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奈良、癒しのお湯5選|ととのうお湯めぐり

数々の世界文化遺産で知られる奈良は、洞川どろがわ十津とつかわ、奥吉野など、穴場の名湯が勢ぞろいする温泉県でもあります。古来、修験者たちが修行した大峯山のふもとにある洞川のほかにも、温泉地を抱える奈良。穴場の秘湯やラグジュアリーホテルなど、奈良に行ったら入りたい、癒やしのお湯をご紹介します。(ひととき2024年1月号特集「奈良、ととのうお湯めぐり」より)

[入之波温泉]山鳩やまばと

安時代開湯の入之波しおのは温泉にある。吉野杉の森とダム湖を望む露天が秘湯感を演出する温泉だ。毎分500リットルも自噴するお湯は濃い黄金色で、湯に含まれるカルシウムがケヤキで造られた湯船に堆積して、鍾乳洞のような質感に。宿泊も可能で、ジビエやアマゴを使った鍋もいただける

女湯の露天は陸橋の架かる大迫ダムの眺望が開放的
祖父が開いた山鳩湯を家族で守り続けているという3代目の中村直貴さん
お湯は少しぬるめで、のんびり浸かれる。カルシウムの堆積した湯船は一見の価値あり
入之波温泉は、享保年間(1716~36年)に原図が作成された「大和国細見図」の中でも「塩葉」として紹介され、「温泉浴室アリ」と記載されている

☎0746-54-0262
[所]吉野郡川上村入之波391
近鉄八木駅または大和上市駅からバスで「杉の湯」下車。入之波行きに乗り換えて「終点」下車
[時]日帰り入浴10時~16時(17時閉店)
[料]大人900円、小学生以下500円
[休]火・水曜(4月~10月は水曜のみ)
https://yamabatoyu.co.jp/

[十津川温泉]かみそう

享保年間に発見されたと伝わる十津川温泉は、熊野古道の小辺路こへちや大峯奥駈道の途中にある温泉で、多くの旅人や行商人がその足を休めた。旅館・神湯荘では、山々の景色を眺められる露天風呂や、窓が大きく開放感のある内湯など8つの温泉が楽しめる。入れば肌がなめらかになる美人の湯と評判だ。

☎0746-64-0256
[所]吉野郡十津川村字出谷220
JR五条駅から奈良交通バスで約3時間、「十津川温泉」下車。車は同駅から約2時間 
*源泉大露天風呂のみ日帰り入浴可(9時~17時) 
[休]木曜 
[料]1名500円(宿泊者無料)
https://kamiyusou.jp/

[奈良市内]ふふ 奈良

奈良公園の一角に佇む「ふふ 奈良」は、世界的建築家・隈研吾氏による設計のラグジュアリーホテル。全室スイートルームで、奈良公園の風や鳥のさえずりを感じながらくつろげる天然温泉の露天風呂を各室に完備。漢方薬にも使われる和ハーブの香りがするお湯で、心身の凝りがほどけていく。

☎0570-0117-22(Small Luxury Resort総合予約センター) 
[所]奈良市高畑町1184-1
近鉄奈良駅から車で約5分、もしくは奈良交通市内循環バス「破石町」下車、徒歩約5分 
*温泉は宿泊者のみ入浴可 
[料]1名1泊46,200円〜
https://www.fufunara.jp/

[吉野温泉]吉野温泉元湯

桜の名所・吉野の隠し湯ともいわれる吉野温泉は、古くは有馬温泉(兵庫)、道後温泉(愛媛)とも並び称されてきた。旅館・元湯には、作家・島崎藤村や俳人・稲畑汀子などの文人や修験者たちが投宿してきた。湯は赤みを帯びた含鉄炭酸泉で、神経痛や関節痛をやわらげ、体を芯からほぐすという。

☎0746-32-3061 
[所]吉野郡吉野町吉野山902-1 
近鉄奈良駅から特急で約1時間(西大寺・橿原神宮前で乗り換え) 
日帰り入浴11時~15時(受付は14時30分まで) 
[料]800円 *宿泊者は無料 
[休]不定休
http://www.motoyu-yoshino.com/

[奈良市内]亀の井ホテル 奈良

全国展開する亀の井ホテル。一押しは、5室ある「展望風呂付客室」(2名1室1泊20,310円~)で、目の前の世界遺産「平城宮跡」を眺めながら、源泉かけ流しの天然温泉を楽しめる。天然温泉の大浴場(写真)も人気で、古都奈良の悠久の歴史に思いをはせることができそうだ。

☎0742-33-2351 
[所]奈良市二条町3-9-1 
近鉄大和西大寺駅から徒歩約15分 
[時]日帰り入浴11時~15時(火・木曜は13時~15時) 
[料]大人850円、小学生650円 
*宿泊者は無料。特定日についてはお問い合わせください 
[休]無休
https://kamenoi-hotels.com/nara/

────穴場の名湯が勢ぞろいする温泉県、奈良にある湯宿は、古来、修験者や熊野詣の旅人を清め、癒やしてきました。また、東大寺や法華寺といった古刹には僧侶の沐浴や庶民救済のための入浴施設として使われてきた歴史があります。本誌では、修験者たちが修行した大峯山のふもとにある洞川温泉や古刹をめぐります。温泉街を歩き、名湯につかりながら、かつてここにいた人々に思いをはせる──。レトロ温泉郷での旅をぜひお楽しみください!

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<目次>
[その一] 山にともる湯宿の灯
レトロ温泉郷、洞川へ
[コラム] かくも良き、奈良の温泉(文=樽井由紀)
[その二] 心を洗うお湯
名刹の浴室とは
もっと入りたい! 奈良、癒やしのお湯

出典:ひととき2024年1月号

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