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1分間スピーチ

小学校の頃、毎週月曜日だったか、ふたりくらいが前に出て1分間スピーチをする時間があった。

これがけっこう難しく、みんな「何を話そうか」とネタ探しに必死だったと記憶している。タイミング良く旅行にでも行っていれば、そのことを語れるのだけど、日々の生活において(だいたいみんな週5で学校に通っていた)、特筆すべき出来事は発生しない。

だが、この1分間スピーチがべらぼうに上手な同級生がいた。

彼が語る話は、ほんと〜〜〜〜に、身近で誰もが目にしていることだ。なのに、彼が語るとめちゃくちゃ生き生きして面白くなる。彼は普段、おしゃべりなタイプではなかったのに、1分間スピーチのときだけ、ステージ上の一流ピン芸人のように輝き出すのだ。

今となっては、どんな話をしたのか憶えていない。普段の彼はおしゃべりでないにせよボソッと面白いことをいう男ではあったが、特別に目立つ存在ではなかった。

でも、彼の存在感は今でも憶えている。あの話芸は、本当にすごかった。彼が喋ることは「面白い」とみんな期待している。でもそのプレッシャーに全く動じることなく、やっぱり「面白い」話ができるのだ。あれ、まじでいったいどうやって作り出していたのだろう。

ああいうスタンスで、僕もnoteを書ければなあと思うのだけど、未だに「超面白いネタないかな」と肩肘張ってしまうのだ。昔から、こればかりは変わらないし、変われない。

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