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天空の城ラピュタはベスト11に選ばれるのか?アンコールタイガーFCとサポーター達の行方は?

浦和レッズサポーターのほりけんです。今回は、カンボジアの旅の最終章。カンボジア随一の絶景プレアヴィヒアをはじめとする遠方の遺跡をめぐり、ソルティーロ・アンコールFCとアンコールタイガーFCが激突するシェムリアップダービーに参戦します。「アディショナルタイム」では、カンボジアの遺跡ベスト11を選出しました。

〈これまでのあらすじ〉
2018年9月、カンボジアへ旅に出た。5年ぶり4回目。旅のきっかけは、カンボジア発ライフスタイルブランドSALASUSUの立ち上げ。まず訪れたプノンペンでは、カンボジアの今を目撃し、内戦の歴史を学び直した。次いでシェムリアップに移り、郊外にあるSALASUSUの工房を訪問。

表③改

ラビュタからピラミッドへ向かう

旅の終盤にはシェムリアップから遠出をして遺跡めぐり。最終目的地は、カンボジア随一の絶景プレアヴィヒア。タイとの国境にあり、遠すぎてトゥクトゥクではとても無理なので、ドライバーとガイド付きの4WDを手配した。

朝早くに出発して、まずはベンメリアへ。「天空の城ラピュタ」のモデルとなった遺跡。乾季に来たことはあるが、今回は雨季。どんな雰囲気なのか、楽しみだ。

車を降りて、参道を歩いていくと、崩れかけた遺跡があらわれる。前日に思い出した冒険心をくすぐられる

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人気が出たからか、見学ルートが整備され、以前のように自由に探検はできないが、それにしても雨季は本当に鮮やか。木々も苔も青々としていて、遺跡とのコントラストが目に映える。

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ベンメリアでは、色々な位置・角度から良い絵を切り撮れるのだけれども、これなど圧倒的にラピュタ(のエンディング)。

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シェムリアップからも近く、半日あれば行けるのでここだけでも行くことをおすすめ。前回書いた通り、SALASUSU工房見学ツアーと組み合わせて、半日ずつという行程もあり。

続いてコーケーへ。こちらは一転、森の中に佇むピラミッド。他の遺跡とは一線を画す出で立ちで、我が道を行く。

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想像以上にピラミッド。大きいし、非常に凛々しい。

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結構な高さがあり、登るのは一苦労だったが、カンボジアの大地がいかに平らなのかがわかる。

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天空の寺院、プレアヴィヒアを目指す

いよいよ、プレアヴィヒアへ。コーケーから先はさすがに人家もまばらになる。山の麓でバイクに乗り換え、急勾配を登っていく。

この遺跡は長年タイとの間で領土問題があり、2013年にようやくカンボジア領と認められた経緯がある。紛争中はカンボジア軍が駐在していたので、よく見ると、その痕跡が残っている。この見張り台はそのひとつ。

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こちらはタイ側の参道。ここから攻め上がってきていたらしい(もちろん、本来の用途ではない)。

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いざ出発。頂を目指す。

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しばらく歩くと、階段の先にそれらしきものが見えてきた。

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おぉ、本当にあった!空が、近い。

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プレアヴィヒアは、寺院そのもの以上に、その先にある断崖絶壁とそこからの眺望が有名。

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この絶景、息を呑むという形容をしたいところだけれど、実際には息を呑むどころか、大声で叫びたくなった(さすがに自粛)。

周囲がほぼ平らなので、より高さが際立つし、カンボジアの大地の広大さを感じる。

いやー、最高!!

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帰りは一目散にシェムリアップへ。さすがに疲れたのでうたた寝をしつつ、日が暮れる前には帰り着く。

ホテルに戻って一息ついたあと、夜はクラフトビールのお店へ。アンコールビール以外にも色々飲めるのは楽しいし、何より日中歩き回ったのでビールが美味い!

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アンコール・ワットを見下ろす

ついに旅も最終日を迎える。午後にはシェムリアップダービーが控えているが、15時のキックオフまでまだ時間がある。そこで午前中は、アンコール遺跡のラストランを決行。

どの遺跡にしようかと一瞬迷ったが、まぁ最後だし、アンコール・ワットに行くことにした。

ただ普通過ぎるのもあれなので、アンコール・バルーン(気球)に立ち寄ったが、風が強いから駄目だと断られる。それでも、もし乗れるようになったら電話すると言われたので、期待値低めでとりあえず携帯の番号を渡した。

仕方なくアンコール・ワットに向かい、ひと通り散策したが、なんだかんだ言って、やっぱりすごい。伝わらないかもしれないけれど、何度来ても感動させられる。気分は「おまえがナンバー1だ!」。

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そうこうしているうちに、準備できたわよと電話があった。乗ったのは僕ひとりだったが、風がどうこうではなく、単に客が来るとは思っていなかったのだろう。

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雲は多めだったが、あのアンコール・ワットを見下ろすというのは大変気分が良い。

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その後はひと休みにブルーパンプキン。昔はエアコンとネット環境を求めてよくお世話になったものだ。今はスマホもWIFIも便利になっているのだけど、懐かしさに駆られて隙間に訪問。

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実はプノンペンからのバスで、軽食にここのスナックが出ていて、シェムリアップでも行かなければと思っていた。

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ダービーに参ずる

旅の締めくくりはサッカー。カンボジア1部リーグの2018年の最終節、ソルティーロ・アンコールFC対アンコールタイガーFC。共にシェムリアップを本拠地とするチーム同士のダービーだ。

