ほりそう / 堀 聡太

栃木県小山市出身。edit:ふつうごと(http://futsugoto.com)、o…

ほりそう / 堀 聡太

栃木県小山市出身。edit:ふつうごと(http://futsugoto.com)、osanai(http://osanai.site

マガジン

  • 感想 | ほりそう

    世の中の「もの」「こと」に関して、感じたこと / 想ったことを綴ります。

  • 日々のあわ | ほりそう

    日々の雑記についてまとめます。「あわ」のようにフワフワと浮かび、ともすれば消えそうなささやかな感情を記します。

  • ことば・言葉 | ほりそう

    ことば(言葉)について、僕自身の試行錯誤を記録するマガジンです。

  • 恋 | ほりそう

    息子のこと / 息子に向けたメッセージを綴ります。

  • これからの「政治」の話をしよう

    日本では政治に関する教育が十分になされていません。その結果、あくまで傾向としてですが、政治や選挙に関するリテラシーが低い状態にあります。(毎回投票する人も、投票直前に各政党の比較記事を眺める程度だったり) 僕自身もそれほど政治に詳しいわけではありません。まして政治家と繋がりがあるわけでもない。ただ一人の有権者として政治に対するアクションは取れるはずです。noteを通じて、一緒に政治や選挙に関するリテラシーを高めていきましょう!

記事一覧

固定された記事

推さないWebサイト「osanai」を作りました。

2022年8月15日、映画テキストサイト「osanai」をリリースしました。 * 何を提供するサービスなのかosanaiとは、推さないという意味です。 推す・推し活といった言葉が頻…

最悪から始める、最高の旅。(映画「わたしは最悪。」を観て)

走り書きとはいえ、さすがに昨日のnoteはおざなりだった。 ということで、改めて映画「わたしは最悪。」について語ろうと思う。原題は「The Worst Person in the World」…

「わたしは最悪。」は、望みを失いも、歩み直せる映画だ。

映画「わたしは最悪。」、ユリヤの物語かと思えば、人によってはアクセル、アイヴィンの物語になる。 そればかりか、ユリヤとアクセルとアイヴィンそれぞれの何かに共感す…

家の中で、アリとは共存できない。できないけれども。

自宅の子ども部屋に、大量のアリが発生した。 侵入経路も不明だったが、放置するわけにもいかないので、部屋中に殺虫剤を撒く。24時間経過し、新たなアリは見掛けないので…

noteを書くネタが浮かばなくて、小一時間とか余裕で経っちゃう件。

22時過ぎ、ようやく息子も眠ってくれたフライデーナイト。 1週間の疲れもあるのだけど、本棚を探りながら久しぶりに村上春樹さんの『ドライブ・マイ・カー』を読みたくな…

いつまで続くか分からないけれど、兄弟のケンカにも寛容でありたい。

ちょうど3年前、こんなnoteを書いていた。 あらゆることに少しずつ「折り合い」をつけられるようになった、6歳と3歳の息子たちだけど、やっぱり、ささいなことでケンカに…

「0歳児に選挙権」は非現実である。

日本維新の会が「0歳児に選挙権」と言い始め、世間の失笑を買っている。 子どもに投票権を与えようという考え方は、「ドメイン投票方式」という名前でも知られている。だ…

「キル・ビル」に出会い直した。

映画をしっかり観るようになって、たびたび耳にする名前がクエンティン・タランティーノだ。 新作を出したわけではない。前作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウ…

養老孟司が考える、ものがわかるということ

世界をわかろうとする努力は大切である 人生の意味なんか「わからない」ほうがいい この矛盾するふたつを携えながら、養老孟司さんの近著『ものをわかるということ』は記…

負けず嫌いは内側から?外側から?

たぶん、何らかの研究結果が公表されているのだと思うけれど、負けず嫌いというのは何か発生するのか気になっている。 そもそも「負けず嫌い」というのは、“勝負”や“競…

肩車からの卒業

今年の4月から小学生になった長男。 保育園に通っていた頃から、「小学生になったら肩車も卒業だねえ」と言っていたけれど、肩車卒業の瞬間は唐突にやってきた。 昨日、…

サバンナ・高橋茂雄が拾い上げた、宇多田ヒカルの音楽への向き合い方

バラエティ番組の出演者の役割について、ずっと僕は勘違いしていたかもしれない。 ・面白いことを言うお笑いタレント ・「なるほど」と神妙に頷く芸能人 ・「番組宣伝」と…

まぜるな危険、「GOD」と「LAND」。(映画「ゴッドランド/GODLAND」を観て)

デンマークの植民地下だったアイスランドが舞台の物語。 デンマーク人の若き宣教師・ルーカスが、「アイスランドの山村に教会を建てろ、厳しい寒さの冬が来る前に」という…

「万引き家族」で気になった3つのポイント(と自分なりの解釈)

久しぶりに是枝裕和監督の代表作「万引き家族」を鑑賞した。 作品の素晴らしさは言うに及ばずなのだが、再鑑賞にあたって細部3点ほど「よく分からなかった」ことがあった…

