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長野県富士見町で、「おしゃべりできる映画上映会」を開催します(5/14(日)13:00〜)

長野県富士見町にて、「おしゃべりできる映画上映会」を開催します。

上映会は、富士見町公民館と共催になります。参加条件は「富士見町在住、在学、在勤の方」とかなり絞られてしまうのですが、もし知り合いの方がいれば、本noteを紹介いただけると嬉しいです。

なぜ映画上映会を開催するか

2022年4月から、富士見町で開催されているワークショップ「ignite!」に参加しています。

ignite!は、年齢、性別、居住地、職種やスキルなどが異なる人たちが集い、自分たちの関心ごとや好奇心に沿ったテーマ、アイデアをもとに新しいプロジェクトを共創していくワークショップです。僕も月に一度、東京から富士見町を訪ね、あ〜だこ〜だ議論を続けていました。

僕が実現したいと思ったのは、映画上映会。

東京と違い、地方は映画館の数が限られています。

長野県はわりと豊かに映画文化があるエリアなのですが、富士見町を含む「南信エリア」は、映画へのアクセスが良くありません。そんな地域に住む、とりわけ若い世代に「いい映画を届ける」ための企画を考えてきました。

映画コンプレックスだった、10代の自分

お前は誰だよ?という声が聞こえてきそうです。

僕はTOITOITO代表の堀といいまして、会社では映画テキストサイト「osanai」の運営を行なっています。

僕はもともと映画コンプレックスを抱えていました。

映画は2時間という長尺のメディアです。じっとしていることが苦手な僕にとって、映画は長く、観るに値するものだと思えませんでした。家族みんなで「金曜ロードショー」を観ている時間も、ひとり別室に逃げてしまうという有り様。

当然、映画に関する知識は皆無でした。

・映画を2時間鑑賞し続けるのが苦痛
・映画に関する会話についていけず、つらい
・どんな映画を観ればいいのか分からない

ざっくりいうと、これだけの「映画を観ない」理由がありました。(ジブリ作品でさえ、観れるようになったのは20代に入ってからです)

そんな僕ですが、歳を重ねるにつれ映画の素晴らしさに気付くことができました。それは上記noteに詳しく記しています。映画は、総合芸術のひとつの形として、鑑賞する価値が非常に高いフォーマット。今はブレずに断言できます。

映画を観る「きっかけ」をつくる

映画コンプレックスだった僕だからこそ、映画を観る「きっかけ」の大切さを知っています。

「きっかけ」がなければ、人はクローズドなコンフォートゾーンに留まってしまうもの。

とはいえ、大人がいくら「この映画は面白いよ」と勧めても、高校生にとっては「知らんがな」という感じでしょう。実際、Amazon Prime VideoやNetflixにはたくさんの作品で溢れています。というか、そういった有料サービスを使わずとも、YouTubeやTikTokで暇をつぶせるコンテンツは山のようにあります。

こんなに「わざわざ映画館で映画を観る必要がない」と思わせてしまう時代はなかったのではないでしょうか。

それでも高校生にインタビューをして、「きっかけさえあれば、映画を観る」可能性があると分かりました。

いくつかの試案をぶつけたところ、一番興味を持ってもらえたのが「おしゃべりできる映画上映会」。色々なルールや制約がある映画館はハードルが高い、友達と談笑したり、気軽に出入りできるような雰囲気の場所で、リラックスして映画を楽しみたいというニーズが見えてきました。

ということで、「おしゃべりを楽しみつつ、ちょっとだけ映画を深く味わえる」ことをセールスポイントに、映画上映会の企画を作ったという次第です。

誰もが自由に文化に触れ、文化を共に創り続けていく未来へ

今回は、富士見町でつながった縁を生かし、富士見町での映画上映会を開催しています。

個人的には、この取り組みが上手くいけば、他の地域でも展開できるのではないかと考えています。

例えば、山梨県と高知県には、県内で映画館がふたつしかありません。どちらも訪ねたことがあり、素晴らしい県でした。そこに「映画にアクセスできる場所」が加われば、もっと魅力が増すはず。

僕と同じような思いを持った人たちと共に、「映画を届ける」プロジェクトを作れたら最高だと思っています。

このプロジェクトが志向するのは、「誰もが自由に文化に触れ、文化を共に創り続けていく未来」です。

文化に触れる(インプット)と、文化を創り出す(アウトプット)の両輪を回す。その営みにこだわりたい。そのふたつがシナジー効果を生むことで、いい未来がつくれると思うのです。

おしゃべりできる映画上映会、上映作品は「アプローズ!」

だいぶ終盤ですが、「おしゃべりできる映画上映会」の開催概要は以下の通りです。

日時:2023/5/14(日)13時〜(16時終了予定)
場所:長野県富士見町コミュニティプラザ AVホール
上映作品:アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台
ゲスト講師:村中由美子さま(白百合女子大学 文学部 フランス語フランス文学科 准教授)

上映作品は、実話をもとにしたフランス映画です。近年のフランス映画は「難しい」ばかりではありません。「アプローズ!」も例外でなく、非常にカジュアルで、テンポ良く物語が進んでいきます。

一方で、「自由とは何か」という、非常に普遍的なテーマを扱っています

登場人物の多くは重犯罪をおかした服役囚ですが、彼らを「悪」と一概に捉えることができないような複雑な事情を感じてしまいます。(もちろん、そのようなキャラクター設定をさせているわけですが)

自由とは何か。
善悪とは何か。
ひとつのものを「つくりあげる」意義は何か。

「ゴドーを待ちながら」という、サミュエル・ベケットによる戯曲を服役囚たちが演じます。しかも半年で。そんなチャレンジを、演劇の素人たちが本気で取り組んでいく。そのプロセスや情熱に、誰もが胸を打たれることでしょう。(だからこそ、ラストシーンの驚きは計り知れません)

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でも、例えば僕が高校生だったとして、数ある作品の中から「アプローズ!」を選ぶかといったら、なかなか難しいでしょう。

「自分とは関係のない話だ」と決めつけ、鑑賞に至らない可能性が高いように思います。(それはプロモーションの問題でなく、2023年という時代は「きっかけ」の設計がとても難しいという構造的な問題を抱えているからだと思うのです)

でも僕は、この映画こそ、特に若い世代が観るべき作品だと確信しています。

参加してくれた人が、ひとりでも「ああ、観て良かった」と思える空間を作りたい。1週間を切ったタイミングですが、ラストスパートの告知に精を出したいと思います。

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とはいえ、なかなか富士見町に来られる方ばかりではないかと思います。

このnoteで「アプローズ!」に関心を持たれた方は、ぜひ配信などでもチェックしてみてください。(見放題配信はないですが、Amazonでは有料配信で鑑賞することができます)

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ということで、映画上映会のお知らせでした。興味があり、アクセスできそうな方はぜひお越しください!

映画上映会のチラシ

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