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さみしい夜にはペンを持て

タイトル:さみしい夜にはペンを持て
著者:古賀史健
絵:ならの

ジャケ買いの1冊。
書店の棚に並ぶなかで
装丁の美しさが目に留まり
手に取ってパラパラめくると
絵本のような楽しさがあった。


『ぼくは、ぼくのままのぼくを、好きになりたかった。』

この言葉で物語が始まる。

設定は海の中。
中学三年のタコジローくんが主人公。

「どうしてぼくだけタコなんだろう。
どうしてみんなみたいになれないんだろう。
タコも自分も、大嫌いだ。」

毎日そんな風に思っていたタコジローくんが
ある日、通学のバスを降りることができず
学校を休んだ。
そして、ヤドカリのおじさんと出会うのだ。

主人公が中学生なので
文体がとても優しい&易しい。
話が穏やかに進んで行く。

いわゆるヒーローズジャーニーのように
主人公が大きく成長することはなく

もどかしいほど
心が行ったり来たりして
それがとても現実的。

ヤドカリのおじさんとの対話を通して
日記をかく、
自分の言葉でかくことを通して
「書いて自分と対話する」
タコジローくんの内側に変化がおきる。

日記をつけることで自分を知っていく物語で、考え方や書き方もとてもわかりやすい。
私は本を読んでいる途中で、日記帳を買いに行った(笑)

しかし、
私が一番心に残ったフレーズは日記とは関係なく

『子どものさみしさと、おとなのさみしさがある』
『ひとりになりたいのは「みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる」からだよ。「みんな」のなかにいると、なんでもない「自分」ではいられなくなるんだ。』

さみしい夜にはペンを持てより

今まで漠然と考えていたことを、言葉にしてもらえたと思った。

著者の古賀史健氏は、世界的ベストセラーの「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」の共著者さん。
なるほど、哲学的な内容も設定と物語によってこんなにも心をつかむものなのかと納得。

自分とは?
なんだかひとりぼっち…
ちょっとひとりになりたい
静かな時間を持ちたい
日記書いてみたい
自分をみつめたい

と思う人に読んでみてほしい。

単純に装丁と本文中の絵の楽しさを味わってほしい!
という想いが8割です(笑)
なので、電子書籍よりも
本を買って開いてみて~~~!



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