生まれ変わった、“現代”の「異人たち」

アンドリュー・ヘイ監督が手掛けた映画「異人たち」、傑作でした。 同じく2024年公開の映画「哀れなるものたち」とは、ある意味で対極にあたると感じています。「哀れなる…

愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)

昨年読んだ『地図と拳』から、小川哲ブームが続いている。 ブームとはいえ、たかだか小川哲さんの書籍は3冊しか読んでいない。雑誌「Pen」で連載されている「はみだす大人…

推さないWebサイト「osanai」を作りました。

推さないWebサイト「osanai」を作りました。

2022年8月15日、映画テキストサイト「osanai」をリリースしました。

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何を提供するサービスなのかosanaiとは、推さないという意味です。

推す・推し活といった言葉が頻繁に使われている昨今、個人の好き嫌いでない視点が大切だと思いました。

いろいろな映画作品についてのテキストを掲載しています。映画を観た感想、映画に関する取材など。他にも、映画について深く考えたり、解釈したり、映画

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最悪から始める、最高の旅。(映画「わたしは最悪。」を観て)

最悪から始める、最高の旅。(映画「わたしは最悪。」を観て)

走り書きとはいえ、さすがに昨日のnoteはおざなりだった。

ということで、改めて映画「わたしは最悪。」について語ろうと思う。原題は「The Worst Person in the World」。救いのないタイトルだけど、最悪な自分を自覚して、初めてリスタートに至る旅もある。

いまいち自信が持てないときに、「それでも人生って、良いものだよ」と感じられる作品だ。以下、本文として僕の感想を記すけれど

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「わたしは最悪。」は、望みを失いも、歩み直せる映画だ。

映画「わたしは最悪。」、ユリヤの物語かと思えば、人によってはアクセル、アイヴィンの物語になる。

そればかりか、ユリヤとアクセルとアイヴィンそれぞれの何かに共感するポイントがあって、笑えるし泣けるし、そして望みを失ってしまう。

こう書くと「しょんぼり」する話のように聞こえるだろうが、とても素晴らしい作品です。

望みを失った後に、「ここから始めなきゃどうにもならんよな」と開き直れるような感覚にな

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家の中で、アリとは共存できない。できないけれども。

家の中で、アリとは共存できない。できないけれども。

自宅の子ども部屋に、大量のアリが発生した。

侵入経路も不明だったが、放置するわけにもいかないので、部屋中に殺虫剤を撒く。24時間経過し、新たなアリは見掛けないので、ひと安心である。

今朝は、ホームセンターに足を運び、長期的にアリ対策をするための虫ケア用品を買った。具体的な商品名は挙げないが、部屋に置いておくだけで、巣にいるアリまで効果を発揮するらしい。無論、「虫ケア用品」とは、虫をケアする日用

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noteを書くネタが浮かばなくて、小一時間とか余裕で経っちゃう件。

22時過ぎ、ようやく息子も眠ってくれたフライデーナイト。

1週間の疲れもあるのだけど、本棚を探りながら久しぶりに村上春樹さんの『ドライブ・マイ・カー』を読みたくなる。今週水曜日に、濱口竜介監督の最新作「悪は存在しない」を鑑賞したことにも影響を受けている。

だが、その前にやらねばならぬことがある。noteを書くことだ。

今日まで1,142日連続で書いているわけで、2024年5月17日も同様に書

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いつまで続くか分からないけれど、兄弟のケンカにも寛容でありたい。

いつまで続くか分からないけれど、兄弟のケンカにも寛容でありたい。

ちょうど3年前、こんなnoteを書いていた。

あらゆることに少しずつ「折り合い」をつけられるようになった、6歳と3歳の息子たちだけど、やっぱり、ささいなことでケンカになる。

今日は、長男が小学校で借りてきた本をめぐって争いが勃発した。

自分が初めて借りた本だから、ひとりでじっくり読みたい。でも本の面白さを家族にもシェアしたいという長男。

兄が楽しそうに読んでいる本を、自分でも読みたい次男。

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「0歳児に選挙権」は非現実である。

日本維新の会が「0歳児に選挙権」と言い始め、世間の失笑を買っている。

子どもに投票権を与えようという考え方は、「ドメイン投票方式」という名前でも知られている。だが僕は、“それっぽい”名前をつけて、頓珍漢な制度を正当化しようとしているだけのように感じている。(という意味合いにおいて、大阪府知事の吉村さんが「0歳児に選挙権」という言い方をしている方がまだマシである)

「0歳児に選挙権」を支持しない

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「キル・ビル」に出会い直した。

「キル・ビル」に出会い直した。

映画をしっかり観るようになって、たびたび耳にする名前がクエンティン・タランティーノだ。

新作を出したわけではない。前作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」から間もなく5年が経過しようとしている。新作の噂もどうやら立ち消えてしまったようで、映画ファンの気を揉んでいる。

