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ロバート・ゼメキス監督『魔女がいっぱい』

 わたしは大魔女様にまんまと魅了されてしまった一人です!

 怖いけれど、とんでもない別嬪さんなので、どの角度から見ても目の保養になります。

 怖いけれど、すぐ調子に乗ってノリノリになっちゃうところが可愛いです。

 怖いけれど、かなりのドジっ娘。

 うっかり怪我をする度に「痛いよぉー!」と子どものように泣き出しそうな表情をするところに親近感を覚えます。

 よく、足の小指をタンスの角にぶつけたり、手の指をドアに挟んだりした人間が、この大魔女様みたいな表情をしていますよね…。

 とはいえ、苦悶の表情さえも美しいのは大魔女様くらいのものでしょうが…。

 なんといっても大魔女様は、頭に虫?が巣食っていても、カツラを脱ぐ時にちょっと白目をむいちゃっても、口が耳の近くまで裂けても、鼻の穴が大きく膨らんでも、ニワトリの真似をしても尚、美しいのですから!

 美女って凄い!

 子ども向けの映画では、悪役=醜い、という描かれ方をするのがスタンダードだ…とわたしは思っているのですが、わたしはこの映画を観てこう思いました。

 綺麗な人が怖いのって、めちゃくちゃ怖い!!

 と。

 その美貌にぽーっと見惚れている間に攻撃されちゃう!

 怖い!

 でも見たい!

 何このジレンマ!

 わたしとしては、もっとこの麗しい大魔女様のご活躍を見たかったです。

 しかし、子ども向け映画なのにあまりにも大魔女様が強いと、怖過ぎて子どもたちが泣いてしまうので、このくらいの暴れ具合にセーブされたのでしょうか?

 残念です。

 大魔女様にもっともっと暴れていただきたかった。

 どのみち、子ども向け映画にしてはグロテスクなシーンが目立っていて、子どもに見せるには恐ろしい仕上がりの映画なのですから、こうなったらとことん大魔女様にゴージャス且つ妖艶にその魔力をいかんなく発揮していただきたかったです。

 この映画の終わり方からいって続編制作は難しいかもしれませんが…、わたしとしてはもしいつか続編が作られる機会があれば、ノリノリでルンルンな大魔女様の華麗なるお姿を再び拝見したいものです。

 …そしてもし続編が作られるようであれば、大魔女様たちのせいで大変な迷惑を被った気の毒過ぎるホテルの支配人さんのその後も知りたいです…。

 あれって保険下りるのかな…?

 大魔女様たちにぶっ壊されてしまった備品の修理代や、パニックを起こしたお客様たちへのお詫びや損害賠償も大変ですが、なんといっても宿泊客のご子息が行方不明にもなったわけですから完全に警察沙汰。

 支配人さんの気苦労ときたら、相当なもののはず。

 わたしは支配人さんに激しく同情し、思わず泣きそうになりました。

 マスコミ対応はどうするのか?

 この先、このホテルに宿泊予約は入るのか?

 経営不振に陥ったらホテルの運営はどうなる?

 そもそもこの騒ぎについて、お客様たちだけでなく、従業員たちへもなんと説明すれば良いんだ…!?

 と。

 大魔女様たちの傍若無人な振る舞いの尻拭いをさせられる支配人さんが哀れ!

 せめて…せめて保険が下りますように…!

 魔女による被害者を救済するための「魔女保険」があれば良いのになぁ…。

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