として「キル・ビル」を選んでいたからだった。こんなにも流血がすさまじい作品をデートで鑑賞するなんて、どうかしてるぜ!なんていう印象が強い。(ちなみに僕も半年後、映画館デートをするのだが、そのときは草彅剛さん主演の「ホテル ビーナス」をセレクトした。友人のチョイスの悪さを反面教師にしたつもりだったが、内容がデート向きだったかというと疑問である……)

久しぶりに鑑賞した「キル・ビル」は、想像以上の流血だった。

腕はもげ、目玉はくり抜かれ、首はガンガン刎ねられる。顔はそのままだが、脳から上が斬られるというシーンもある。

ユマ・サーマン演じる主人公が“復讐心”を燃やすに至るシーンの熱量。「復讐」って、なぜ映画において重要なモチーフなんだろうか。(ちなみに「復讐」が映画において“面白い”理由は、Netflixドキュメンタリー「映画という文化─レンズ越しの世界─」のエピソード2を観るとよく分かります)

物語の筋も忘れていたので、新鮮な気持ちで再鑑賞できた。

プロダクション・デザインも、20年前とは思えない格好良さだった。随所に、当時僕が見逃していたクールな部分を発見できたことが嬉しい。

名作に「出会い直す」という感覚だ。良い作品は、何度も繰り返し鑑賞することで新たな発見がある。

そして、やっぱり僕も、タランティーノの次回作が楽しみな映画ファンになってしまったようだ。

──

「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」も久しぶりに聴きました。

今でもテレビ番組で起用されることがありますが、改めて「キル・ビル」を観直すと、世界観にバッチリ合った素晴らしい楽曲だと分かります。

#映画
#映画レビュー
#映画感想文
#キル・ビル
#クエンティン・タランティーノ (監督、脚本)
#ロバート・リチャードソン (撮影)
#種田陽平 (美術)
#デビッド・ワスコ (美術)
#ユマ・サーマン
#ルーシー・リュー
#千葉真一
#栗山千明
#布袋寅泰
#BATTLEWITHOUTHONORORHUMANITY
#映画という文化
#映画という文化レンズ越しの世界

この記事が参加している募集

映画感想文

記事をお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただくのも嬉しいですが、noteを感想付きでシェアいただけるのも感激してしまいます。