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「ひととき」の特集紹介

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旅の月刊誌「ひととき」の特集の一部をお読みいただけます。
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2022年4月の記事一覧

甲斐みのりさんが語る愛しの郷土玩具 旅の思い出が詰まった宝物

 幼い頃、父がお土産にと買ってきてくれた郷土玩具が好きで、今でも旅に出ると、その土地に伝わる郷土玩具を求めたり、制作する工房に立ち寄ったりしています。郷土玩具を見るたびに、その旅のことを思い出せるのがうれしくて。  郷土玩具を見ていると、日本各地の暮らしに思いを馳せることができます。だから、地域ごとに違う素材も魅力のひとつですね。紙漉きが盛んなところでは、張子や紙ふうせん、竹が採れるところでは、竹細工の動物など。土人形も、地域によって土が違うから、面白いんです。  モチー

子孫繁栄・五穀豊穣の願いが込められた郷土玩具が生きる町・鹿児島のおもちゃ神社へ──

郷土玩具は地域を表す  見てにっこり、飾ってほっこり。郷土玩具は、古来、子供の健やかな成長や五穀豊穣を願い、日本各地で作られてきた。土地の神様や伝承を取り入れながら、木や竹、土や紙といった身近な材料を使った素朴な人形や動物のおもちゃは、参詣のお土産や祭りの名物として、多くの人に親しまれてきた。近年は、ユルいフォルムと明るい色彩、愛嬌たっぷりの存在感が、若い人たちの間でも話題となり、コレクターも増えている。  今回の旅人の神崎宣武さんは、20代から日本全国、時に世界を巡り、生