愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)
昨年読んだ『地図と拳』から、小川哲ブームが続いている。
ブームとはいえ、たかだか小川哲さんの書籍は3冊しか読んでいない。雑誌「Pen」で連載されている「はみだす大人の処世術」をほぼ毎号読んでいるとはいえ、小川哲を語るにはちょっと心許ない。
だが、小川さんと比較的年齢が近いこともあり、他の作家と比べて(非常に烏滸がましいことだが)「うんうん」と頷いて読むことが多い気がするのだ。
近著『君のクイズ』も、「ああ、こういうところを切り取るの、めちゃくちゃ共感するわあ」なんて、誠