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【うつ病になった大学生】   本当に書きたいことは書けないから、詩を書く

いちばん書きたい、書かなければならないことは、エッセイにも小説にもできない。

だから、詩に逃げる。

いや、逃げるとか言ってしまうと、それを書いているすべての人に失礼極まりないのだけれど、わたしにとっては逃げである場合がある。

言葉にできないから、詩を書くのだ。

それは矛盾していて、わたしにとっては当たり前のことなのだと思う。

文学部にいながら、文学的なことは何一つわからずに詩を書いている。

わたしの脳内直通運転の言葉は、リズムと雰囲気だけで選ばれて紡がれている。

だから、わたしが詩を書くのが上手いとか下手だとかはどうでもよくて、わたしには詩を書くことでしか外に吐き出すことのできない感情がある。

それをなんとか処理するための手段として詩を書いている。

それをこう言うところに載せるのは、ただの承認欲求だ。

人間なんてそんなものだろう。すべての感情を合理的に説明できるほど有能ではないし、自分の持っているものを他人に見せびらかしては、褒めてもらうのを待っている、健気な生き物なのだ。

詩はいい。

書くのに頭を使わないから。

わたしの感性が勝手に言葉を紡いでくれるから。


詩「愛されたい、帰りたい、冷たい亡骸を抱えて」

母への言葉を、詩でなら書けるかもしれないと思って書いたけれど、やっぱりわたしはわたしを偽ることでしか母のことを書けないでいる気がする。
わたしは鬱の波に飲まれたとき、世界はこんなにも孤独なのかと泣いた。
こんな孤独な世界で大人になることになんの希望も見出せずにいた。 それは今も変わらない。 けれど、孤独を抱えずに生きている人もいるのかもしれないと思った。 この孤独は、ボタンのかけ違いによってわたしの世界に生じたバグなのではないかと。
そうなのだとしたら、ボタンをかけ直すことに希望を見出せる。
でも、わたしは疲れた。もう、疲れてしまった。
何も考えず、意識の外側でずっと眠っていたい。



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