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西武とスタートアップのコインロッカー

全然、伊坂幸太郎さんっぽいタイトルにならないですね。苦笑

コロナ禍はさておき、特に首都圏では駅は必ず通る場所です。西武のように、自社資産を使える「駅ロッカー」に着目した新規サービスはかなり筋が良いと思います。

また、BOPIS(Buy Online, Pick-up In Store)もますます注目を集めそうです。

日本国内では物流がものすごく優れたネットワークになっているので、ECにおいて不便を感じることはほとんどありません。

「オフィス着く前にスタバで何か買いたいな」とか「取引先の訪問前に手土産を買いたいな」というようなシーンで、サービスとしてのBOPISが取り入れられているとお客さんにとっては便利でしょうね。アフターコロナで人出が戻っていくにつれ、当たり前のようにサービス化していく気がします。

野球ファンとしては、埼玉西武ライオンズのホームゲームと連動させるのも面白いんじゃないかと考えてしまいます。来場者は抽選でスペシャルなグッズをもらえるとか。「内容は開けてのお楽しみ!」という演出もできそうです。

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西武ホールディングはインターネットネット上で購入した商品を、西武鉄道各駅に設置した専用ロッカーから受け取れる新サービス「BOPISTA」を発表した。2/8(月)から3月末までサービスの実証実験を行なう。

TechChrunchの記事によると、BOPISTAは複数の関係者によるプロジェクトのようだ。

BOPISTAは鉄道会社と百貨店に加え、スマートコインロッカーのスタートアップが参加するオープンイノベーションの取り組みだ。西武ホールディングスの新規事業開発を担う部署「⻄武ラボ」を主体に、そごう・西武(セブン&アイグループ傘下)、ロッカーの運用と管理を担うセントラルオペレーション、スマートコインロッカーを開発するスタートアップのSPACERが協業している。
(TechCrunch Japan「ネット注文したデパ地下スイーツを駅ロッカーで受け取り、西武の新配送サービス「BOPISTA」」より引用)

サービス概要は、

・専用サイトで商品を注目、品物を受け取る駅を指定
・注文から3時間後には、指定した駅のロッカーに品物が届く
・都合の良い時間に受け取りに行く
・コインロッカーの解錠はスマートフォンで行なう
・専用ロッカーは「一時預かりのロッカー」と兼用しないため、衛生管理もきちんと行なわれる

という感じだ。

とりわけ日本では、衛生面に関しては一定のサービスレベルが求められるので、通常のコインロッカーと併用しないというのは妥当な判断と言える。

ちなみにBOPISとは「Buy Online, Pick-up In Store」の略で、小売の業種で注目されている仕組みだ。

全文英語だが、以下の解説記事がかなり詳しく参考になる。

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ロッカーは、駅だけでなく、人が集まる場所(商業施設、区市町村の役所、学校、病院)などにも広げていける可能性がありそうだ。

例えば学校であれば、授業ごとに宿題を配布するのでなく、ロッカーを使用すれば授業時間を有効に使える。権限設定も工夫すれば悪用されるリスクも低くなるし「自分のスペース」として保つことができそうだ。

また、ロッカーをハブとして機能させるのも面白そうだ。「ロッカー使用者はコワーキングスペースに30分滞在してOK」とか。導入時のインセンティブ設計を何らか工夫することで、三方よしのメリットを提供できるだろう。

BOPIS自体の仕組みも、管理システムとして提供するプロバイダーも出てくるだろう。

コロナ禍をきっかけに「店舗」の役割の再定義が問われている。従来とは違ったビジネスモデルをどう設計できるか。大企業である西武ホールディングスが取り組むチャレンジを、試金石として引き続きウォッチしておきたい。

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