なのに、何だか気になる存在。「監督の名前だけで客を呼べる」という稀有な存在であることは間違いない。

*

久しぶり

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養老孟司が考える、ものがわかるということ

養老孟司が考える、ものがわかるということ

世界をわかろうとする努力は大切である
人生の意味なんか「わからない」ほうがいい

この矛盾するふたつを携えながら、養老孟司さんの近著『ものをわかるということ』は記されていく。

子どものとき、勉強するのは何かを「わかる」ためだと思っていたのに、結局わかったことは何だろうか。その逡巡する気持ちを抱きながら、世間を見渡すと「わかった!」と喝破する言論で溢れている。そのたびにため息をつくのだが、養老さん

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負けず嫌いは内側から?外側から?

たぶん、何らかの研究結果が公表されているのだと思うけれど、負けず嫌いというのは何か発生するのか気になっている。

そもそも「負けず嫌い」というのは、“勝負”や“競争”というイメージを有しているが、必ずしも他者との“勝負”という意味ではないだろう。ときどきマラソンのレースに参加していると、参加者はみな「自分に負けたくない」という形で負けず嫌いを発揮している。

健全な負けず嫌いと、不健全な負けず嫌い

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肩車からの卒業

肩車からの卒業

今年の4月から小学生になった長男。

保育園に通っていた頃から、「小学生になったら肩車も卒業だねえ」と言っていたけれど、肩車卒業の瞬間は唐突にやってきた。

昨日、学童からの帰り道。

息子の荷物が多かったこともあり、「久しぶりに肩車しようか?」と、僕から声を掛けた

そのときは「うん」と答えた長男だったけれど、肩車をして2秒後に、「やっぱり恥ずかしいから降りる」と言われてしまった。

なんという

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サバンナ・高橋茂雄が拾い上げた、宇多田ヒカルの音楽への向き合い方

サバンナ・高橋茂雄が拾い上げた、宇多田ヒカルの音楽への向き合い方

バラエティ番組の出演者の役割について、ずっと僕は勘違いしていたかもしれない。

・面白いことを言うお笑いタレント
・「なるほど」と神妙に頷く芸能人
・「番組宣伝」と引き換えに、好感度&知名度で視聴者を惹きつける俳優

もちろんクイズ番組など、出演者がワイワイと番組づくりに関与することもある。だが基本的には「視聴者の関心を引くだけ」に彼らが起用されているものだと感じていた。

*

その思いが変わっ

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まぜるな危険、「GOD」と「LAND」。(映画「ゴッドランド/GODLAND」を観て)

まぜるな危険、「GOD」と「LAND」。(映画「ゴッドランド/GODLAND」を観て)

デンマークの植民地下だったアイスランドが舞台の物語。

デンマーク人の若き宣教師・ルーカスが、「アイスランドの山村に教会を建てろ、厳しい寒さの冬が来る前に」というミッションを与えられる。しかし現地の人々と全く馴染めず苦しみながら旅を続けていたが、極度の疲労の末に、瀕死の状態に陥ってしまう。

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映画を鑑賞しながら、不思議な作品だなと感じました。

雑な言い方をすると、「まぜるな、危険!」という

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「万引き家族」で気になった3つのポイント(と自分なりの解釈)

「万引き家族」で気になった3つのポイント(と自分なりの解釈)

久しぶりに是枝裕和監督の代表作「万引き家族」を鑑賞した。

作品の素晴らしさは言うに及ばずなのだが、再鑑賞にあたって細部3点ほど「よく分からなかった」ことがあった。

決して揚げ足取りしたいわけではない。作品全体の演出において、どんな効果を与えるものなのかイマイチ判断がつかなかったのだ。自分なりの解釈も言語化しつつ、次回鑑賞時の参照点として残しておきたい。

「万引き家族」
(監督:是枝裕和、20

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生まれ変わった、“現代”の「異人たち」

生まれ変わった、“現代”の「異人たち」

アンドリュー・ヘイ監督が手掛けた映画「異人たち」、傑作でした。

同じく2024年公開の映画「哀れなるものたち」とは、ある意味で対極にあたると感じています。「哀れなるものたち」が華やかでアート性の高い作品だとしたら、「異人たち」は物静かでデザイン的に優れている。

「異人たち」は、1988年公開、大林宣彦監督の「異人たちとの夏(以下「旧作」)」のリメイク作としても注目を集めました。両作の共通点や違

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愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)

愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)

昨年読んだ『地図と拳』から、小川哲ブームが続いている。

ブームとはいえ、たかだか小川哲さんの書籍は3冊しか読んでいない。雑誌「Pen」で連載されている「はみだす大人の処世術」をほぼ毎号読んでいるとはいえ、小川哲を語るにはちょっと心許ない。

だが、小川さんと比較的年齢が近いこともあり、他の作家と比べて(非常に烏滸がましいことだが)「うんうん」と頷いて読むことが多い気がするのだ。

近著『君のクイ

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