個人的な経験で言えば、浦和レッズと大宮アルディージャとのさいたまダービーを筆頭に、2015年のニューヨークダービー(NYレッドブルズ対NYシティ)、2016年のリオデジャネイロダービー(ヴァスコ・ダ・ガマ対フラメンゴ、"Clássico dos Milhões")に次いで4つ目のダービー。

この試合ホームのソルティーロ・アンコールFCは、本田圭佑選手がオーナーであることで知られる。一方、対するアンコールタイガーFCのオーナーも日本人で、日系ダービーでもあったようだ。

スタジアムは街中から10kmほど離れている。地図でみたらアンコール・ワットと同じくらいの距離だったのでチャリでも行けたが、もう十分過ぎるほど漕いだので、トゥクトゥクで向かう。

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チケットは1ドルと聞いていたのだが、特に買うところもなく、もぎりもなく、そのまま入れてしまった。(関係者の方、支払う意志はあるので、もし無銭入場だったら請求してください。)

大半が自由席だったので、全体を見渡せるようにメインスタンド最上段に陣取る。ここで観戦上の注意がひとつ。スタンドが石造りのため、長時間座ると痛い。厚手のタオルとか、下に敷けるものを持参することをおすすめ。

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メインスタンド

異国の地でスタジアムに行く場合、ホームチームを応援するのがポリシーなのだが、今回は座った位置がタイガー側だったので、タイガー寄りに試合を見ることにした。

あとで調べてみると、タイガーはその前の週はスタジアムを満員にしたらしい。人気チームという意味で共感を覚える。チームカラーがオレンジというのはやや気になるが。(参考:大宮清水

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ベンチ前に並ぶタイガーの選手たち

スタジアムのすぐ脇はため池だ。しかもピッチとフラットなので、北九州のミクニワールドスタジアム以上に池ポチャのリスクは高い。

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円陣を組むソルティーロの選手たち

アップが終わり、試合開始を待っていると突然、牧歌的な空気を切り裂いて、FIFAのアンセムが轟く。

音楽の力は偉大だ。アンセムが流れるだけで空気が一変し、さぁ試合だ、という気分になる。俄然、テンションが上がってきた。

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ちなみにこのアンセム、僕は日本代表戦やW杯のイメージと重なるので、シェムリアップのスタジアムで聞くのは不思議な感覚だった。ただ今から振り返ると、「ワールドカップは誰のもの?」「Our World League」にも繋がるような、実にOWLらしい瞬間だったなと思う。

試合の内容・展開については、正直、記憶が薄れている。一応メモは残っているのだが、背番号と大まかな状況描写だけで、再現は難しい。

タイガーは裏へのボールに3トップが抜ける形
特に左の9番からチャンスメイク
ダメでもやり直して逆サイド
サイドバックも上がるパターン

ソルティーロ11番をターゲットにサイドからクロス
→11番が下りてきたり、サイドに流れたり

キーマンはタイガー5番CBとソルティーロ11番CF。
空中戦のマッチアップは見応えあり。
5番はセットプレーでもターゲット。

タイガー32と9
ソルティーロ7、9、左ウィング

後半のタイガーは10番の裏抜け
シュート連発も決められず

唯一鮮明なのは、タイガー5番CB(RYOTA、林遼太選手というようだ)とソルティーロ11番CF(アフリカ系の外国籍選手)のマッチアップ。特に空中戦。ここが一番の見どころだったことは間違いない。林選手はフィードも良く、ボンバー気味の髪型も含めて、大黒柱という雰囲気がある(今季は髪型を変えてしまったようだが)。サポーターが好きなタイプの選手だと思う。

スタンドの様子はというと、カンボジア人らしいシャイさがまだまだ優勢。大声を出すのには慣れていないようだったし、好プレーへの拍手はあまり聞こえてこない。

しかしチャンスへの反応は鋭い。ゴール前に迫ると、途端に大騒ぎ。態勢とかはお構いなしで、これは無理だろうなというシーンでも本気で残念がる。あの騒ぎ方を見ると、カンボジア人はサポーターに向いている気もする。そして隣に座っていた少年は、一人だったのにも関わらず途中から率先して声を出していて、コールリーダーになれる素質を感じた。

結果はスコアレスドローだった。欲を言えばゴール、より正確にはゴールを目撃したときのカンボジア人の感情の爆発を見たかったが、タイガーは決定機が何度もあり、盛り上がったので楽しかった。

やはり、異国の地で、サッカーのある週末を感じるのは楽しい。

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スタグルなど

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ボールボーイ。めちゃかわいい。

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試合後の挨拶

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いきなり子供たちがたくさん現れたなと思ったが、からくりが判明。

なお、今季のタイガーは、観客動員も、熱量も増しているよう。映像を見る限り、サポーター達の急成長ぶりが半端ない。ユニフォームも格好良いし、また観に行きたい。

旅が終わる

スタジアムを後にすると、この楽しい時間も終わりが近づく。

少しだけ買い物をして、ホテルに戻る。

荷造りをして、シャワーを浴びて、空港に向かう。

渡しそびれていたお土産を友人に託すと、あとは飛び立つのを待つだけ。

もう、思い残すことはない。

いよいよ休暇は終わり、これからフライト。
復路はシェムリアップ発バンコク経由で成田へ。

久しぶりにプライベートの海外旅行だったけど、
やりたかったことは全部やったし、
ほんとパーフェクトだったな。

あー楽しかった!!!

(シェムリアップ空港でのSNSへの投稿より)

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アディショナルタイム:遺跡ベスト11

4回目ともなると、ガイドブックに載っているような遺跡には結構行った。そこで旅の最終回は、カンボジアの「遺跡ベスト11」で締めたい。

フォーメーションは4-3-3。中盤3枚の並びが正三角形なので4-2-3-1にも見えるが、ウィングは2列目ではなくトップの位置。

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