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「アートをレンタルする」というアイデアで、社会にアートを広げていく

「アートをレンタルする」というアイデアは、アートをきっかけに色んな可能性を生むポテンシャルがある。

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「BRUTUS」編集長・西田善太さんがパーソナリティを務めるTBSラジオ「見事なお仕事」で、アートテクノロジーズ株式会社の代表・居松篤彦さんがゲスト出演されていた。

アートテクノロジーズは2019年1月創業で、オフィス・店舗等のBtoBに特化した「アート販売・企業向けサブスリプション事業」が主力事業だ。その他に「アーティスト支援事業」「オフィスコーディネート事業」「個人向けコンサルティング事業」など、幅広く事業を展開している。

もともと会社に所属しているキュレーターがアーティストとのコネクションを持っているようで、IT技術以外だけでなく、業界内の知識やノウハウなどの面からもバックアップできる点が強みなのだろう。

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ラジオでも紹介されていた「OKIE」は、月額1万円〜という低予算で、オフィスや店舗にアート作品をレンタルするサービスだ。

例えばホテルを創業したとする。

お客さんの滞在価値を高めるためにアート作品の掲示を着想するも、全ての部屋にアート作品を飾るには、初期費用負担が重荷になる。

しかしOKIEのように月額1万円〜、作品貸出が可能であれば、その重荷は一気に解消される。100部屋以上あっても予算を抑えた形でプランニングが可能だ。レプリカでなく「本物の」アート作品に触れる機会は、お客さんにとってもかなり価値の高い体験ではないだろうか。

OKIEが更に面白いのは、添えられたQRコードから誰でも作品購入が可能という点だ。掲示されているアート作品に一目惚れしたり、何度も目に触れることで愛着を持ったり。

「アートを購入したことがない」層に向けてきっかけを作り、アート購入に至るまでの膳立てをする取り組みと言えるだろう。

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アート作品を買うのは敷居が高い。価格も気になるしどこから購入すれば良いか分からない。偽物を売られる不安もある。

そんな感覚もあり、日本において、アート作品を購入する人は一部に限られている。そこを「まずはレンタルから」というオプションを提示したことは、きっかけとして有効になり得るだろう。

OKIEは「アートのある空間でコミュニケーションを創出しながらアーティストを支援し、さらに社会にアートを広げていける新しいアートレンタルの形」と謳っている。

アート領域における「三方よし」のビジネスモデルとして、日本のアートシーンに新風を吹かせてほしい。

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