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【競馬の新常識】「ノーステッキ幻想」~ノーステッキは余力があるは本当か~#2

割引あり

こんばんは。
久しぶり【競馬の新常識】のコーナーです。

既成概念ぶち壊しタイムです。

よく巷で、
「ノーステッキで圧勝!」とか「ノーステッキじゃんすげぇ!」とか。
そういう声が聞かれます。

ノーステッキ。つまり鞭を入れていないことをそういいますね。鞭を入れずとも勝ってしまうことをノーステッキで勝つ、なんて言いますね。んで、鞭というのはなんとなく必死な感じがありますし、馬の加速の合図として使われることも多いです。
ですので、鞭を入れずに、つまりノーステッキ状態だと、「まだまだ余力がある!」と認識されることが多いと思います。

本当にそうでしょうか

確かに、ビシバシ鞭でしごかれている馬の横に鞭なしでいる馬がいたら、
鞭なしの馬のほうが余裕がある様に見えます。でも、ノーステッキだからと言って余力があると決めつけるのはどうなんでしょう。そもそも根拠はあるのでしょうか。

まず、ここで一つ誤解されやすいことを消化しておきましょう。

ノーステッキと手ごたえ。
これは全く別物です。

もちろん、状態とただの名詞ですから、違うのは当たり前ですが、そうじゃなくて。
手ごたえがいいというのはノーステッキを含む概念ですが、ノーステッキというのはただ鞭をいれていない状態を指す言葉なので、手ごたえが悪くてもノーステッキの場合があります。

少しそれますが、手ごたえがいい、というのはいわゆる馬なり。これは余裕があると言えますね。
これはなぜかわかりますでしょうか。
それは、騎手が追わない状態では手綱が緩まず、馬がストライドを伸ばすことが困難だからですね。もちろん、騎手の腕がめちゃくちゃ長かったら馬のストライドがめちゃくちゃ短かったら、というのはありますがそれは置いときましょう。

んで、ノーステッキというのは鞭を使っていないことですから、手ごたえがいいとは限りませんね。
つまり、余裕があるかは見た目ではわからないはず。
ノーステッキかつ楽な手ごたえとかは別ですが、それは馬なりと言いますからね。

さて、ノーステッキが余力と直結しない可能性があると言うことは話してきました。
でもここまでだとただ文字の羅列。つまんないですよね。せっかくですから、もう少し実践的なところでいきましょう。
覚えている方いらっしゃいますかね。

2019年マイラーズカップ。
ダノンプレミアムが(おそらく)ノーステッキで勝ったレース。その勝利ジョッキーインタビュー。ユーチューブにあるので見てみてください。
杜雄アナが「直線、鞭使ってましたか?」と聞くと
川田騎手は「馬は一生懸命走ってますから、これ以上は伸びません」と返しました。
これはつまり、鞭を入れたからといって必ずしも馬が加速するわけではないことを示していると思います。

まぁ、そりゃ全速力で走っているところに鞭入れられても加速はできませんよね。
前進気勢が強い馬。とくにディープインパクトやイクイノックスなどもそんな感じだと私は思います。手綱離したら自動的にスタートみたいなイメージ。ここに関しても根拠はほかにありますが、本題とはずれるのでまた次回。

他の例として、リアアメリアなんかもそうだと思います。これは川田騎手が最近の対話でも話していましたが、映像見てもわかります。鞭入れても反応なし。
ディープボンドもわかりやすいですかね。

でもまぁ、一番キャッチーなのいきましょうか。
2013年有馬記念。

そう、オルフェーヴルラストラン。
8馬身差。
「これだ、これだ、これが

オルフェーヴルだぁぁぁ!

のあれです。

あのレースはオルフェーヴルが三コーナーあたりから動いて、4角で馬なり先頭。そこから直線でびっしり追われ続けてゴール。という流れでした。

つまり、4コーナーまではノーステッキ。直線途中で鞭が入り最後まで鞭が入り続けた、というレースです。

もしノーステッキは余力がある説、が本当なら、直線ではとんでもなく加速しているはずですね。

本当にそうでしょうか

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