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「意見」と「事実」の違い

皆さんにホントに伝えたいのは、 「意見は正しくない」 ということ。
正確に言えば、意見は正しいとも間違っているとも結論づけることは出来ない、なのですが、 意見と事実を混同している方が結構いるんですよね。
では少し簡単なクイズを。

「ディープインパクトは史上最強馬である」
「秋天のイクイノックスは誰も差せない」
「アーモンドアイは中山2500は合わない」
「オルフェーヴルは持続力がない」
「タイトルホルダーは左回りが苦手」

この中で事実はどれでしょうか。

はい、これらは全て意見なので事実はこの中にはありませんね。何一つ事実ではありません。 事実というのは、
「ディープインパクトは平均して上がり2位と0.7秒以上差をつけている」とか
「イクイノックスは秋天をレコードで走破した」とか
「アーモンドアイは有馬記念で負けた」とか
「オルフェーヴルは直線始めでしかけた2012年凱旋門賞で最後にペースが落ちた」とか
「タイトルホルダーはG1を全て右回りで勝っている」とか
こういうものが事実ですね。 単語で言うと「強い」とか「すごい」とか「小さい」とか「低い」とか、そういうものは全て主観で意見なわけですね。もちろん、「〇〇は△△より低い」とかは事実の可能性もありますね。 ただ、この意見と事実を混同してしまうと危険なわけですね。 何が危険かと言うと、意見を根拠だと思ってしまうわけですね。
意見というのは上に書いたように「正しいとも間違っているとも結論づけることは出来ない」ものなので、根拠にはなり得ません。根拠になるのは事実です。 意見を根拠にしてしまうと、
「ディープインパクトには誰も勝てない、だからイクイノックスは史上最強じゃない」とか
「カネヒキリはダートで一番強い、だからスマートファルコンを最強馬に選ぶのは間違っている」とか
「今どき中学生でもそんな事いわないよ…」 と言った感じになってしまうわけですね。一方、 事実を根拠とすると
「ディープインパクトは多くのレースで最後方から平均的に上がり2位に0.7秒速い脚を使う。つまり平均的な体調のディープインパクトが2023年秋天でジャスティンパレスの位置にいて、上がり二位のプログノーシスより0.7秒速い脚を使うと、イクイノックスより0.1秒速く走破する計算になる。だからディープインパクトは秋天でイクイノックスに勝てるだろう」
という感じになりますね。
「ディープインパクトは多くのレースで最後方から平均的に上がり2位に0.7秒速い脚を使う」とか
「平均的な体調のディープインパクトが2023年秋天でジャスティンパレスの位置にいて、上がり二位のプログノーシスより0.7秒速い脚を使うと、イクイノックスより0.1秒速く走破する計算になる」とか
これらは事実ですよね。調べれば誰でも同じ結論になりますし、計算すれば再現性がありますね。 なのでこれは根拠になりうるわけですね。 それで、その根拠を元に 「ディープインパクトは秋天でイクイノックスに勝てるだろう」という 意見を述べるわけです。
なので、意見には根拠となる事実が必要なのですね。というか、妥当と言える意見を述べるためには必要なわけですね。
事実→意見
という感じ。 でも、事実と意見を混同してしまうと
意見→意見
という感じで、根拠の無いものをただ並べているだけ、になってしまうんですよね。 もちろん、議論でないならば、ただのわちゃわちゃ話でならば根拠をつける必要は全くないのですが、もし、他者の意見に対して反論するとか、自分の意見の正しさを主張したい場合は、これを意識しないとかなり稚拙になってしまいます。議論が成立しないわけですね。

なので、是非皆さんも議論や対話をする際には、意見と事実を区別し、意見を述べる時は根拠となる事実を付け加えることを意識して欲しいなと思います。

意見に根拠をつけると何がいいんだ! という意見に関しましては、 根拠を付けた意見Aは、「特定の視点においてその意見は正しい」ということが出来ますね。 なのでなんの根拠もない「正しいとも間違っているとも結論づけることは出来ない」意見Bと比べると、 「意見Aは意見Bより正しい」 と言えるわけですね。
これが根拠をつける意味ですね。

ちなみに意見Aは意見Bと比べたらより正しいというだけなので、意見Aより正しい意見を見つけることも可能です。 そのためには意見Aが間違っている/妥当性を欠くという意見Cとその根拠を提示し、意見Aより正しいと言える意見Dとその根拠を提示すればいいわけですね。 そうすると「意見Aは意見Dより正しい」と言え、アップデートされるわけですね。 この繰り返しが学問です。
難しいですけど、これをやりたいんですよね…

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