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いけてますって✨ ~生け花芸術論争の巻~ その④

#花人 #いけばな #ほりべえ


#いけばなが芸術であるか否か

いけばなの芸術論争についてのシリーズ。その④

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 前回は、

~安達式挿花の巻~

として、安達潮花の話でした。

詳しくは、コチラ ⇓
いけてますって✨ ~生け花芸術論争の巻~ その③|ほりべえ (note.com)



 本来は、次の中川幸夫の話に進みたい所ではございますが、潮花の娘
安達瞳子が好きだというコメントを頂きましたので、今回も安達式挿花を中心に話をしたいと思います。
 瞳子は何故父親の潮花と袂を分かち自身の流派「花芸安達流」を立ち上げたのか。

    安達瞳子さん🎵Wikipediaでの写真も美しい~~!✨
才色兼備そのものです。(*≧∇≦)ノ
気になる方は、ご自分でお調べ下さい。m(__)m

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途中抜粋

昭和四十三年三月三十一日 日曜日 曇時々晴

「しばらくの間、自分の足と目で独り訪ね歩く桜旅が必要であるように思え、今度その始発駅として“安達瞳子制作室”を設けました」
 マスコミや知人に送る挨拶状の原稿もカバンに入れた。
 瞳子が椿邸と呼ばれている世田谷の生家を出ることは、既に母だけには告げてある。
 「三月三十一日に出ます」

途中略

 生け花を一つの芸術として全身でぶつかっている瞳子は、果たして芸術は学校の授業の単位のように教えていけるものかと、疑問が芽生えていた。
「なぜ逆不等辺三角形が安達式挿花の基本の型なのか」
 と作家の遠藤周作に訊かれた時、自分の言葉でちゃんと説明できなくて、ひどく悔しかったこともある。生け花の流派にはそれぞれ花型というものがあって、それに従ってカリキュラムが組まれている。潮花は次々と新しい花型をつくりだしてくるが、瞳子には空虚な技巧的パターンにしか思えなくなっていた。
 ――あんなに自然が好きだった父が、空しい反自然の世界へ入っていく。

途中略

 帰国して父潮花に「桜を生けたい」と言った。潮花は椿を最も日本的な花として扱い、自宅に全国から一万五千本の椿を集めている。いわば椿は安達式のシンボルであるのに、瞳子はそれを捨てて「桜に心をひかれる」と宣言したのだ。
「桜はいかん。桜というのは沢山まとまっているのを遠くから見るものだ。壺に生けられるものじゃない」
 潮花は顔を赤くして瞳子を叱った。
 「私は時間を生けたいのです」
 椿みたいにそのままで一輪ざしになるような花は生けたいとも思わない。どんなに生けにくくとも、パッと咲いてパッと散る桜の生命の激しさを生けたい。その限られた時間に生きる花のいのちを生けてみたい……。
 瞳子はムキになって反論したが、実はいけたいものが桜でなくともよかったのかも知れない。椿でさえなければ菊でも、百合でもよかったのだろう。

『華日記』ー昭和生け花戦国史 早坂暁


限られた時間に生きる花のいのちを生けてみたい……。


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 安達瞳子は父親の潮花との決別について、当時自分の言葉で次のように語っている。『週刊読売』昭和45年2月6日号 発行元:読売新聞社 

いまは「家元」ではなく、いい「作家」をめざす(安達瞳子)

安達式挿花の家元を、父の潮花氏から継ぐはずだった安達瞳子さんも、この制度に強い疑問を持った。

「むかしの、つまりできはじめの花道は、連歌あわせのように、自分の好きな花器や花を持ち寄って生け、それをお互いに批判しあったと思うんです。師もなく弟子もなく、そこには純粋なディスカッションだけがあり、そして発展があった。こういう型を、私は肯定するのです。ところが、こういう型が変じて、いまのような家元制度が確立されてしまった。私の父も自分の生け花をさがし、そして流派も作りました。そういう父は好きです。だから私にも無からはじめよ、自分で自分のものを作り上げよ、というべきだったのです。しかし、父は年をとるに従って、それをさせてくれないばかりか、自分のパターンをそのまま私に押しつけようとしたんですね。とうとう耐えられなくなって、私は自分の制作室をつくったのです。いたずらに自分を押しつけるような花道は、私は好きではありません」

いま、瞳子さんは、生け花作家として勉強している。家元制度のようなボロもうけはできないが、コマーシャル・ベースにのった仕事を見つけながら、一人で勉強していくだけの収入は得ているという。安達式挿花の二代目を継いだ彼女の長兄と家元争いのようなこともあったが「とにかく、いまは家元になるのが私の目的でなく、いい作家になることだけを考えています」という。

第137回 マルサといけばなの巨人~古い家元制から経営の近代化へ | 園藝探偵の本棚 | カルチベ – 農耕と園藝ONLINE (karuchibe.jp)


むかしの花道は、自分の好きな花器や花を持ち寄って生け、それをお互いに批判しあったと思うんです。師もなく弟子もなく、そこには純粋なディスカッションだけがあり、そして発展があった。


 素敵だなぁ♪♪
ほりべえも安達瞳子さんのような人を目指したい✨


瞳子さんと共に桜旅
今宵は夜桜見物と参りましょう🎵



ここまでお読み下さいまして、どうもありがとうございます🛐

心はいつも #花とともに


to be continued



(毎度のおまけ)

作品全体
染井吉野、フリージア、
ホワイトレースフラワー、
スターチス、しゃが


    ベランダで春の嵐に折れそうになっているフリージアを助けました。
 かずさんから頂いた庭から剪定して切り落とされた染井吉野。お稽古用に購入して1ヶ月保たせたレースフラワーとスターチス。ベランダで育てたしゃがの葉。
 今、手に入る花材を取り合わせて生けた作品です。

 先日のホームパーティーでソファーテーブルの上に飾りました🎵👍

#西沢千晶のホームパーティー  の様子はまた別の記事でご覧下さいませ🛐



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