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感想 | ほりそう

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世の中の「もの」「こと」に関して、感じたこと / 想ったことを綴ります。
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記事一覧

「キル・ビル」に出会い直した。

映画をしっかり観るようになって、たびたび耳にする名前がクエンティン・タランティーノだ。 …

養老孟司が考える、ものがわかるということ

世界をわかろうとする努力は大切である 人生の意味なんか「わからない」ほうがいい この矛盾…

サバンナ・高橋茂雄が拾い上げた、宇多田ヒカルの音楽への向き合い方

バラエティ番組の出演者の役割について、ずっと僕は勘違いしていたかもしれない。 ・面白いこ…

まぜるな危険、「GOD」と「LAND」。(映画「ゴッドランド/GODLAND」を観て)

デンマークの植民地下だったアイスランドが舞台の物語。 デンマーク人の若き宣教師・ルーカス…

「万引き家族」で気になった3つのポイント(と自分なりの解釈)

久しぶりに是枝裕和監督の代表作「万引き家族」を鑑賞した。 作品の素晴らしさは言うに及ばず…

生まれ変わった、“現代”の「異人たち」

アンドリュー・ヘイ監督が手掛けた映画「異人たち」、傑作でした。 同じく2024年公開の映画「…

愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)

昨年読んだ『地図と拳』から、小川哲ブームが続いている。 ブームとはいえ、たかだか小川哲さんの書籍は3冊しか読んでいない。雑誌「Pen」で連載されている「はみだす大人の処世術」をほぼ毎号読んでいるとはいえ、小川哲を語るにはちょっと心許ない。 だが、小川さんと比較的年齢が近いこともあり、他の作家と比べて(非常に烏滸がましいことだが)「うんうん」と頷いて読むことが多い気がするのだ。 近著『君のクイズ』も、「ああ、こういうところを切り取るの、めちゃくちゃ共感するわあ」なんて、誠

自分で、自分の育て方を学んでいく(宇多田ヒカル)

4月10日、宇多田ヒカルさんがベストアルバム「SCIENCE FICTION」をリリースした。 メディア出…

(映画「マリウポリの20日間」を観て)

「マリウポリの20日間」 (監督:ミスティスラフ・チェルノフ、2023年) ── 先日行なわれ…

社会の課題解決の担い手は「私たち」である。(田内学『きみのお金は誰のため』を読ん…

「お金」が社会の中でどう位置づけられているか/位置づけられるべきかを考える良書でした。 …

「異人たちとの夏」は、どうかしてた。

40歳過ぎの脚本家が、幼少期に事故で失った両親と再会する物語。楽しい日々を送るも、主人公の…

“持てる者”へ厳しい眼差し(葉真中顕『ロスト・ケア』を読んで)

2023年に映画化もされた、葉真中顕の『ロスト・ケア』。 べらぼうに面白く、そして哀しく、一…

逃げるは恥じゃない。(菅野久美子『母を捨てる』を読んで)

4月上旬、衆議院議員の谷川とむ氏の「ドメスティックバイオレンスや虐待がない限り、離婚しづ…

クマーがコカインをキメたら。(映画「コカイン・ベア」を観て)

ある日、熊がひょんなことからコカインを摂取したら。 そんな非現実な設定の映画は、なんと実話をもとにしているそうで。B級映画っぽいと侮るなかれ。95分間、しっかりコカインをキメたクマーは迫力満点でした。 「コカイン・ベア」 (監督:エリザベス・バンクス、2023年) ── 「コカイン・ベア」は“ひょんなこと”の連続である。 セスナ機に積んだコカインを森に落としていなければ。熊を動画で撮影していなければ。学校をサボっていなければ。救急隊員として出動しなければ。救急隊員の