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味つけはせんでええんです

タイトル:味つけはせんでええんです
著者:土井善晴

土井善晴さんはテレビ番組で知っていたけれど、本を読むのは初めて。
私の3冊目の電子書籍を執筆するにあたり、「味覚」について調べているときに、このタイトルが目に留った。

ちなみに私は果樹農家で果物を生産している。自給自足程度のお米と野菜も作っているが、料理にはほとんど興味がない(笑)
そして農園のお客様から「美味しいですか?」と聞かれるのが一番苦手である。

だって、味覚は好みでしょ?

食べてみなくちゃわからないし
甘いほうが美味しいと感じるのか?
酸っぱいほうが美味しいと感じるのか?

「美味しさの基準」は全員違うはず。

美味しいor美味しくない
ではなく
「自分の口に合う」かどうかだ。

美味しい?と聞く人は
誰かが美味しいというから食べる
美味しいといわれなければ食べない
という選択は非常にもったいない!
と私は考えている。

土井善晴氏の本を紹介するのに
自分の考えを述べてしまった。
生産者としての想いがね、いろいろあるんですよ(笑)

話をもどして
「料理研究家なのに味つけしなくていいって言うの?」
そんな疑問と
「著名な料理研究家が味つけしなくていいって言うなら、私の考えていることはあっているかもしれない?」
そう思いながら読み始めました。

いつもテレビ番組で見ている
土井善晴氏の関西弁のままで
彼が語り掛けるように進みます。

中学生との対話からの気づき
味覚・嗅覚と言語中枢のこと
お金にならない親切の循環のこと
料理のお話なのに数学の話題
なにもしないこと
純粋なもの
おいしいに支配される脳
などなど

お料理のレシピやテクニックの話は皆無。
土井善晴氏が感じていること
いろんなジャンルを通して考えてきたことが
まとめられています。

なかでも私の興味を引いたのは
「料理したことで私たちは人間になった」
という項目。
進化の過程で、

多くのエネルギーと時間を、消化吸収のために使ってきましたが、料理することで生まれた余剰エネルギーで脳を大きくして、自由な時間である余暇を持つことができました。

味つけはせんでええんですより

確かに、動物はずっと食べものを探し続け、消化吸収に時間をかけています。
例えば
パンダは笹しか食べられないし、
コアラはユーカリしか食べません。
さらにその消化や解毒のためにほとんど眠っている状態。

人間が雑食で生きていられるのは「料理」のおかげかも!
と、これは私の考えです。

味つけうんぬんより、
たくさん横道にそれたくなる本でした。

「味つけはせんでええんです」という理由も書いてありますので、そこはぜひご自身で読んで確かめてください。

  • 毎日献立を考えるの疲れちゃったなと思う人

  • お料理が下手だと思っている人

  • モノにあふれた生活に疑問を感じている人

そして、
食にかかわるお仕事をしている人
にも読んでいただきたいです。

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